1. 企業情報
企業名: 株式会社ジャックス
設立: 1954年6月29日
本社所在地: 東京都渋谷区恵比寿4-1-18
従業員数: 5,903人
概要:
ジャックスは、三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）傘下の大手信販会社です。主力はオートローン（自動車ローン）で、クレジットカードや信用保証、家電や住宅リフォーム等の割賦販売も展開。東南アジア（ベトナム、インドネシア等）にも進出し、海外事業の拡大を図っています。その他、保険代理業、家賃保証、債権管理など多角的な金融サービスを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 国内信販業界の上位。MUFGグループの信用力を背景に、オートローン分野で高いシェアを持つ。
- 競争優位性:
- MUFGグループとの連携による資金調達力・顧客基盤
- オートローン・クレジットカード・信用保証のバランスの良い事業ポートフォリオ
- 課題:
- 金利上昇局面での調達コスト増加
- 国内市場の成熟、人口減少による成長性の制約
- 海外事業の黒字化・収益拡大
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期3カ年経営計画「Do next!」の最終年度。国内外での事業基盤強化と収益性向上を目指す。
- 重点施策:
- 国内: オートローン・クレジットカード・信用保証の拡大
- 海外: ベトナム・インドネシア等でのクレジット事業強化
- デジタル化推進・業務効率化
- MUFGとの資本業務提携によるシナジー追求
- 今後の見通し: 国内は安定成長、海外は投資段階。金利上昇や国際情勢の変動がリスク要因。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 割賦販売・ローン・クレジットカード手数料・保証料・保険代理収入など多様な収益源
- 市場ニーズ対応:
- オートローンやリフォームローンなど、ライフスタイル変化に即した商品開発
- キャッシュレス化の進展に伴うペイメント事業の拡大
- 持続性課題:
- 国内市場の伸び悩み
- 海外事業の収益化
- 金利上昇による収益圧迫
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- デジタル化・IT投資による業務効率化
- オンライン申込・審査システムの強化
- 主力商品・サービス:
- オートローン（国内最大級）
- クレジットカード（JACCSカード等）
- 信用保証（家賃保証、ローン保証など）
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 445.90円
- BPS（実績）: 7,142.20円
- PER（会社予想）: 8.54倍（業界平均10.3倍より低い）
- PBR（実績）: 0.53倍（業界平均0.9倍より低い）
- 株価: 3,795円（2025/5/20終値）
評価:
PER・PBRともに業界平均を下回る水準。BPSに対し株価は約0.53倍で、資産価値と比較して割安感がある。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 4,375円、年初来安値: 3,095円
- 直近株価（3,795円）は50日移動平均（3,779円）付近、200日移動平均（3,829円）やや下
- 直近10日間はやや軟調、反発と下落を繰り返す展開
- 現在の株価水準:
- 年初来安値からは上昇、年初来高値からは下落
- 中間的な水準
8. 財務諸表分析
- 売上高: 190,978百万円（前年比+3.4%）
- 営業利益: 25,732百万円（前年比-22.3%）
- 当期純利益: 18,620百万円（前年比-21.7%）
- 営業キャッシュフロー: △45,170百万円（マイナス）
- ROE: 7.78%
- ROA: 0.42%
- 自己資本比率: 6.5%
- 債務負担: 総負債2.95兆円、Debt/Equity 1,151.75%
- 利益率: 営業利益率13.5%、純利益率9.75%
- 過去数年の傾向:
- 売上は増加傾向、利益は2024年度に減少
- キャッシュフローはマイナスが継続
- 財務レバレッジは高い
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 5.25%（会社予想）
- 1株配当: 200円（予想）
- 配当性向: 35.52%
- 自社株買い: 自己株式保有あり（0.98%）
- 過去の配当実績: 安定した配当実施、特別配当も実施歴あり
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 直近はやや下落基調
- 信用買残は高水準（信用倍率79倍）、需給はやや偏りあり
- 出来高は平均的
- 投資家関心:
- 配当利回りの高さ、資産バリュー株としての注目
- MUFGとの提携や海外展開への期待
- 金利動向や業績の先行き不透明感も影響
11. 総評
ジャックスはMUFGグループの信販大手として、オートローンやクレジットカード、信用保証など多角的な金融サービスを展開しています。国内事業は安定している一方、海外事業は依然として課題が残ります。2024年度は金利上昇や貸倒関連費用増加の影響で利益が減少しましたが、配当利回りは高水準を維持しています。株価は業界平均と比較して割安感があり、財務レバレッジの高さやキャッシュフローのマイナスなどリスク要因も存在します。今後はMUFGとの提携効果や海外事業の成長が注目されますが、金融環境の変化には注意が必要です。
（本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を促すものではありません）
企業情報
| 銘柄コード | 8584 |
| 企業名 | ジャックス |
| URL | http://www.jaccs.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 金融（除く銀行） – その他金融業 |
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