1. 企業情報
第一建設工業は、鉄道関連工事を主力とする建設会社です。特にJR東日本からの受注が多く、売上の約7割を占めています。非鉄道分野の強化も進めており、関東、信越、東北地方を地盤としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: JR東日本との強固な関係性による安定した受注基盤が強みです。
- 課題: JR東日本への依存度が高く、非鉄道分野の拡大が今後の成長の鍵となります。建設業界全体の人手不足や資材価格の高騰も課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画「変革2028」を策定し、更なる事業拡大を目指しています。
- 重点分野: 鉄道関連工事に加え、非鉄道分野の強化、不動産事業の推進、生産性向上による収益性改善などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 鉄道インフラ投資は安定的な需要が見込めますが、景気変動や公共事業の動向に左右される可能性があります。
- 市場ニーズへの適応力: JR東日本との連携を活かしつつ、非鉄道分野への進出を進めることで、リスク分散を図っています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 鉄道工事における高度な技術力と、多様な建設技術を有しています。
- 主力製品/サービス: 鉄道関連工事、建築工事、土木工事、不動産賃貸など。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 11.89倍（業界平均: 11.3倍）
- PBR（実績）: 0.75倍（業界平均: 0.7倍）
- EPS（会社予想）: 239.79円
- BPS（実績）: 3,818.44円
PERは業界平均とほぼ同等、PBRは業界平均と同等であり、割安感はありません。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、2025年5月20日には2920円の高値を付けています。年初来高値（2,930円）に迫る水準です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で539億9341万円と、堅調に推移しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で37億7225万7千円と、増益傾向です。
- 当期純利益: 2025年3月期は52億4200万円と、大幅な増益を達成しています。
- ROE（実績）: 7.44%
- 自己資本比率（実績）: 85.4%と財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.56%
- 1株配当（会社予想）: 130.00円
- 配当性向: 41.97%
- 株主還元策: 自己株式の取得も実施しています。
高い配当利回りは魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近の株価は上昇基調にあり、モメンタムは良好です。
- 株価への影響要因: 業績の好調さ、配当利回りの高さ、自己株式取得などが株価を押し上げる要因となっています。
11. 総評
第一建設工業は、JR東日本との強固な関係を基盤に、安定した業績を上げています。2025年3月期決算では大幅な増益を達成し、財務体質も良好です。高い配当利回りも魅力的です。
* ポジティブ要素: 安定した受注基盤、増益基調、高い配当利回り、自己株式取得。
* 懸念事項: JR東日本への依存度、建設業界の人手不足、資材価格高騰。
総合的に見て、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。ただし、JR東日本以外の事業の成長性や、建設業界を取り巻くリスク要因を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1799 |
| 企業名 | 第一建設工業 |
| URL | http://www.daiichi-kensetsu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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