1. 企業情報
丸運は、ENEOSホールディングス系の総合物流企業です。国内および国際物流、倉庫保管、輸送（トラック、鉄道、航空）、エネルギー輸送（石油、高圧ガス）、化学品物流など、幅広い物流サービスを提供しています。特に、石油や化学品の輸送、および神戸製鋼所などの特定荷主との取引に強みを持っています。環境事業にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
丸運は、陸運業界において中堅クラスの企業です。ENEOSホールディングスとの関係性を活かしたエネルギー輸送、および特定荷主との安定的な取引が強みです。
競争優位性:
- ENEOSホールディングスとの連携による安定的な事業基盤
- 石油・化学品輸送における専門性
- 特定荷主との長期的な取引関係
課題:
- 燃料価格変動や人件費上昇の影響を受けやすい
- 物流業界全体の人手不足
- 特定荷主への依存度が高い
3. 経営戦略と重点分野
丸運は、第4次中期経営計画（2023年度～）において、「2030丸運グループ長期ビジョン」に基づき、営業収益600億円以上、経常利益20億円以上を目標としています。
重点分野:
- 新規顧客開拓と既存顧客の深耕（営業開発部の設置）
- ベトナム企業との資本業務提携による海外事業の強化
- M&Aによる事業規模拡大（有限会社中村運輸機工の全株式取得）
- 環境負荷低減への取り組み
4. 事業モデルの持続可能性
丸運の収益モデルは、物流需要に大きく依存します。エネルギー輸送は、ENEOSホールディングスとの関係性により安定していますが、石油製品の内需減少の影響も受けています。貨物輸送は、景気変動の影響を受けやすく、燃料価格や人件費の上昇も収益を圧迫する可能性があります。
市場ニーズの変化への適応力:
- 環境負荷低減への取り組み
- 海外事業の強化
- M&Aによる事業領域の拡大
5. 技術革新と主力製品
丸運は、具体的な技術革新に関する情報は開示されていません。
主力製品/サービス:
- 貨物輸送（トラック、鉄道、航空）
- エネルギー輸送（石油、高圧ガス）
- 倉庫保管
- 国際物流
6. 株価の評価
- 株価: 390.0円（2025年5月26日終値）
- EPS（会社予想）: 23.20円
- PER（会社予想）: 16.81倍（業界平均:8.1）
- BPS（実績）: 879.90円
- PBR（実績）: 0.44倍（業界平均:0.5）
- 配当利回り（会社予想）: 3.08%
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、424円をピークに下落傾向にあります。5月19日には425円の高値をつけましたが、その後は下落し、5月26日には390円まで値を下げています。年初来高値は474円、年初来安値は345円です。50日移動平均線は416.90円、200日移動平均線は455.45円であり、株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で461.45億円。2024年3月期は465.86億円、2023年3月期は467.05億円と、若干の減少傾向が見られます。
営業利益: 過去12ヶ月で12.66億円。2024年3月期は12.66億円と、前期比で大幅な増加（+148.6%）を達成しています。
当期純利益: 過去12ヶ月で11.16億円。2024年3月期は11.16億円と、前期比で大幅な増加（+168.1%）を達成しています。
ROE（実績）: 4.45%
ROA（過去12か月）: 2.15%
自己資本比率（実績）: 68.9%
2024年3月期は増収増益を達成し、収益性が改善しています。自己資本比率が高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.08%
- 1株配当（会社予想）: 12.00円
- 配当性向: 36.06%
- 2025年3月期の期末配当金14.00円には、特別配当3.00円が含まれています。
配当利回りは平均的であり、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高まっている可能性があります。
株価への影響要因:
- 物流業界の動向（燃料価格、人件費、人手不足）
- ENEOSホールディングスの業績
- 中期経営計画の進捗
- 海外事業の展開
- 2026年3月期の業績予想
11. 総評
丸運は、ENEOSホールディングスとの安定的な関係を基盤とし、石油・化学品輸送に強みを持つ企業です。2024年3月期は増収増益を達成し、業績は回復基調にあります。自己資本比率が高く、財務体質も安定しています。
しかし、PERは業界平均を上回っており、割高感があります。直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。2026年3月期の業績予想は減収減益となっており、今後の業績動向には注意が必要です。
* 物流業界の動向、特に燃料価格や人件費の変動に注意が必要です。
* ENEOSホールディングスの業績が丸運の業績に与える影響を注視する必要があります。
* 中期経営計画の進捗状況や、海外事業の展開にも注目しましょう。
* 2026年3月期の業績予想を踏まえ、今後の成長戦略を評価する必要があります。
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企業情報
| 銘柄コード | 9067 |
| 企業名 | 丸運 |
| URL | http://www.maruwn.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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