1. 企業情報
- 事業内容: 上場企業向けに、IR（Investor Relations：投資家向け広報）およびSR（Shareholder Relations：株主向け広報）コンサルティングサービスを提供しています。具体的には、株主判明調査、議決権行使支援、M&A（Mergers and Acquisitions：合併・買収）関連のFA（Financial Advisory：財務アドバイザリー）など、多岐にわたるサービスを展開しています。国内トップシェアを誇る独立系の企業です。
- 特徴: 独立系であり、株主判明調査やPA（Proxy Advisory：議決権行使助言）、FA（Financial Advisory：財務アドバイザリー）といった専門性の高いサービスに強みを持っています。
- 市場区分: プライム市場
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: IR・SRコンサルティング業界において、国内トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。
- 競争優位性: 独立系であること、専門性の高いサービスを提供していること、株主判明調査や議決権行使支援といったニッチな分野での強みが競争優位性につながっています。
- 課題: 業績は市況に左右されやすく、競合他社の動向も注視する必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 決算短信からは具体的な経営ビジョンは明確には読み取れませんが、議決権の力を軸に資本市場の健全な発展に貢献することを目指しています。
- 中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な情報開示はありません。
- 重点分野: アクティビスト対応案件、平時対応案件の増加に対応するため、専門性の高いサービスの提供に注力しています。また、人材投資として新卒初任給の大幅な引き上げを実施しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: IR・SRコンサルティングサービスを提供し、その対価として収益を得ています。
- 市場ニーズへの適応力: 東京証券取引所の市場改革や企業価値向上への動き、アクティビスト活動の活発化といった市場の変化に対応し、有事対応案件や平時対応案件の増加に対応しています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術革新: IR・SRコンサルティングという性質上、特定の技術革新というよりは、専門知識やノウハウ、情報収集力、分析力などが重要になります。
- 主力製品/サービス: IR・SRコンサルティングサービス全般が主力であり、特に株主判明調査、議決権行使支援、M&A関連のFAなどが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 654.0円 (2025年5月26日終値)
- PER (会社予想): 情報なし
- PBR (実績): 2.07倍
- EPS (会社予想): 情報なし
- BPS (実績): 316.04円
- 業界平均PER: 17.0
- 業界平均PBR: 1.8
PBRから見て、割安感はありません。PERの情報がないため、割安・割高の判断はできません。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、2025年5月26日に654円で取引を終えています。年初来安値557円から上昇し、年初来高値938円からは下落傾向にあります。
- 移動平均線: 50日移動平均線705.54円を下回り、200日移動平均線783.14円も下回っています。
テクニカル的には、下落トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は5,783百万円で、前年同期比2.1%増と増収です。
- 営業利益: 2025年3月期は1,005百万円で、前年同期比6.2%減と減益です。売上原価の増加、販売費及び一般管理費の増加が影響しています。
- 当期純利益: 2025年3月期は698百万円で、前年同期比8.4%減と減益です。
- ROE (実績): 12.71%
- ROA (過去12か月): 9.35%
- 自己資本比率: 81.4%と非常に高い水準です。
売上高は増加しているものの、利益は減少しており、コスト増加が課題となっています。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 情報なし
- 1株配当 (会社予想): 情報なし
- 配当性向: 50.8% (2025年3月期)
- 配当実績: 2025年3月期年間配当は20.00円（中間配当10.00円、期末配当10.00円）
- 自社株買い: 情報なし
配当性向は50.8%と、ある程度株主還元に積極的な姿勢を示しています。2026年3月期の配当は未定ですが、連結配当性向50%を目処に決定する予定です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 株価への影響要因: 業績、市場動向、競合他社の動向、アクティビスト活動の活発化などが影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買残は増加、信用売残も増加しており、売りと買い両方の圧力がかかっている状況です。
11. 総評
アイ・アールジャパンホールディングスは、IR・SRコンサルティング業界のリーディングカンパニーであり、高い専門性と独立性、高い自己資本比率が強みです。
しかし、直近の業績は売上高こそ増加しているものの、利益は減少しており、コスト増加が課題です。株価は下落トレンドにあり、テクニカル的にも弱気な状況です。
企業情報
| 銘柄コード | 6035 |
| 企業名 | アイ・アールジャパンホールディングス |
| URL | http://www.irjapan.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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