1. 企業情報
ラクオリア創薬は、愛知県名古屋市に本社を置く創薬ベンチャー企業です。低分子医薬品の研究開発に特化しており、特に疼痛疾患領域に強みを持っています。ファイザーの旧国内研究所が前身であり、開発した化合物の知的財産を導出することで収益を上げています。消化器領域の医薬品の海外売上が収益の柱となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ラクオリア創薬は、創薬ベンチャーとして、医薬品業界においてニッチなポジションを占めています。特に、疼痛治療薬や消化器系疾患治療薬の開発に注力しており、これらの分野における専門性を強みとしています。市場シェアに関しては、開発段階の製品が多いため、現時点では具体的な数値での評価は難しいですが、導出先企業の販売状況によって影響を受けます。
競争優位性:
- 疼痛疾患領域における専門性
- 低分子医薬品の研究開発能力
- 知的財産（特許等）の導出による収益モデル
課題:
- 開発パイプラインの進捗状況
- 導出先の販売実績への依存
- 新薬開発のリスク（成功確率の低さ、開発期間の長さ）
3. 経営戦略と重点分野
ラクオリア創薬の経営戦略は、自社で創出した医薬品候補化合物を、製薬企業へ導出し、その対価としてロイヤリティ収入を得ることに重点を置いています。
重点分野:
- 疼痛領域の医薬品開発
- 消化器系疾患領域の医薬品開発
- 開発パイプラインの拡充
- 導出先の開拓
中期経営計画などの具体的な情報は、今回のデータからは確認できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
ラクオリア創薬の収益モデルは、医薬品候補化合物の導出とその後のロイヤリティ収入に依存しています。
持続可能性の評価:
- プラス要因: 疼痛領域や消化器系疾患領域は、市場ニーズが高く、安定した需要が見込める。
- マイナス要因: 開発の成功可否や導出先の販売状況に大きく左右されるため、収益が不安定になりやすい。新薬開発には多額の資金と長い期間が必要であり、リスクが高い。
市場ニーズの変化への適応力としては、開発パイプラインを拡充し、様々な疾患領域に対応できるようにすることで、リスク分散を図っています。
5. 技術革新と主力製品
ラクオリア創薬は、低分子医薬品の研究開発に注力しており、独自の技術基盤を持っています。
主力製品:
- テガプラザン（消化性潰瘍治療薬）：韓国の製薬会社に導出され、海外で販売されています。
- グラピプラント（犬の変形性関節症治療薬）：動物薬として販売されています。
- その他、疼痛治療薬や消化器系疾患治療薬などの開発パイプラインを有しています。
6. 株価の評価
- PER (会社予想): — (算出不可)
- PBR (実績): 2.30倍
- EPS (会社予想): -3.25円
- BPS (実績): 250.34円
EPSがマイナスであり、PERは算出できません。PBRは2.30倍であり、1株あたり250.34円の純資産に対して、株価が577円となっています。
現在の株価は、業績が赤字であることから、割高・割安の判断は難しい状況です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月19日に445円まで下落した後、5月27日には577円まで上昇しています。年初来高値は590円、年初来安値は301円です。
テクニカル指標からは、株価は上昇傾向にあり、年初来高値に近づいていることがわかります。ただし、直近の出来高は減少傾向にあり、上昇の勢いが弱まっている可能性もあります。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 2024年12月期 | 2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,107百万円 | 3,107百万円 | 1,901百万円 | 2,918百万円 | 2,776百万円 |
| 営業利益 | -213百万円 | -213百万円 | -337百万円 | 866百万円 | 708百万円 |
| 当期純利益 | -495百万円 | -495百万円 | -324百万円 | 723百万円 | 756百万円 |
| ROE | -7.34% | -8.51% | -14.98% | 34.50% | 36.07% |
| ROA | -1.02% | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
| 自己資本比率 | 57.4% | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
- 売上高: 2024年12月期は3,107百万円と、2023年12月期から増加しています。
- 営業利益: 2024年12月期は赤字（-213百万円）ですが、2023年12月期よりも赤字幅は縮小しています。
- 当期純利益: 2024年12月期は赤字（-495百万円）です。
- ROE: 2024年12月期はマイナスであり、収益性が低いことを示しています。
- 自己資本比率: 57.4%と、財務基盤は比較的安定しています。
過去数年間の傾向として、2022年までは黒字でしたが、2023年、2024年は赤字に転じています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 0.00%
- 1株配当 (会社予想): 0.00円
ラクオリア創薬は、現時点では配当を実施していません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間では上昇傾向にあります。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の買い意欲が強い可能性があります。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
- 株価への影響要因: 新薬開発の進捗状況、導出契約の締結、販売実績などが株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
ラクオリア創薬は、疼痛疾患領域に強みを持つ創薬ベンチャーです。売上高は増加傾向にあるものの、赤字が続いており、収益性の改善が課題です。株価は直近で上昇していますが、業績の不安定さから、今後の動向には注意が必要です。新薬開発の進捗や導出契約の締結など、今後の事業展開に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4579 |
| 企業名 | ラクオリア創薬 |
| URL | https://www.raqualia.com/ja/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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