決算説明：長瀬産業（8012）

2025年3月期 決算説明資料

基本情報

• 企業概要: 長瀬産業株式会社 (証券コード:8012)、主要事業分野は化学品、食品、化粧品、電子材料など多岐にわたる。
• 説明会情報: 2024年度期末決算説明資料、2025年5月8日
• 報告期間: 2024年度
• セグメント:
  • 機能素材
  • 加工材料
  • 電子・エネルギー
  • モビリティ
  • 生活関連
  • ナガセケムテックス
  • ナガセヴィータ
  • Prinovaグループ

業績サマリー

• 主要指標:
  • 売上高: 9,449億円（前年同期比105%）
  • 売上総利益: 1,812億円（前年同期比110%）
  • 営業利益: 390億円（前年同期比128%）
  • 経常利益: 383億円（前年同期比125%）
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 255億円（前年同期比114%）
• 進捗状況: 中期経営計画ACE 2.0の最終年度。
• セグメント別状況:
  • 商社業は半導体業界や電機・電子業界等の緩やかな回復により、電子・エネルギーや機能素材、加工材料が好調に推移し、約110億円の増益。
  • 製造業は、電子・エネルギーにおけるナガセケムテックスの変性エポキシ樹脂の販売増加、機能素材におけるカラーフォーマー事業の黒字化等により約55億円の増益。
  • セグメント別では電子・エネルギー、機能素材が大きく伸長。

業績の背景分析

• 業績概要: 売上総利益は過去最高となり、全事業セグメントにおいて売上総利益率が向上。営業利益は過去最高となり、営業利益率も向上。
• 増減要因:
  • 売上高: 448億円増
  • 売上総利益: 165億円増
  • 営業利益: 84億円増
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 31億円増
• リスク要因: 当期純利益は2020年度に撤退を決定した中国でのガラス基板の薄型加工事業に係る事業撤退損(約△20億円)を第3四半期に計上したこと等により、通期見通しを下回った。

戦略と施策

• 現在の戦略: 中期経営計画ACE 2.0で掲げる成長戦略、財務・資本戦略の遂行。
• 進行中の施策:
  • 収益性・効率性の向上
  • ROIC経営の浸透: 売上総利益率および資本回転率の向上
  • 改善領域における不採算事業・不採算取引を削減
  • 政策保有株式の段階的な削減
  • 資本コスト
  • 株主還元拡充: 2年間限定で総還元性向100%
  • 成長投資における負債の活用
  • IR活動
  • 積極的な情報開示、投資家との対話を拡充
• セグメント別施策:
  • 機能素材: 塗料原料の販売は自動車用・建築用ともに伸び悩み、全体として概ね横ばい。
  • 加工材料: 樹脂の販売はOA等の電機・電子業界向けの需要回復を受けて増加。
  • 電子・エネルギー: 中国での政策支援もありミドル・ローエンドの出荷台数は増加、ハイエンドは微増。
  • モビリティ: 下期の自動車生産台数が伸び切らず、地域ごとに二極化が進み全体として横ばい。
  • 生活関連: 国内の食品素材は好調。

将来予測と見通し

• 業績予想:
  • 売上高: 9,550億円（前年比101%）
  • 売上総利益: 1,810億円（前年比104%）
  • 営業利益: 395億円（前年比101%）
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 315億円（前年比123%）
• 中長期計画: 中期経営計画ACE 2.0のKGI達成見込み。PBR1倍超の早期実現を目指す。
• マクロ経済の影響: 円安による影響、半導体関連ビジネスの好調、樹脂販売は需要については概ね横ばい。

配当と株主還元

• 配当方針: 2025年度の1株当たり配当金は中間45円、期末50円の年間95円を予定(16期連続増配見通し)。2024年度に引き続き、2025年度においても総還元性向100%の方針に変更なし。
• 配当実績:
  • 2021年度: 54円
  • 2022年度: 70円
  • 2023年度: 80円
  • 2024年度: 90円
  • 2025年度(予想): 95円

製品やサービス

• 製品:
  • 機能素材: 塗料原料、半導体材料
  • 加工材料: 樹脂
  • 電子・エネルギー: 半導体関連材料
  • モビリティ: 自動車関連材料
  • 生活関連: 食品素材、香粧品素材
• サービス:
  • Prinovaグループ: プレミックス等の提供、ソリューションの提供
• 協業・提携:
  • SACHEM社のアジア地域における半導体用高純度化学品事業の取得
  • 旭化成ファーマ(株)の診断薬事業などを買収

重要な注記

• リスク要因: 世界経済・競合状況・為替変動等に関わるリスクや不確定要因により、実際の業績が記載の予測と異なる可能性がある。
• その他:
  • 2025年度より、Prinovaグループにおいて製造原価と販売費及び一般管理費の区分を一部変更。
  • 2024年度の期末配当金は、2025年6月開催予定の第110回定時株主総会に附議予定。
  • 2025年7月1日に向け、新会社の社名決定(Nagase Diagnostics)

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