1. 企業情報
概要
福田組は新潟県を地盤とする大手ゼネコン(総合建設会社)で、土木工事を主体としつつ、建築・都市開発、不動産事業も展開しています。特に新潟県内での土木分野で首位を誇り、首都圏や西日本にも事業を拡大中です。建設事業が売上の96%を占め、不動産事業やその他事業も手掛けています。設立は1927年、従業員数は2,215人です。
2. 業界のポジションと市場シェア
競争優位性
- 新潟県内での土木工事分野で最大手の地位を確立。
- 地域密着型の営業基盤と、首都圏・西日本への進出による事業多角化。
- 建設業界は大手ゼネコンと中堅・地域密着型企業が混在する中、福田組は地方大手から都市圏進出を進める独自ポジション。
課題
- 建設業界全体の人手不足や資材価格高騰の影響を受けやすい。
- 不動産事業の売上・利益減少が直近の業績に影響。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン・戦略
- 地域密着の強みを活かしつつ、都市圏・西日本での事業拡大を推進。
- 建設事業の収益力強化と、不動産・開発事業の拡大による事業ポートフォリオの多様化。
- 環境関連、地域・都市開発、インフラ整備など社会的ニーズの高い分野への積極的な参入。
中期経営計画の重点施策
- 価格転嫁による工事利益率の改善。
- 既存事業の効率化と新分野(都市開発、環境改善等)への投資。
- 財務健全性の維持と株主還元の強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 建設需要(インフラ更新、防災、都市再開発等)は安定的に存在。
- 地域密着型の強みと首都圏展開によるリスク分散。
- 不動産事業の収益変動が課題だが、建設事業の安定性が下支え。
- 財務基盤が強固で自己資本比率も高い(59.3%)。
5. 技術革新と主力製品
- 主力は土木・建築工事全般(道路、橋梁、都市開発、建築物等)。
- 環境改善、地域・都市開発、インフラ維持管理など幅広い技術領域で実績。
- 建設材料・機械の自社開発や、ICT・デジタル技術の導入も進行中。
6. 株価の評価
- PER(予想):9.65倍(業界平均14.0倍より割安)
- PBR(実績):0.49倍(業界平均1.1倍より大幅に低い)
- EPS(予想):519.43円
- BPS(実績):10,196.51円
- 株価:5,010円
→ PBR・PERともに業界平均を大きく下回り、バリュエーション面では割安感がある。
7. テクニカル分析
- 直近10日間で株価は5,590円(年初来高値)から5,010円まで下落傾向。
- 50日移動平均:5,222.90円、200日移動平均:5,278.38円
- 現在株価は両移動平均線を下回り、年初来安値(4,375円)にはまだ余裕があるが、安値圏に近づきつつある。
- モメンタムはやや弱含み。
8. 財務諸表分析
- 売上高:166,588百万円(過去12か月、前年比微増)
- 営業利益:7,665百万円(前年比増)
- 純利益:5,309百万円(前年比増)
- ROE:6.46%(業界平均と同水準)
- ROA:3.14%
- 自己資本比率:59.3%(財務健全性高い)
- キャッシュ:30,110百万円/有利子負債1,430百万円(ネットキャッシュ体質)
- 利益率:営業利益率5.65%、純利益率3.0%
- 直近四半期は売上・利益とも前年同期比減少傾向(不動産事業の影響)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(予想):3.99%
- 1株配当(予想):200円
- 配当性向:33.36%(安定的な水準)
- 自社株買い:自己株式保有比率6.85%、株主還元意識がうかがえる。
- 過去5年平均配当利回り:2.69%(直近は上昇傾向)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近1年で株価は下落傾向(52週変化率-9.16%)。
- 出来高は安定、信用買残は増加傾向(信用倍率16.43倍とやや高め)。
- インサイダー保有比率30.45%、機関投資家保有比率20.01%。
- 配当利回りの高さやバリュエーションの割安感が投資家の関心材料。
11. 総評
福田組は新潟県を中心に高いシェアを持つゼネコンで、財務基盤の強さと安定した建設事業が特徴です。近年は首都圏・西日本への展開や、環境・都市開発分野にも注力しています。直近は不動産事業の減速が業績に影響しているものの、建設事業の安定性と高い自己資本比率、豊富なキャッシュポジションが下支えとなっています。株価は業界平均と比較して割安感があり、配当利回りも高い水準です。今後は、建設需要の動向や不動産事業の回復、コスト管理の徹底が注目されます。
※本レポートは公開情報に基づき作成されており、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
銘柄コード | 1899 |
企業名 | 福田組 |
URL | http://www.fkd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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