1. 企業情報

企業名:株式会社日本製鋼所
設立:1950年12月11日(創業1907年)
所在地:東京都品川区大崎1-11-1
従業員数:5,271人
事業内容
産業機械事業(売上構成比82%)

樹脂成形機(射出成形機、押出機、ペレタイザー等)、プラスチック製造加工装置、防衛関連機器、鉄道関連製品、電子デバイス製造装置など。
素形材・エンジニアリング事業(売上構成比17%)

大型鋳鍛鋼(火力・原子力発電向け部品、タービン、鋼ロール等)、設計・解析・検査サービス、再生可能エネルギー・インフラ用途の製品。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での立ち位置

世界有数の大型鋳鍛鋼メーカーであり、樹脂成形機分野でも国内外で高いシェアを持つ。防衛関連機器にも強み。
競争優位性

高度な技術力・品質管理、産業機械と素材事業の両輪展開、グローバル展開(海外売上比率57%)が特徴。
課題

EV関連投資の停滞による樹脂製造・加工機械の受注減、品質不適切行為への対応、資材価格変動リスクなど。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン

「産業と社会の持続的発展への貢献」を掲げ、産業機械・素形材両事業の収益基盤強化を目指す。
中期経営計画の重点施策
– 産業機械事業の高付加価値化(成形機・電子デバイス向け装置の強化、防衛分野の拡大)
– 素形材事業の高効率火力発電・再エネ・インフラ向け製品の拡販
– 技術開発・品質管理体制の強化
– ESG・サステナビリティ対応(脱炭素、再エネ、次世代素材開発)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

産業機械(特に樹脂成形機)と大型鋳鍛鋼の2本柱。アフターサービスや防衛関連の安定需要も収益源。
市場ニーズ変化への適応力

EV・半導体・再エネ・防衛など成長分野への対応力があり、顧客産業の変化に柔軟に対応している。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向
    • 高効率・高精度な成形機・押出機の開発
    • 大型鋳鍛鋼の高強度・高耐久化
    • フォトニクス、複合材料など次世代素材への取り組み
  • 主力製品・サービス
    • 射出成形機、押出成形機、防衛装備品
    • 火力・原子力発電向け鋳鍛鋼部品
    • 半導体・電子デバイス製造装置

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想):217.39円
  • BPS(実績):2,523.27円
  • 株価:6,080円(2025/5/9終値)
  • PER(会社予想):27.97倍(業界平均16.6倍)
  • PBR(実績):2.41倍(業界平均1.4倍)
  • 配当利回り(予想):1.25%
  • 評価

業界平均と比較してPER・PBRともに高めの水準。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:6,400円
  • 年初来安値:3,866円
  • 直近株価レンジ:5,700~6,200円で推移
  • 移動平均:50日=5,628円、200日=5,431円
  • 現状

直近は高値圏で推移し、年初来高値に接近した後やや調整。ボリュームは安定。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:増加傾向(2021年1980億円→2024年2525億円)
  • 営業利益・純利益:2024年3月期は大幅増益(営業利益180億円、純利益143億円)
  • 利益率:営業利益率13.57%、純利益率7.04%(過去12か月)
  • ROE:8.50%(直近)、10.06%(過去12か月)
  • ROA:4.03%(過去12か月)
  • 自己資本比率:48.3%(2024年)、49.5%(2025年3Q)
  • キャッシュフロー:現金保有高増加、財務健全性高い
  • 債務:Debt/Equity 22.43%、流動比率1.83

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想:2024年59円→2025年予想76円(増配傾向)
  • 配当利回り(予想):1.25%
  • 配当性向:28.29%(適度な水準)
  • 自社株買い:自己株式保有あり(1.08%)、大規模な自社株買いは確認されず

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動

直近1年で約54%上昇。直近10日間は5,700~6,200円で高値圏を維持。
出来高:安定した流動性。信用倍率2.38倍とやや買い残優勢。
投資家構成:機関投資家・信託銀行の保有比率が高い(インサイダー11.86%、機関60.56%)

11. 総評

日本製鋼所は、産業機械および大型鋳鍛鋼分野で国内外に強い競争力を持つ総合機械メーカーです。近年は産業機械事業の成長と防衛関連の強化、素形材事業の底堅い需要を背景に業績が拡大しています。財務体質は健全で、増配傾向や安定した株主還元も特徴です。直近の株価は高値圏ですが、業界平均と比較して株価指標(PER・PBR)はやや割高な水準です。今後はEV・再エネ・防衛・半導体といった成長分野での事業展開、品質管理体制の強化、グローバル市場での競争力維持が注目されます。
本レポートは公開情報に基づき、個人投資家向けに企業の現状を整理したものです。投資判断はご自身でご検討ください。


企業情報

銘柄コード 5631
企業名 日本製鋼所
URL http://www.jsw.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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By シャーロット

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