三井化学株式会社(4183) 企業分析
分析日: 2024年12月15日
1. 現在の株価の評価
株価: 3344円
PER（会社予想）: 11.35倍
* 業界平均PER(20.4倍)と比較して低い水準にある。これは、市場の三井化学に対する将来的な成長への期待が、業界平均と比べて低い可能性を示唆している。
PBR（実績）: 0.74倍
* 業界平均PBR(1.1倍)を下回っており、株価が純資産価値を大きく下回っていることを示す。これは、市場が三井化学の資産価値を低く評価している可能性を示唆している。
EPS（会社予想）: 294.50円
* 株価をEPSで割ると、PERの11.35倍が算出される。
BPS（実績）: 4530.97円
* 株価をBPSで割ると、PBRの0.74倍が算出される。
2. テクニカル分析
- 直近の株価動向: 過去10営業日の株価は3300円台後半から3400円台前半で推移しており、やや下落傾向にある。
- 高値・安値: 年初来高値4836円、年初来安値3167円と大きな変動幅を示している。現在の株価は年初来高値から大きく下落している。
- 移動平均線: 50日移動平均線(3522.62円)と200日移動平均線(4054.00円)を下回っており、短期的な弱気トレンドを示唆している。
3. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年で増収傾向にあるものの、2024年3月期は前年比減収となっている。
- 営業利益: 2024年3月期は前年比減益。中間決算では増益だが、通期業績への影響は注視が必要。
- 純利益: 2024年3月期は前年比減益。中間決算では増益。
- ROE: 6.06%と低い水準。
- 自己資本比率: 38.9%と比較的高い水準。
- 負債比率: 高い水準にある。直近四半期では69.13%と、財務リスクに注意が必要。
- キャッシュフロー: 営業キャッシュフローは堅調だが、フリーキャッシュフローは低い。
4. 業界のポジションと市場シェア
- 三井化学は、日本の総合化学メーカーとして、石化から機能性材料へと事業ポートフォリオを転換しつつある。
- 詳細な市場シェアの情報は入手できなかった。
5. 経営戦略と重点分野
- 石油化学製品から、モビリティ、ライフ&ヘルスケア、ICT関連など高付加価値の機能性材料への事業シフトを推進している。
- 環境問題への対応も重視しており、グリーンマテリアルズの開発・販売に力を入れている。
6. 事業モデルの持続可能性
- 事業ポートフォリオの多様化により、特定の市場への依存度を低減しようとしている。
- 技術革新と製品開発による競争優位性の維持が、事業モデルの持続可能性に重要となる。
7. 技術革新と主力製品
- エラストマー、高機能樹脂、半導体・光学材料、農業化学品などが主力製品。
- 新素材や省エネルギー技術の開発に継続的に投資している。
8. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）は4.49%と高い水準。
- 1株配当（会社予想）は150円。
9. 株価モメンタムと投資家関心
- 信用倍率は24.84倍と高く、投機的な買いが入っている可能性がある。
- 信用買残は増加傾向にある。
10. 総評
三井化学は、事業ポートフォリオの転換を進めており、高付加価値製品へのシフトは長期的な成長につながる可能性がある。しかし、現在の株価はPER、PBRともに業界平均を下回っており、市場の評価は低い。財務状況にも課題が見られるため、今後の業績推移と経営戦略の進捗状況を注視する必要がある。 高配当利回りは魅力的な要素だが、財務リスクと市場の評価を考慮した上で投資判断を行うべきである。
企業情報
| 銘柄コード | 4183 |
| 企業名 | 三井化学 |
| URL | http://jp.mitsuichem.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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