1. 企業情報

日本板硝子(NSG)は、建築用ガラスと自動車用ガラスを主力とするガラス製品メーカーです。英ピルキントンを買収し、世界的な事業展開を行っています。住友グループに属し、建築用ガラス、自動車用ガラス、高機能ガラスなどを製造・販売しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

日本板硝子は、世界的に見ても板ガラス分野で高いシェアを誇ります。特に、ピルキントン買収により、グローバル市場でのプレゼンスを確立しました。
* 競争優位性: 世界的な生産能力と、建築・自動車分野における幅広い製品ラインナップが強みです。
* 課題: 欧州市場の景気変動や、原材料価格の変動による影響を受けやすい点が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

日本板硝子は、2030年を見据えた中期経営計画「2030 Vision: Shift the Phase」を掲げています。
* 目標: 2027年3月期に営業利益640億円、営業利益率7%、フリー・キャッシュ・フロー270億円、有利子負債4,420億円、自己資本比率15%を目指しています。
* 重点分野:
* 持続可能な社会への貢献
* 高付加価値製品の開発
* 効率的な生産体制の構築

4. 事業モデルの持続可能性

日本板硝子の事業モデルは、建築・自動車という安定した需要が見込める分野に依存しています。
* 収益モデル: 建築用ガラス、自動車用ガラスの販売が中心です。
* 市場ニーズへの適応力: 環境規制への対応や、高機能ガラスの開発など、市場ニーズの変化に対応する製品開発を進めています。

5. 技術革新と主力製品

日本板硝子は、技術革新を通じて競争力を高めています。
* 技術開発: 省エネ性能の高いLow-Eガラス、遮熱ガラス、自己洗浄ガラスなどの高機能ガラスの開発に注力しています。
* 主力製品: 建築用ガラス、自動車用ガラスが収益の柱です。

6. 株価の評価

  • 株価: 412.0円(2025年5月9日終値)
  • EPS(会社予想): (連)21.86円
  • PER(会社予想): —(算出不可)
  • BPS(実績): (連)843.04円
  • PBR(実績): (連)0.31倍

評価: EPS、PERは会社予想ベースで算出できません。PBRは0.31倍と低く、割安感があります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月9日の終値は412円と、前日終値(392円)から上昇しています。年初来高値474円、年初来安値315円であり、50日移動平均線398.46円、200日移動平均線370.22円を上回っています。

8. 財務諸表分析

指標 2024年3月期 2023年3月期 2022年3月期 2021年3月期
売上高 (百万円) 832,537 763,521 600,568 499,224
営業利益 (百万円) 35,860 34,812 19,980 13,067
当期利益 (百万円) 10,633 -33,761 4,134 -16,930
ROE (%) 9.61 -393.06 24.07 -208.32
ROA (%) 0.97 -3.91 0.75 -3.39
  • 売上高: 過去数年で増加傾向にあります。
  • 営業利益: 2024年3月期は増加しましたが、2025年3月期は減少しています。
  • 当期利益: 2024年3月期は黒字化しましたが、2025年3月期は赤字に転落しました。
  • ROE: 2024年3月期はプラスに転じましたが、2025年3月期はマイナスです。
  • 自己資本比率: 12.3%

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 0.00%
  • 1株配当(会社予想): 0.00円
  • 配当性向: 0.00%
  • その他: 2025年3月期の配当は見送り。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあります。
  • 直近の出来高: 2,457,800株(2025年5月9日)と、活発な取引が行われています。
  • 株価への影響要因: 業績、市場動向、為替レートなどが影響を与えます。

11. 総評

日本板硝子は、世界的な板ガラスメーカーであり、グローバルな事業展開を行っています。しかし、2025年3月期は減益、当期損失を計上しており、業績は厳しい状況です。
PBRは割安感がありますが、配当は出ていません。
今後の業績回復と、中期経営計画の達成に注目する必要があります。


企業情報

銘柄コード 5202
企業名 日本板硝子
URL http://www.nsg.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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