1. 企業情報
丸全昭和運輸は、総合物流企業として、国内外で幅広い物流ソリューションを提供しています。主な事業内容は、トラック輸送、鉄道・海上・航空輸送などの複合輸送、港湾運送、倉庫保管、通関業務、梱包、海運・航空代理店業務など多岐にわたります。レゾナックやライオンといった大手企業を顧客に持ち、工場移転などにも強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
丸全昭和運輸は、3PL（Third Party Logistics：サード・パーティー・ロジスティクス）や工場移転に強みを持つことから、競争優位性を確立しています。物流業界は競争が激しいですが、同社は顧客ニーズへの対応力や多様なサービス提供を通じて、一定の市場シェアを維持していると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、第9次中期経営計画を策定し、2024年4月から実施しています。重点施策として、3PL事業やグローバル物流事業における「売上の拡大」、倉庫や車両の自社保有を拡大し、国内外の物流拠点を強化する「事業競争力の強化」、組織改革や設備投資、M&A等の推進による意思決定の迅速化やネットワークの強化を図るとともに、継続的な人材確保や社員教育、DX戦略の推進、サステナビリティの観点からの情報開示や市場評価向上に取り組む「企業基盤の変革」を掲げています。
4. 事業モデルの持続可能性
丸全昭和運輸の収益モデルは、多様な物流サービスを提供することで、顧客の様々なニーズに対応できる点に強みがあります。市場ニーズの変化に対しては、3PLやグローバル物流事業の強化、DX推進など、柔軟に対応できる体制を構築しています。
5. 技術革新と主力製品
詳細な技術革新に関する情報は限られていますが、同社はシステム強化を進めており、効率的な物流サービスの提供を目指していると考えられます。主力製品・サービスとしては、トラック輸送、複合輸送、倉庫保管、通関業務など、幅広い物流サービスが挙げられます。
6. 株価の評価
- 株価: 6,310円
- PER（会社予想）: 10.27倍
- EPS（会社予想）: 614.64円
- PBR（実績）: 0.95倍
- BPS（実績）: 6,661.31円
PERは業界平均13.9倍を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安圏にある可能性があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は上昇傾向にあります。年初来高値（6,520円）に近づいており、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は144,572百万円と、前期比3.1%増。
- 営業利益: 2025年3月期は14,648百万円と、前期比10.9%増。
- 経常利益: 2025年3月期は15,769百万円と、前期比10.5%増。
- 当期純利益: 2025年3月期は9,804百万円と、前期比0.6%増。
- ROE（実績）: 7.66%
- 自己資本比率（実績）: 67.7%
売上高、営業利益、経常利益は増加しており、業績は好調です。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.69%
- 1株配当（会社予想）: 170.00円
- 配当性向: 34.61%
- Ex-Dividend Date: 2025年9月29日
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
株価への影響を与える要因:
- 業績: 業績の好調さが株価を押し上げる要因となっています。
- 配当: 安定した配当は、投資家からの関心を集める可能性があります。
- 市場動向: 国内貨物輸送量や国際貨物、航空貨物の動向も影響を与える可能性があります。
- 中期経営計画: 第9次中期経営計画の進捗状況も注目されます。
11. 総評
丸全昭和運輸は、総合物流企業として安定した業績を上げており、財務体質も良好です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。中期経営計画に基づいた事業展開にも注目が集まります。
リスク:
- 円安、物価上昇、アメリカの政策動向、中東情勢、中国経済の減速など、外部環境の変化による影響。
総合的な見解:
現時点では、良好な投資対象としての側面が強いと考えられます。ただし、外部環境の変化には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 9068 |
| 企業名 | 丸全昭和運輸 |
| URL | http://www.maruzenshowa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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