1. 企業情報
奥村組は、関西地盤の中堅ゼネコンで、土木・建築工事を主軸としています。免震技術やトンネル工事に強みを持ち、バイオマス発電事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
中堅ゼネコンとして、大手ゼネコンと比較すると、特定の技術分野（免震技術、トンネル工事）に強みを持つことで差別化を図っています。建設業界は競争が激しく、大手ゼネコンとの価格競争や、人手不足、資材価格の高騰といった課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
2025年5月14日に発表された決算短信によると、中期経営計画（2025～2027年度）期間中の株主還元政策を見直すとしています。セグメント別では、土木事業での海外大型工事受注、建築事業での高採算工事の竣工と追加工事獲得、投資開発事業での石狩バイオエナジーの商業運転停止からの立て直しが重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
建設業界は、公共投資や民間投資に左右されやすく、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。奥村組は、特定の技術分野に強みを持つことで、競争優位性を確立しようとしています。また、バイオマス発電事業などの再生可能エネルギー分野への取り組みは、事業ポートフォリオの多様化に貢献する可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
奥村組は、免震技術やトンネル施工技術に強みを持っています。これらの技術は、同社の収益を支える重要な要素です。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 13.82倍
- PBR（実績）: 0.88倍
- EPS（会社予想）: 311.94円
- BPS（実績）: 4,894.08円
業界平均PERが14.0であることから、現在のPERは業界平均を下回っており、割安感があると言えます。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は4,300円台で推移しており、50日移動平均線（4,357.90円）を下回っています。年初来高値（4,510円）からは下落していますが、年初来安値（3,745円）からは上昇しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で288,145百万円と、前期（249,442百万円）から増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で13,708百万円と、前期（11,848百万円）から増加しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で12,493百万円と、前期（11,261百万円）から増加しています。
- ROE（実績）: 1.49%
- ROA（過去12か月）: 1.55%
- 自己資本比率（実績）: 45.1%
売上高は増加傾向にあり、利益も確保していますが、ROEは低く、効率性には改善の余地があります。自己資本比率は45.1%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.10%
- 1株配当（会社予想）: 220.00円
- 配当性向は287.45%と高水準です。
- 自社株買いに関する情報は開示されていません。
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点は注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、5月16日に4,310円で取引を終えており、下落傾向にあります。出来高は、10日平均で79,030株と、比較的活発な取引が行われています。
11. 総評
奥村組は、関西地盤の中堅ゼネコンとして、特定の技術分野に強みを持っています。財務状況は安定していますが、ROEの改善が課題です。高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向の高さには注意が必要です。株価は、PER、PBRともに割安感があり、テクニカル的にも底堅い動きを見せています。今後の業績動向、特に中期経営計画の進捗に注目し、投資判断を行う必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1833 |
| 企業名 | 奥村組 |
| URL | http://www.okumuragumi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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