1. 企業情報

大伸化学は、シンナーを主力とする化学品メーカーです。塗料、インキ、印刷業界向けに、ラッカーシンナー、合成樹脂塗料用シンナー、洗浄用シンナーなど、幅広い製品を提供しています。国内シンナー市場でトップシェアを誇り、約1000の販売代理店を通じて全国に製品を供給しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

大伸化学は、シンナー専業メーカーとして国内首位の地位を確立しています。約3割の市場シェアを有し、1000を超える販売代理店網による迅速な供給体制が強みです。

競争優位性:

  • 国内トップシェア
  • 強固な販売代理店ネットワーク
  • 顧客ニーズへの対応力

課題:

  • 原材料価格変動の影響を受けやすい
  • 塗料・インキ業界の需要変動の影響を受ける

3. 経営戦略と重点分野

大伸化学の経営戦略は、詳細な情報からは明確に読み取れませんが、決算短信からは、塗料業界の動向に注視し、市場ニーズに対応していくことが重要と考えられます。

中期経営計画:

  • 詳細な中期経営計画は公開されていません。

4. 事業モデルの持続可能性

大伸化学の収益モデルは、シンナーの販売が中心であり、塗料・インキ業界の需要に大きく依存します。

持続可能性への課題:

  • 環境規制強化への対応
  • 代替製品の出現
  • 原材料価格の変動リスク

5. 技術革新と主力製品

大伸化学は、シンナーを主力製品としており、技術革新というよりは、顧客ニーズに合わせた製品開発や、多様な用途に対応できる製品ラインナップの拡充が重要と考えられます。

主力製品:

  • ラッカーシンナー
  • 合成樹脂塗料用シンナー
  • 洗浄用シンナー
  • 印刷用溶剤
  • 特殊シンナー

6. 株価の評価

  • 株価: 1,420円
  • PER(会社予想): 9.02倍 (業界平均: 15.9)
  • PBR(実績): 0.39倍 (業界平均: 0.7)
  • EPS(会社予想): 157.37円
  • BPS(実績): 3,610.83円
  • 配当利回り(会社予想): 2.82%

PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は、1,410円から1,446円の間を推移しており、5月19日の終値は1,420円でした。年初来高値1,471円に近く、高値圏での推移と見られます。
* 50日移動平均: 1393.66
* 200日移動平均: 1385.90

移動平均線は上昇傾向にあり、短期的な上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

売上高:

  • 2024年3月期: 34,711百万円(前年比+6.9%)
  • 過去の傾向: 2021年3月期から2023年3月期にかけては増収傾向でしたが、2024年3月期は微増にとどまっています。

営業利益:

  • 2024年3月期: 799百万円(前年比-3.2%)
  • 過去の傾向: 2023年3月期は1,253百万円でしたが、2024年3月期は減益となりました。

経常利益:

  • 2024年3月期: 874百万円(前年比-6.9%)

当期純利益:

  • 2024年3月期: 588百万円(前年比-6.2%)
  • 過去の傾向: 2023年3月期は955百万円でしたが、2024年3月期は減益となりました。

ROE(実績):

  • 3.61%

ROA(実績):

  • 1.91%

自己資本比率(実績):

  • 65.6%

売上高は増加していますが、原材料価格の高騰や円安の影響により、利益は減少しています。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.82%
  • 1株配当(会社予想): 40.00円
  • 配当性向: 35.04%
  • 自社株買い: 情報なし

安定した配当を実施しており、配当性向も適正な水準です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 5月19日の終値は1,420円で、直近10日間は1,410円から1,446円の間を推移しています。
  • 出来高: 700株(5月19日)
  • 信用取引: 信用倍率0.00倍と、売り残が少ない状況です。

株価は高値圏で推移しており、直近の出来高は少ないため、過熱感は見られません。

株価への影響要因:

  • 塗料・インキ業界の需要動向
  • 原材料価格の変動
  • 為替レートの変動
  • 世界経済の動向

11. 総評

大伸化学は、国内シンナー市場でトップシェアを誇る安定企業です。財務体質は良好ですが、原材料価格の高騰や塗料・インキ業界の需要変動の影響を受けやすく、業績は変動しやすい傾向にあります。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。今後の業績動向と、業界の動向を注視していく必要があります。


企業情報

銘柄コード 4629
企業名 大伸化学
URL http://www.daishin-chemical.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

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