1. 企業情報
新電元工業は、パワー半導体、電装品、電源製品などを製造・販売する企業です。主な事業は、車載用・産業用パワー半導体、二輪車用電装品、エネルギーシステム（太陽光発電用パワコン、EV充電器など）です。
* 事業内容: パワー半導体デバイス、電装品、エネルギーシステム
* 特徴: 車載向け、二輪車向け、産業向けなど幅広い分野で製品を展開。電動車向け充電器にも注力。
2. 業界のポジションと市場シェア
新電元工業は、パワー半導体や電装品分野で一定のシェアを持っています。特に二輪車用電装品や、EV充電器などの分野での成長が期待されます。
* 競争優位性: 特定の顧客（ホンダなど）との強固な関係、車載・産業分野への技術力。
* 課題: デバイス事業の業績低迷、競合他社との競争激化。
3. 経営戦略と重点分野
新電元工業は、中期経営計画（第16次中期経営計画）に基づき事業を展開しています。
* 重点分野:
* 車載・産業用パワー半導体事業の強化
* 二輪車用電装品事業の拡大
* エネルギーシステム事業の成長（EV充電器、太陽光発電関連）
* デバイス事業の構造改革
* 今後のイベント: 2025年6月27日に株主総会、5月20日に証券アナリスト・機関投資家向け決算説明会開催予定。
4. 事業モデルの持続可能性
新電元工業の事業モデルは、車載、産業、エネルギー分野の需要に支えられています。EVシフトや再生可能エネルギーへの移行といった市場ニーズの変化に対応できるかが重要です。
* 収益モデル: 製品販売による収益。
* 適応力: EV充電器など、成長分野への投資を進めており、市場ニーズへの対応を図っている。
5. 技術革新と主力製品
新電元工業は、パワー半導体技術や電源技術を基盤としています。
* 技術開発: パワー半導体、EV充電器、エネルギーシステム関連技術。
* 主力製品: 車載用パワー半導体、二輪車用電装品、EV充電器、太陽光発電用パワコン。
6. 株価の評価
- 株価: 1923.0円（2025年5月22日終値）
- PER（会社予想）: 11.02倍（業界平均24.2）
- PBR（実績）: 0.30倍（業界平均1.6）
- EPS（会社予想）: 174.47円
- BPS（実績）: 6,411.20円
現在の株価は、EPS、BPSから見て割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2100円台から1900円台まで下落しており、下落トレンドにあると判断できます。50日移動平均線（2064.14円）と200日移動平均線（2355.81円）を下回っており、中期的な下降トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は1058.3億円で、前期比で増加。
- 営業利益: 2025年3月期は1.28億円と、前期の36.21億円から大幅に減少。
- 当期純利益: 2025年3月期は24.36億円の赤字（親会社株主に帰属）。
- ROE（実績）: -3.55%
- 自己資本比率（実績）: 48.5%
2025年3月期は、売上高は増加したものの、デバイス事業の減収や原材料価格の高騰、構造改革費用などにより、利益は大幅に悪化しました。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.38%
- 1株配当（会社予想）: 65.00円
- 配当性向: 81.47%
2025年3月期は無配でしたが、2026年3月期は年間65円の配当を予定しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 下落傾向。
- 株価への影響要因: デバイス事業の業績回復、EV充電器などの成長分野の動向、原材料価格の変動、為替レートの変動。
11. 総評
新電元工業は、車載・産業用パワー半導体、二輪車用電装品、エネルギーシステム分野で事業を展開する企業です。2025年3月期は、デバイス事業の不振などにより業績が悪化しましたが、EV充電器など成長分野への投資を進めています。株価は割安感があり、配当も実施予定ですが、業績回復と成長戦略の進捗を見守る必要があります。テクニカル的には下落トレンドにあるため、今後の株価動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6844 |
| 企業名 | 新電元工業 |
| URL | http://www.shindengen.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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