1. 企業情報

  • 事業内容: DTSは、金融・通信分野に強みを持つ独立系の情報サービス企業です。システムインテグレーション(SI)サービスを中心に、ITシステムの開発・運用、教育関連事業などを展開しています。
    • セグメント:
      • 業務&ソリューション
      • テクノロジー&ソリューション
      • プラットフォーム&サービス
  • 特徴: 金融機関向けシステム開発で高い実績があり、近年はクラウド、AI、セキュリティ分野にも注力しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界: 情報・通信業、特にITサービス業界に属します。
  • 競争優位性: 金融系システム開発における豊富な実績と技術力、独立系企業としての柔軟性、特定の技術分野への強み(オープン・Web系、クラウドなど)。
  • 課題: 競争激化、技術革新の速さへの対応、人材確保。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: Vision2030を掲げ、中期経営計画(2025-2027)を策定し、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を目指しています。
  • 重点分野:
    • フォーカスビジネスの強化(業務&ソリューション)
    • クラウドビジネス、パッケージ販売、ERPビジネス、サイバーセキュリティ技術の強化(テクノロジー&ソリューション)
    • 運用サービスの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、ネットワークインテグレーションビジネスの推進(プラットフォーム&サービス)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: SIサービスを基盤とし、クラウド、ソリューション、サービスビジネスへのシフトを進めています。
  • 市場ニーズへの適応力: デジタル化、クラウド化、セキュリティニーズの高まりに対応し、事業ポートフォリオを変化させています。
  • リスク: 競争激化、技術革新への対応、人材確保、外部環境の変化。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発: クラウド、AI、セキュリティ分野への投資を強化しています。
  • 主力製品/サービス: 金融機関向けシステム、クラウドサービス、セキュリティソリューション、運用サービスなど。

6. 株価の評価

  • 株価: 4,755.0円 (2025年5月16日終値)
  • PER (会社予想): 17.58倍 (業界平均: 23.2)
  • PBR (実績): 3.30倍 (業界平均: 2.3)
  • EPS (会社予想): 270.50円
  • BPS (実績): 1,440.87円
  • 評価: PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRは業界平均を上回っています。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、年初来高値(4,835円)に迫っています。
  • 移動平均線: 50日移動平均線(4,150.50円)と200日移動平均線(4,107.55円)を大きく上回っており、上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去12ヶ月で117,926百万円、前年同期比8.8%増。
  • 営業利益: 過去12ヶ月で12,870百万円、前年同期比15.8%増。
  • 当期純利益: 過去12ヶ月で7,498百万円、前年同期比45.8%増。
  • ROE (実績): 17.68%
  • ROA (過去12か月): 10.96%
  • 自己資本比率: 72.2%
  • 分析: 業績は好調に推移しており、増収増益を達成しています。高いROEと自己資本比率も魅力的です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り (会社予想): 2.94%
  • 1株配当 (会社予想): 140.00円
  • 配当性向: 48.12%
  • 株主還元策: 2024年4月から12月に約60億円、2024年12月から2025年3月に約50億円の自己株式を取得し、全株式を消却。2025年5月1日開催の取締役会において、自己株式の取得と消却を決議。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム: 直近10日間で株価は上昇しており、モメンタムは良好です。
  • 株価への影響要因: 業績好調、増配、自己株式取得、IT市場の成長、金融機関のIT投資動向、新技術への取り組み。
  • 信用取引: 信用買残は減少、信用売残は増加しており、需給はやや悪化しています。

11. 総評

DTSは、金融系システム開発を強みとする情報サービス企業であり、業績は好調に推移しています。増収増益を達成し、高いROEと自己資本比率も魅力的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドを示唆しています。株主還元も積極的に行っており、投資家にとって魅力的な銘柄と言えるでしょう。ただし、IT業界の競争激化や技術革新への対応、外部環境の変化といったリスク要因も考慮する必要があります。


企業情報

銘柄コード 9682
企業名 DTS
URL http://www.dts.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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