1. 企業情報
概要
フォーラムエンジニアリングは、機械・電気系エンジニアに特化した人材派遣・紹介事業を主力とする企業です。エンジニア派遣サービス「コグナビ派遣」、理工系学生向け就職支援「コグナビ新卒」、さらにインドでの新卒支援事業も展開しています。1981年設立、本社は東京都港区。従業員数は4,972人。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内での競争優位性・課題
- 機電系エンジニアに特化した派遣サービスは、慢性的な人材不足という市場環境下で高い需要があります。
- 「コグナビ」ブランドを軸に、他社との差別化を図っています。
- 競合には大手総合人材サービス会社が存在しますが、専門性と業界ネットワークで一定の優位性を有します。
- 課題としては、景気変動や産業構造の変化に伴う需要変動、派遣単価の上昇圧力への対応が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
ビジョン・戦略
- 中期経営計画「cognavi Vision2026」では、営業利益率13.1%、ROE25.0%の達成を目指しています。
- 経営資源を「コグナビ派遣」「コグナビ新卒」「インドでの新卒支援サイト運営」の3分野に集中。
- 派遣エンジニアの稼働者数増加と派遣単価の上昇を成長ドライバーとしています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 機電系エンジニアの人材不足という社会的課題に応えるビジネスモデルであり、今後も一定の市場ニーズが見込まれます。
- 収益は派遣契約によるストック型が中心で、安定性が高い一方、景気変動の影響は受けやすい構造です。
- 新卒・転職支援サイトの運営や海外展開（インド）による成長余地もあります。
5. 技術革新と主力製品
- ITを活用したマッチングプラットフォーム「コグナビ」など、独自の人材データベースとマッチング技術が強み。
- 収益の柱はエンジニア派遣で、IT・DX領域の拡大や新卒採用支援サービスも注力分野です。
6. 株価の評価
- PER（予想）：16.51倍（業界平均17.0倍と同水準）
- PBR（実績）：4.35倍（業界平均1.8倍を大きく上回る）
- EPS（会社予想）：64.68円
- BPS（実績）：245.66円
- 株価：1,071円
- 配当利回り（予想）：5.85%
- 株価は業績成長に伴い上昇傾向ですが、PBRは高めで推移しています。
7. テクニカル分析
- 直近株価は1,071円（年初来高値1,135円、安値833円）。
- 50日移動平均：1,027.92円、200日移動平均：996.29円を上回っており、上昇トレンドが継続中。
- 直近10日間で高値圏に位置し、やや過熱感も見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高：34,688百万円（前年比10.9%増）
- 営業利益：4,201百万円（前年比38.7%増）
- 純利益：2,884百万円（前年比41.4%増）
- ROE：22.29%（実績）、21.35%（過去12か月）
- ROA：14.31%
- 自己資本比率：68.8%
- 営業キャッシュフロー：3,970百万円
- 利益率・成長率：利益率・成長率ともに高水準で推移
- 財務安全性：自己資本比率高く、負債比率も低い
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：5.85%（高水準）
- 配当性向：120.27%（利益以上の配当を実施）
- 自社株買い：自己株式保有あり（1.91%）
- 配当実績：増配傾向（2024年3月期37.5円→2025年3月期53.0円→2026年3月期予想62.5円）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価は直近1年で約17%上昇し、出来高も増加傾向。
- 信用買残が多く（信用倍率6,992倍）、個人投資家の関心が高まっています。
- 配当利回りの高さ、業績成長への期待が株価を下支え。
11. 総評
フォーラムエンジニアリングは、機電系エンジニア派遣に特化した独自性と、堅実な財務体質、安定した成長を背景に、業界内で一定の競争優位性を維持しています。業績・配当ともに増加傾向で、株価も高値圏にあります。今後は中期経営計画の目標達成や、派遣単価・稼働率の維持、海外展開の進捗が注目されます。財務・配当の安定性、成長性の両面でバランスの取れた企業といえます。
企業情報
| 銘柄コード | 7088 |
| 企業名 | フォーラムエンジニアリング |
| URL | https://www.forumeng.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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