1. 企業情報
ノリタケは、工業用研削砥石で国内トップ、高級食器でも高い知名度を誇る企業です。工業機材、セラミック・マテリアル、エンジニアリング、食器の4つの事業を展開しています。森村グループの中核企業であり、BtoBとBtoCの両方の事業を手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: 研削砥石、セラミック材料、高級食器において、長年の実績と技術力に基づいた高いブランド力と、安定した顧客基盤を有しています。特に、工業機材分野では、高い技術力と多様な製品ラインナップで、幅広い顧客ニーズに対応しています。
- 課題: 景気変動の影響を受けやすい事業構造であり、特に工業機材事業は、市況の影響を受けやすい傾向があります。また、海外市場での競争激化も課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 第12次中期経営計画（2022年度～）に基づき、収益基盤の強化、成長領域への注力、新商品の開発、販路拡大、製造体制の強化などを推進しています。
- 重点分野:
- 工業機材事業の収益性向上
- セラミック・マテリアル事業の成長
- エンジニアリング事業の拡大
- 食器事業の黒字化
- 海外市場の開拓
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 多角的な事業展開により、リスク分散を図っています。工業機材事業は、製造業の設備投資動向に左右されやすいものの、安定的な需要が見込めます。セラミック・マテリアル事業は、電子部品市場の成長とともに拡大の余地があります。
- 市場ニーズへの適応力: 技術革新への対応や、顧客ニーズに合わせた製品開発が重要です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 研削砥石、セラミック材料、エンジニアリング製品など、幅広い分野で技術開発を行っています。
- 主力製品:
- 研削砥石
- セラミック材料（電子部品向けなど）
- 高級食器
6. 株価の評価
- PER (会社予想): 9.71倍 (業界平均: 18.3)
- PBR (実績): 0.68倍 (業界平均: 1.4)
- EPS (会社予想): 370.09円
- BPS (実績): 5,286.10円
- 現在の株価3595円は、PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 直近10日間の株価は、3555円から3710円の間を変動しており、50日移動平均線3577円を上回っています。
- 年初来高値3990円、年初来安値2989円。
- 200日移動平均線は3746.20円。
- 直近では下落傾向にあり、200日移動平均線を下回っているため、弱気なトレンドと見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は1,382億円と、前期比0.2%増と微増。
- 営業利益: 2025年3月期は102億円と、前期比4.6%減。
- 経常利益: 2025年3月期は140億円と、前期比4.2%減。
- 当期純利益: 2025年3月期は129億円と、前期比12.7%増。
- ROE (実績): 8.68%
- 自己資本比率 (実績): 75.6%
- 売上高は微増、当期純利益は増加しているものの、営業利益、経常利益は減益となっています。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 3.89%
- 1株配当 (会社予想): 140.00円
- 配当性向は29.98%
- 2024年3月期の配当は250円でしたが、2025年3月期は135円に減配。2026年3月期の予想配当は140円。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 信用買残は減少し、信用売残は増加しており、弱気な見方が強まっています。
- 機関投資家の保有割合が高く、安定株主が多い傾向があります。
11. 総評
ノリタケは、高い技術力とブランド力を持つ優良企業です。財務体質も良好で、配当利回りも魅力があります。しかし、直近の業績は、営業利益、経常利益が減益となっており、株価も下落傾向にあるため、今後の業績動向を注視する必要があります。特に、工業機材事業の動向、海外市場の開拓状況、今後の配当政策などが注目点となります。
割安感はありますが、株価のモメンタムが弱いため、今後の株価の動向を注意深く見守る必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5331 |
| 企業名 | ノリタケ |
| URL | https://www.noritake.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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