1. 企業情報
ニチバンは、粘着テープと医療関連製品を主力とする企業です。「セロテープ」で高い国内シェアを誇り、絆創膏などの医療用製品も展開しています。大鵬薬品工業との協業も行っています。事業は、メディカル事業とテープ事業の2つに分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ニチバンは、粘着テープ市場において「セロテープ」を中心とした高いシェアを維持しています。医療用製品分野でも一定の地位を確立しています。
競争優位性:
- 「セロテープ」ブランドの認知度と信頼性
- 医療用製品における技術力と製品開発力
課題:
- テープ需要の減少(DX化によるペーパーレス化の影響)
- 原材料価格の高騰
- 競合他社との競争激化
3. 経営戦略と重点分野
ニチバンの経営陣は、中期経営計画「CREATION 2026」を推進しています。
重点テーマ:
- 事業ポートフォリオの再構築
- グローバル企業化
- 人的資本経営
具体的な施策:
- 高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」シリーズの売上拡大
- 医療材分野での新製品投入
- EC市場でのマーケティング強化
- グローバル展開の強化
- セロテープ®の価格改定
- 工業用テープの拡販
4. 事業モデルの持続可能性
ニチバンの事業モデルは、粘着テープと医療用製品という安定した市場ニーズに対応しています。
収益モデル:
- 「セロテープ」を中心とした粘着テープの販売
- 絆創膏などの医療用製品の販売
- 高付加価値製品の開発と販売
市場ニーズの変化への適応力:
- 高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」シリーズなど、付加価値の高い製品への注力
- EC市場への対応
- グローバル展開による収益源の多様化
5. 技術革新と主力製品
ニチバンは、粘着技術を基盤とした製品開発を行っています。
技術開発の動向と独自性:
- 粘着技術の改良と応用
- 医療用製品における安全性と機能性の向上
収益を牽引している製品やサービス:
- 「セロテープ」
- 高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」シリーズ
- 医療用テープ
6. 株価の評価
現在の株価: 1,952.0円 (2025年5月14日終値)
主な指標:
- PER(会社予想):19.87倍
- PBR(実績):0.92倍
- EPS(会社予想):98.24円
- BPS(実績):2,121.45円
- 配当利回り(会社予想):2.05%
比較:
- PERは業界平均(20.4倍)を下回っています。
- PBRは1倍を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2000円近辺で推移しており、50日移動平均線(2027.98円)と200日移動平均線(1979.88円)に挟まれています。年初来高値は2,155円、年初来安値は1,821円です。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2025年3月期:494億5700万円(+5.5%)
- 過去の傾向:売上高は緩やかに増加傾向にあります。
営業利益:
- 2025年3月期:25億8600万円(+24.8%)
- 過去の傾向:増益傾向にあります。
当期純利益:
- 2025年3月期:19億5900万円(+7.2%)
- 過去の傾向:増益傾向にあります。
その他の指標:
- ROE(実績):4.62%
- 自己資本比率(実績):63.9%
9. 株主還元と配当方針
配当利回り(会社予想): 2.05%
1株配当(会社予想): 40.00円
ニチバンは、安定的な配当を重視する方針です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向:
- 直近10日間の株価は、2000円前後で小幅な変動を繰り返しています。
株価への影響を与える要因:
- 業績(売上高、利益)
- 新製品の開発状況
- 原材料価格の変動
- 市場全体の動向
11. 総評
ニチバンは、粘着テープと医療用製品で安定した収益基盤を持つ企業です。中期経営計画「CREATION 2026」に基づき、事業ポートフォリオの再構築、グローバル展開、人的資本経営を推進しています。
ポジティブな点:
- 「セロテープ」ブランドの強さ
- 高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」シリーズの好調
- 増益傾向
- 高い自己資本比率
懸念点:
- テープ需要の減少
- 原材料価格の高騰
- 今後の業績予想に対するリスク要因(インバウンド需要、国際情勢、為替、原材料価格、物価上昇)
総合的な見解:
PERは業界平均を下回り、PBRは1倍を下回っており、割安感があります。業績は増益傾向にあり、今後の成長にも期待できます。ただし、事業環境の変化やリスク要因も考慮する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 4218 |
企業名 | ニチバン |
URL | http://www.nichiban.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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