1. 企業情報
企業名: 朝日放送グループホールディングス株式会社
所在地: 大阪市福島区福島1-1-30
設立: 1951年3月15日
従業員数: 1,722人（平均年齢49.0歳、平均年収1,262万円）
事業内容の説明:
朝日放送グループホールディングスは、西日本最大手の民間放送局で、テレビ朝日系列のキー局としてテレビ・ラジオ放送を展開しています。主力の放送・コンテンツ事業（売上構成比85%）では、ニュース・スポーツ・バラエティ等の番組制作・放送や、コンテンツの配信、イベント事業、著作権管理、アニメ・音楽制作も行っています。加えて、住宅展示場の運営や不動産、広告代理店、保険代理店など多角的なライフスタイル事業（売上構成比15%）も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 関西圏を中心とした地上波テレビ局の中で最大手。テレビ朝日系列の中核局として、全国ネット番組やローカル番組の制作力に強みがあります。
- 競争優位性: 長年培ったブランド力、地元密着型の番組制作力、イベント事業や住宅展示場運営などの多角化が特徴です。
- 課題: 広告収入依存度が高く、インターネット広告の台頭や若年層のテレビ離れが進む中で、収益構造の変革が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・経営戦略: 「放送を軸とした総合コンテンツ企業」を目指し、放送事業の収益基盤強化とデジタル領域へのシフトを推進しています。
- 中期経営計画の重点施策:
- 放送・コンテンツ事業の収益多様化（配信、イベント、著作権ビジネス強化）
- デジタルコンテンツやサブスクリプション、配信プラットフォームとの連携
- 住宅展示場や不動産など非放送分野の強化による収益安定化
- コスト構造改革と効率化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 主力は広告収入ですが、イベント・著作権・配信・住宅展示場など多角化によるリスク分散を進めています。
- 市場ニーズへの適応力: 配信サービスやデジタルコンテンツ分野への投資を拡大し、テレビ離れや広告市場の変化に対応しています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向:
- デジタル配信プラットフォームとの連携強化
- 番組アーカイブの活用やサブスクリプション型サービスの開発
- 主力製品・サービス:
- 「探偵!ナイトスクープ」などの人気自社制作番組
- イベント事業、住宅展示場運営、アニメ・音楽制作など
6. 株価の評価
- PER（予想）: 9.02倍（業界平均23.2倍）
- PBR（実績）: 0.37倍（業界平均2.3倍）
- EPS（予想）: 74.28円
- BPS（実績）: 1,834.61円
- 株価: 670円
バリュエーション比較:
業界平均と比較してPER・PBRともに大きく下回っており、割安感が示唆されます。BPSに対する株価も低水準です。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 年初来高値705円、安値588円。直近10日間は650～670円台で推移し、直近は高値圏に接近しています。
- 移動平均線: 50日移動平均：667.24円、200日移動平均：644.43円。現在の株価は両移動平均線をやや上回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 91,923百万円（前年同期比+1.6%）
- 営業利益: 2,591百万円（前年同期比+211.3%）
- 純利益: 2,502百万円（前年同期比+34.9%）
- ROE: 3.35%（実績）
- ROA: 1.28%（実績）
- 自己資本比率: 59.6%
- 営業キャッシュフロー: 5,299百万円
- 財務の安定性: 自己資本比率が高く、現預金も潤沢。財務基盤は安定しています。
- 利益傾向: 2023年以降、営業利益・純利益ともに回復傾向。2022年以前は減益や赤字も見られましたが、直近は増益基調です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 2.09%（年間配当14円）
- 配当性向: 181.27%（直近の利益水準に対して高め）
- 自社株買い: 自己株式保有は0.22%（特別な自社株買いは見られません）
- 配当方針: 安定配当を基本としつつ、業績動向に応じて柔軟に対応。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近1か月で株価はやや上昇基調、年初来高値に接近。出来高も増加傾向。
- 信用取引動向: 信用買残が増加（+11,100株）、信用倍率6.74倍と買い優勢。
- 投資家関心: インサイダー保有比率が54.05%と高く、機関投資家の保有は限定的。
11. 総評
朝日放送グループホールディングスは、関西圏最大手の民放として安定したブランド力と多角的な事業展開を有しています。近年は広告市場の変化やテレビ離れに対応し、デジタルコンテンツや配信、イベント事業など新領域へのシフトを進めています。財務基盤は堅固で、自己資本比率も高水準。直近の業績は増収増益基調にあり、株価指標も業界平均と比較して割安な水準です。一方で、配当性向が高く、今後の利益成長や収益構造の多様化が引き続き課題となります。株価は年初来高値圏にあり、投資家の関心も高まっている状況です。
企業情報
| 銘柄コード | 9405 |
| 企業名 | 朝日放送グループホールディングス |
| URL | https://corp.asahi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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