1. 企業情報
丸藤シートパイルは、建設仮設資材の販売・リースを主力とする企業です。具体的には、工事現場で使用される鋼材（鋼矢板、H形鋼など）や関連製品の販売、レンタル、加工、工事などを手掛けています。三井物産系の企業であり、東日本を中心に事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
建設仮設資材の販売・リース業界において、丸藤シートパイルは大手の一角を占めています。特に東日本地域を地盤とし、鉄骨加工や工事分野を強化することで、競争優位性を確立しようとしています。
課題: 建設業界全体の動向に業績が左右されやすい点、鋼材価格や労務費の高騰といったコスト増加リスクへの対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、2024年度からスタートした3か年中期経営計画を推進しています。
主な戦略:
- 売上高の拡大（2025年3月期は366億円を予想）
- 収益性の向上（営業利益率の改善）
- 工事、鉄骨加工分野の拡充
中期経営計画の進捗:
- 2025年3月期は、連結売上高400億円の目標に対し89%の進捗、経常利益20億円の目標に対し104%の進捗と、順調に進んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
丸藤シートパイルの収益モデルは、建設需要に大きく依存します。公共投資や民間設備投資の動向が業績を左右する要因となります。
持続可能性への対応:
- 工事・加工分野の強化による収益源の多様化
- 顧客ニーズへの対応（RG工法、地中障害物除去工事など）
5. 技術革新と主力製品
丸藤シートパイルは、建設現場向けの様々な製品を提供しています。
主力製品:
- 鋼矢板、H形鋼などの鋼材
- 関連製品（仮設橋、ガードレールなど）
- 工事、加工サービス
技術開発:
- 無線軸力モニタリングシステムなど、安全管理に役立つ製品の開発
6. 株価の評価
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 2,868.0円 |
| PER（会社予想） | 7.27倍 |
| PBR（実績） | 0.33倍 |
| 配当利回り | 4.54% |
PERとPBRの比較:
- PERは業界平均（10.1倍）を下回っており、割安感があります。
- PBRは低く、資産に対して割安な水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2,800円台後半で推移しており、年初来高値（2,980円）に近づいています。
移動平均線:
- 50日移動平均線: 2788.16円
- 200日移動平均線: 2752.77円
株価は50日、200日移動平均線を上回っており、上昇トレンドにあると考えられます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高（百万円） | 34,543 | 35,104 | 31,876 | 32,695 |
| 営業利益（百万円） | 1,413 | 1,066 | 561 | 946 |
| 当期純利益（百万円） | 1,372 | 1,038 | 749 | 698 |
| 売上高成長率 | -1.6% | 10.1% | -2.5% | |
| 営業利益率 | 4.1% | 3.0% | 1.8% | 2.9% |
| ROE | 5.05% | |||
| ROA | 1.89% | |||
| 自己資本比率 | 70.3% |
分析:
- 2024年3月期の売上高は、前期比で微減となりました。
- 営業利益、当期純利益は増加しており、収益性が改善しています。
- 自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 4.54% |
| 1株配当（会社予想） | 130.00円 |
| 配当性向 | 27.98% |
分析:
- 高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
- 配当性向は27.98%と、まだ余裕があります。
- 2025年3月期の配当は130円を予定しており、増配傾向にあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
- 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高まっています。
- 機関投資家による保有割合も高いです。
- 52週高値に近づいており、今後の動向に注目が必要です。
11. 総評
丸藤シートパイルは、建設仮設資材の販売・リースを主力とする企業であり、東日本地域を地盤としています。2025年3月期決算では増収増益を達成し、中期経営計画も順調に進んでいます。高い配当利回りや、割安な株価指標も魅力的です。
総合的な見解:
- ポジティブな点: 収益性の改善、高い配当利回り、良好な株価モメンタム。
- 懸念点: 建設業界の動向に左右されやすい点、鋼材価格や労務費の高騰リスク。
- 今後の注目点: 中期経営計画の進捗、建設需要の動向、コスト管理の状況。
本分析は、公開情報に基づき作成されたものであり、投資判断を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 8046 |
| 企業名 | 丸藤シートパイル |
| URL | http://www.mrfj.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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