1. 企業情報
極東証券は、東京都内を中心とした独立系の証券会社です。富裕層向けの対面コンサルティング営業に特化しており、外国債券の販売に強みを持っています。また、投資信託にも注力しています。1947年設立と歴史があり、従業員数は237名、平均年齢は44.2歳、平均年収は804万円です。
2. 業界のポジションと市場シェア
極東証券は、大手証券会社と比較すると、富裕層向けに特化したニッチ戦略をとっています。対面営業に強みを持つことで、顧客との長期的な関係を構築し、安定した収益を確保しようとしています。しかし、証券業界全体では、オンライン証券の台頭や手数料競争の激化など、競争環境は厳しさを増しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営戦略: 富裕層向け対面営業に注力し、顧客との信頼関係を基盤とした安定的な収益基盤の構築を目指しています。
- 重点分野: 外国債券販売、投資信託の販売強化
4. 事業モデルの持続可能性
極東証券の収益モデルは、富裕層からの手数料収入に大きく依存しています。対面営業によるコンサルティングは、顧客ニーズに合わせたきめ細かいサービスを提供できる一方、人件費などのコストも高くなる傾向があります。市場ニーズの変化への適応としては、投資信託のラインナップ拡充や、オンラインサービスの導入などが考えられます。
5. 技術革新と主力製品
極東証券は、技術革新に関する具体的な情報は開示していません。主力製品は、外国債券、投資信託、株式などの金融商品です。
6. 株価の評価
- 株価: 1,429円
- BPS(実績): 1,617.79円
- PBR(実績): 0.88倍
- EPS(会社予想): 情報なし
- PER(会社予想): 情報なし
PBRが1倍を下回っており、割安感があると言えます。しかし、PERが不明なため、割安性を判断するには情報が不足しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月14日の終値は1,429円であり、年初来高値1,730円からは下落しています。50日移動平均線1,442.66円、200日移動平均線1,458.26円を下回っており、株価は下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は79.89億円(+3.3%)
- 営業利益: 2025年3月期は26.91億円(-8.8%)
- 経常利益: 2025年3月期は34.53億円(-6.8%)
- 当期純利益: 2025年3月期は44.46億円(+2.4%)
- ROE(実績): 8.45%
- 自己資本比率(実績): 65.7%
2025年3月期は売上高は増加しましたが、営業利益と経常利益は減少しています。当期純利益は増加していますが、利益率の低下が懸念されます。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 情報なし
- 1株配当(会社予想): 情報なし
- 配当実績: 2024年3月期は1株当たり110円
- 配当性向: 90.54%
- 自社株買い: 情報なし
配当利回りは開示されていませんが、2024年3月期の1株当たり配当金は110円であり、配当性向は90.54%と高い水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 下落傾向
- 信用取引: 買い残が増加、売り残も増加しており、信用倍率は11.10倍と高水準です。
- 株価への影響要因: 証券市場の動向、金利変動、富裕層の資産運用動向などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
極東証券は、富裕層向け対面営業に特化したニッチ戦略を展開しており、安定した収益基盤を築いています。しかし、証券市場全体の競争激化や、利益率の低下といった課題も抱えています。株価はPBRで割安感があるものの、PERが不明なため、総合的な割安性の判断は保留されます。直近の株価は下落傾向にあり、テクニカル面では弱気なシグナルが出ています。財務面では、自己資本比率が高く安定していますが、利益率の改善が今後の課題となります。配当性向は高いものの、今後の業績動向によっては減配のリスクも考慮する必要があります。投資判断には、今後の業績推移や、証券市場全体の動向を注視する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 8706 |
企業名 | 極東証券 |
URL | http://www.kyokuto-sec.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業 |
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