1. 企業情報
ラサ工業は、化成品、機械、電子材料を主力とする企業です。特に、半導体製造に不可欠なリン酸などの化成品、掘削機や破砕機などの機械、電子材料などを手掛けています。1907年の沖縄ラサ島でのリン鉱脈発見を起源とし、半導体関連や水処理剤など幅広い分野で事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ラサ工業は、ニッチ市場において一定のシェアを占めていると考えられます。特に、半導体関連のリン酸などの高機能化学品分野においては、技術力と長年の実績に基づいた競争優位性を持っている可能性があります。
課題:
- 半導体市況の変動による業績への影響
- 機械事業におけるプラント販売の変動
- 化合物半導体市場の回復状況
3. 経営戦略と重点分野
ラサ工業は、2024年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画2026を策定し、「経営資源の最適化と収益力強化を推進し、企業価値向上への基盤強化を図る」を基本方針としています。
重点分野:
- 半導体関連製品の強化
- 機械事業における収益性の向上
- 電子材料事業における高付加価値製品の開発
4. 事業モデルの持続可能性
ラサ工業の事業モデルは、半導体市場やインフラ投資などの外部環境に大きく影響を受ける可能性があります。しかし、同社の製品は、半導体製造やインフラ整備に不可欠なものであり、一定の需要が見込めます。
適応力:
- 半導体市場の変動に対応するため、製品ラインナップの多様化や高付加価値製品の開発を進める必要があります。
- 機械事業においては、プラント販売の変動リスクを軽減するため、製品の差別化や顧客基盤の拡大が重要です。
5. 技術革新と主力製品
ラサ工業は、半導体製造に不可欠なリン酸や、電子材料、掘削機などの機械製品を主力としています。
技術開発の動向:
- 半導体製造プロセスにおける高純度化、高性能化に対応した製品開発
- 環境負荷低減に貢献する製品の開発
収益を牽引している製品:
- 半導体製造用リン酸
- 水処理用凝集剤
- 掘削機
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 7.61倍 (業界平均: 20.4)
- PBR（実績）: 0.90倍 (業界平均: 1.1)
- EPS（会社予想）: 422.68円
- BPS（実績）: 3,570.64円
上記の指標から、ラサ工業の株価は割安と評価できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月15日に急騰した後、調整局面に入り、5月26日の終値は3,215円でした。年初来高値3,350円に近づいており、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期: 427億8800万円
- 2025年3月期: 454億2100万円（前年比6.2%増）
営業利益:
- 2024年3月期: 35億9100万円
- 2025年3月期: 47億3600万円（前年比31.9%増）
当期純利益:
- 2024年3月期: 23億8200万円
- 2025年3月期: 31億3100万円（前年比31.4%増）
ROE（実績）: 11.85%
自己資本比率（実績）: 60.8%
売上高、利益ともに増加しており、業績は好調です。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.98%
- 1株配当（会社予想）: 128.00円
- 配当性向: 32.69%
ラサ工業は、安定的な配当を実施しており、株主還元にも積極的です。2026年3月期の配当予想は128円と増配を予定しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、5月15日に急騰した後、調整局面に入っています。信用買い残が増加しており、今後の株価動向に注目が必要です。
株価への影響を与える要因:
- 半導体市況の動向
- 中期経営計画の進捗
- 配当政策
11. 総評
ラサ工業は、半導体関連製品を中心に、業績を伸ばしています。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。株価は割安であり、今後の成長も期待できます。ただし、半導体市況の変動や、機械事業の動向など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 4022 |
| 企業名 | ラサ工業 |
| URL | http://www.rasa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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