1. 企業情報

  • 企業名: 萩原工業株式会社
  • 本社所在地: 岡山県倉敷市水島中通1-4
  • 設立: 1962年11月29日
  • 従業員数: 1,299人
  • 事業内容: 合成樹脂(プラスチック)を用いた各種製品の製造・販売が主力。ブルーシートや防災シート、土のう袋、人工芝用原糸、包装資材(メルタック)、産業用フィルム、合成樹脂糸など多岐にわたる。機械部門も持ち、原糸から機械まで一貫生産体制を強みとする。国内のみならず、インドネシア・中国にも生産拠点を持つ。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: 合成繊維・樹脂シート分野で国内大手。特に土木建築向け樹脂シートや包装資材で高いシェアを持つ。
  • 競争優位性: 原糸から製品、機械まで一貫生産できる体制、海外生産拠点の活用、幅広い用途への対応力が強み。
  • 課題: 建築・土木向けの需要減少や原材料・エネルギーコストの高騰、為替変動など外部環境の影響を受けやすい。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 収益性重視の経営を掲げ、物価高騰や需要変動に対応した製造・販売体制の強化を進めている。
  • 中期経営計画・重点施策:
    • 採算性の高い製品・分野へのシフト
    • 海外生産拠点の活用拡大
    • 新工場(笠岡工場)の建設による生産能力強化
    • 省人化・自動化によるコスト競争力向上

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 合成樹脂製品の安定した需要(包装資材、防災関連、産業用途)と、機械製品の技術力による差別化。
  • 市場ニーズ変化への適応力: 建築・土木向けの需要減少には苦戦も、包装資材や人工芝原糸など新たな成長分野に注力。海外展開も進行中。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性: 原糸から機械まで一貫生産できる技術力。フィルムスリッター、リサイクル関連機械など独自技術も保有。
  • 主力製品・サービス:
    • ブルーシート、土のう、防災シート
    • 人工芝用原糸、産業用フィルム
    • 包装資材(メルタック)
    • スリッター(フィルム・紙加工機械)

6. 株価の評価

  • PER(会社予想): 9.07倍(業界平均14.5倍)
  • PBR(実績): 0.68倍(業界平均1.3倍)
  • EPS(会社予想): 160.38円
  • BPS(実績): 2,148.78円
  • 株価: 1,455円
  • 評価: 業界平均と比較し、PER・PBRともに割安水準。BPSに対しても株価は下回っている。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間は1,450~1,470円台で推移し、年初来安値(1,330円)と高値(1,598円)の中間付近。50日移動平均(1,471円)、200日移動平均(1,498円)をやや下回る水準で推移。
  • 位置づけ: 直近はやや安値圏に位置し、下値は限定的だが上値も重い展開。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2023年10月期: 312億円 → 2024年10月期(予想): 340億円(増収基調)
  • 営業利益: 2023年10月期: 19.8億円 → 2024年10月期(予想): 24億円
  • 純利益: 2023年10月期: 31.1億円(特別利益含む)→ 2024年10月期(予想): 22.3億円
  • ROE: 5.34%(直近実績)、6.64%(過去12か月)
  • ROA: 2.67%(過去12か月)
  • 自己資本比率: 68.1%(実績)、69.9%(四半期)
  • キャッシュフロー: 現金・預金52億円、総負債55億円、流動比率2.59と財務健全性は高い。
  • 傾向: 売上・利益ともに増加傾向だが、特別利益の影響を除くと純利益は安定的。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り: 4.47%(予想)、4.81%(フォワード)
  • 1株配当: 65円(予想、前期60円から増配予定)
  • 配当性向: 55.03%
  • 自社株買い: 自己株式保有比率6.05%、過去に自社株買い実施実績あり
  • 配当方針: 安定配当を基本とし、業績に応じて増配も実施

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム: 直近1年で4.72%下落。直近10日間は1,450円前後で横ばい、出来高はやや減少傾向。
  • 投資家関心: 信用買残は減少傾向(11.46倍)、売残も減少。インサイダー・機関投資家の保有比率は合計33.8%と安定株主が多い。
  • 影響要因: 建築・土木需要の動向、原材料価格、為替、特別利益(補助金)などが株価に影響。

11. 総評

  • 萩原工業は合成樹脂製品の国内大手として安定した事業基盤と高い財務健全性を持つ。原糸から機械までの一貫生産体制や海外拠点の活用、技術力が競争力の源泉。直近では建築・土木向け需要の減少やコスト高騰が課題となる一方、包装資材や人工芝原糸など新分野に注力し成長を図っている。株価は割安水準で推移し、配当利回りも高い。財務面も安定しており、株主還元にも積極的。今後の業績動向や市場環境の変化に注目が集まる。

企業情報

銘柄コード 7856
企業名 萩原工業
URL http://www.hagihara.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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By シャーロット

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