1. 企業情報
企業名：株式会社日本トリム
設立：1982年6月12日
本社所在地：大阪市北区梅田2-2-22 ハービスENTオフィスタワー
従業員数：718人（平均年齢43.5歳、平均年収706万円）
事業内容：
– 主力は電解水素水（整水器）の開発・販売。国内最大手。
– 職域販売が中心。家庭用・業務用・農業・畜産用の整水器、医療用電解水透析装置も展開。
– 上場子会社で再生医療（臍帯血バンク）も運営。
– 海外展開も進行中。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：整水器分野で国内シェア首位。健康・医療分野でのブランド力が強み。
- 競争優位性：
- 長年の職域販売ノウハウと営業網。
- 医療機関向け製品や再生医療分野への多角化。
- 課題：
- 健康・美容志向の高まりで市場拡大が期待される一方、競合他社も新規参入や技術開発を強化。
- 法規制や水質基準の変化への対応。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：「健康・医療」をメインテーマに、ウォーターヘルスケアと医療関連事業の両輪で成長を目指す。
- 中期経営計画：2028年3月期に連結売上高310億円を目標。
- 重点施策：
- 営業人員増強と販売チャネルの多様化（EC、海外展開含む）。
- 医療関連分野ではエビデンス強化と装置改良、新規導入先開拓。
- 再生医療分野の研究開発推進。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：整水器本体＋カートリッジ交換のストック型収益。医療機器や再生医療で新規分野拡大。
- 市場ニーズ適応力：健康・美容志向の高まり、水質安全性への関心増加（PFOS/PFOA問題等）により需要は堅調。
- リスク：法規制や競争激化、景気変動の影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発：電解水素水技術で国内外特許多数。医療用電解水透析装置も独自開発。
- 主力製品：整水器（家庭用・業務用）、医療用電解水透析装置、再生医療分野（臍帯血バンク）。
- 研究開発：水の安全性・機能性に関するエビデンス強化、再生医療分野の新技術。
6. 株価の評価
- 株価：4,120円（2025/5/14終値）
- EPS（1株利益）：300.46円（直近12か月）
- BPS（1株純資産）：3,057.80円
- PER（株価収益率）：約13.7倍（= 4,120 ÷ 300.46）
- 業界平均PER（24.2）より低い水準。
- PBR（株価純資産倍率）：約1.35倍（= 4,120 ÷ 3,057.80）
- 業界平均PBR（1.6）より低い水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移：直近10日間は4,000円台前半で推移。5月14日に一時4,350円まで上昇後、4,120円で引け。
- 52週高値/安値：4,350円 / 2,725円
- 移動平均線：50日＝3,939円、200日＝3,681円
- 現在株価は移動平均線より上にあり、上昇トレンド継続中。
- 直近で高値圏に近い水準。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移（年度比較）
- 売上高：2021年14,922百万円 → 2024年22,463百万円（年平均成長率約14%）
- 営業利益：2021年2,188百万円 → 2024年3,285百万円
- 当期純利益：2021年1,523百万円 → 2024年2,241百万円
- 営業利益率：約14.6%（安定的）
- キャッシュフロー：営業CF黒字（2,675百万円）、投資CFは研究開発・設備投資でマイナス、財務CFはプラス。
- ROE：10.81%（直近12か月）、ROA：6.37%
- 財務安全性：自己資本比率67.8%、有利子負債比率低く健全。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績：年間配当130円（予想）、配当性向28.3%
- 配当利回り：3.15%（= 130 ÷ 4,120 × 100）
- 直近のForward Dividend Yield（6.07%）は特別配当等の影響がなければ、誤差の可能性。
- 自社株買い：自己株式保有あり（6.46%）
- 株主構成：創業者・経営陣の持株比率が高い（インサイダー約49%）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：2024年以降、上昇基調。52週高値付近で推移。
- 出来高：直近は平均的（1日あたり約2万株前後）。
- 信用取引：信用買残減少、信用売残増加傾向（やや売り圧力強まる）。
- 投資家関心：健康・水質安全性への社会的関心、再生医療分野への期待で注目度高い。
11. 総評
日本トリムは、電解水素水整水器で国内トップシェアを持ち、健康・医療分野で独自のポジションを確立しています。売上・利益ともに安定成長を続け、財務基盤も良好です。中期経営計画ではさらなる成長を目指しており、技術開発や再生医療など新分野への展開も進んでいます。株価は業界平均に比べ割安水準で推移し、配当利回りも一定の水準を維持しています。今後も市場の健康・美容志向や水質安全性への関心の高まりが追い風となる一方、競争激化や規制動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6788 |
| 企業名 | 日本トリム |
| URL | http://www.nihon-trim.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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