1. 企業情報

株式会社ヨンキュウは、鮮魚の販売、養殖用稚魚・飼料の販売を主な事業とする、愛媛県宇和島市に本社を置く企業です。マグロ養殖も手掛けており、首都圏への展開も目指しています。
* 事業内容:
* 鮮魚の販売(約60%)
* 餌料・飼料の販売(約40%)
* 人工孵化、マグロ・うなぎ養殖
* 特徴: 養殖業者へのサポートを軸に、鮮魚流通まで手掛ける事業構造が特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内でのポジション: 養殖漁業の総合支援事業を展開しており、鮮魚販売と養殖用資材販売の両輪で事業を行っています。
  • 競争優位性: 養殖用稚魚の生産から販売、飼料販売まで手掛けることで、養殖業者との強固な関係性を築いている可能性があります。
  • 課題: 養殖業界全体が、気候変動、生餌・配合飼料価格の上昇といった外部環境の影響を受けやすい点が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣のビジョン: 決算短信からは具体的なビジョンは読み取れませんでしたが、養殖事業の安定化と、首都圏での販路拡大などが考えられます。
  • 中期経営計画: 中期経営計画に関する情報は開示されていません。
  • 重点分野: 鮮魚販売事業と餌料・飼料販売事業の安定的な成長、マグロ養殖事業の拡大などが考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 鮮魚販売と養殖用資材販売の組み合わせは、養殖業界の需要に支えられており、安定した収益基盤を築く可能性があります。
  • 市場ニーズの変化への適応力: 養殖業界は、環境変化や資源管理への対応が求められており、これらの変化に柔軟に対応できるかが重要です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 人工孵化技術や養殖技術の開発が、事業の競争力を高める可能性があります。
  • 主力製品/サービス:
    • 鮮魚
    • 養殖用稚魚
    • 養殖用飼料

6. 株価の評価

  • PER (会社予想): 14.17倍
    • 業界平均PER: 10.1
    • 考察: 業界平均と比較すると、やや割高な水準です。
  • PBR (実績): 0.67倍
    • 業界平均PBR: 0.7
    • 考察: 業界平均と同程度で、割安感があります。
  • EPS (会社予想): 151.11円
  • BPS (実績): 3,173.58円
  • 現在の株価: 2,141.0円
    • 計算:
      • 株価 ÷ EPS = 14.17 (PER)
      • 株価 ÷ BPS = 0.67 (PBR)

7. テクニカル分析

  • 株価推移:
    • 年初来高値: 2,234円
    • 年初来安値: 1,998円
    • 直近10日間の株価は、2100円台で推移しており、50日移動平均線(2130.20円)と200日移動平均線(2084.09円)の上に位置しています。
    • 52週高値からは下落していますが、2000円台を維持しており、底堅さも見られます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024年3月期は448億87百万円(前期比-0.5%)
  • 営業利益: 2024年3月期は15億46百万円(前期比-20.5%)
    • 要因: 稚魚不漁、飼料価格高騰が影響。
  • 経常利益: 2024年3月期は21億5百万円(前期比-11.4%)
  • 当期純利益: 2024年3月期は14億15百万円(前期比-13.4%)
  • ROE (実績): 3.72%
  • ROA (過去12か月): 1.86%
  • 自己資本比率 (実績): 74.2%
    • 考察: 財務体質は良好です。
  • キャッシュフロー: 営業CFはプラス、投資CFはマイナス、財務CFはマイナス。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り (会社予想): 情報なし
  • 1株配当 (会社予想): 情報なし
  • 配当実績: 2024年3月期の年間配当は20円(うち特別配当3円)
  • 配当性向: 12.63%
  • 自社株買い: 情報なし
    • 考察: 安定配当を基本方針としていますが、次期の年間配当金は未定です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動: 直近10日間の株価は、2100円台で小幅な変動を繰り返しています。
  • 出来高: 5,300株(2025年5月23日)と、出来高は低調です。
  • 株価への影響要因:
    • 養殖業界の動向(稚魚の供給、飼料価格、気候変動など)
    • 鮮魚販売の需要動向
    • マグロ養殖事業の進捗
    • 次期の業績予想

11. 総評

株式会社ヨンキュウは、鮮魚販売と養殖用資材販売を軸に、安定した事業基盤を持つ企業です。しかし、2024年3月期は、稚魚不漁や飼料価格高騰の影響を受け、減益となりました。
* ポジティブな点:
* 高い自己資本比率
* 養殖事業における一定の競争優位性
* 安定した配当
* ネガティブな点:
* 業績が外部環境に左右されやすい
* PERは業界平均よりやや高い
* 中期経営計画などの情報開示が少ない
* 総合的な見解: 養殖業界の動向や、次期の業績予想を注視する必要があります。


企業情報

銘柄コード 9955
企業名 ヨンキュウ
URL http://www.yonkyu.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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