1. 企業情報
- 企業名: 株式会社鎌倉新書
- 事業内容: 主に「終活」分野（葬儀、仏壇、お墓）に関する情報ポータルサイトの運営を中心とし、出版事業、相続・介護分野の情報提供も展開。ユーザーと事業者をマッチングし、紹介手数料と広告収入を収益源としている。近年は相続や介護など周辺領域へのサービス拡大も進めている。
- 設立: 1984年4月17日
- 本社所在地: 東京都中央区京橋2-14-1
- 従業員数: 198人（平均年齢37.6歳、平均年収611万円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 終活領域に特化したポータルサイト運営で高い知名度を持つ。情報通信・サービス業界の中でも、人生の終末期に特化したサービスという独自性がある。
- 競争優位性・課題: オンラインでの情報提供とマッチングノウハウに強み。高齢化社会の進展で市場拡大が期待される一方、競合他社の参入やリアル事業者との連携強化が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン・戦略: 「人生の終わりに寄り添うプラットフォーム」の構築を掲げ、終活領域のワンストップサービス化を目指す。
- 中期経営計画の重点施策:
- 葬儀・仏壇・墓の主力領域の深耕
- 相続・介護など周辺領域へのサービス拡大
- IT・DXによる業務効率化と顧客体験向上
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 紹介手数料と広告収入が主軸。ストック型収益ではないが、高齢化社会の進展により市場ニーズは安定的。
- 市場ニーズへの適応力: オンライン化の進展や高齢者層のITリテラシー向上など、社会変化に合わせてサービス領域を拡大している。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性: Webマーケティング、SEO、データベース構築などIT活用に強み。ユーザー体験向上のためのサイト改善やAI活用も進行中。
- 主力サービス: 葬儀・仏壇・墓の情報ポータルサイトが収益を牽引。出版や相続・介護領域も拡大中。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 22.39倍（業界平均17.0倍より高い）
- PBR（実績）: 4.67倍（業界平均1.8倍より高い）
- EPS（会社予想）: 20.77円
- BPS（実績）: 99.50円
- 株価（5/28終値）: 465円
参考計算
- 理論株価（BPS×業界平均PBR）: 99.5 × 1.8 = 約179円
- 理論株価（EPS×業界平均PER）: 20.77 × 17 = 約353円
- 現在の株価は、業界平均と比較して割高な水準にある。
7. テクニカル分析
- 直近株価推移: 10日間で大きな変動はなく、465～471円のレンジで推移。
- 年初来高値/安値: 568円 / 382円
- 移動平均線:
- 50日: 461.4円
- 200日: 494.5円
- 現在値は50日線付近、200日線を下回る
- 安値・高値圏: 年初来安値からは上昇しているが、高値圏からは下落した位置。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2022年1月期：3,826百万円 → 2025年1月期：7,061百万円（3年間で約1.8倍、年平均成長率約20%超）
- 営業利益: 2022年1月期：533百万円 → 2025年1月期：911百万円
- 純利益: 2022年1月期：361百万円 → 2025年1月期：687百万円
- 営業CF: 2024年1月期：365百万円 → 2025年1月期：597百万円
- 自己資本比率: 68.5%（財務健全）
- ROE: 20.09%（高水準）
- ROA: 12.07%（高水準）
- 利益率:
- 営業利益率：16.46%
- 純利益率：9.73%
- キャッシュフロー: 営業CFは増加傾向、投資CFはマイナスだが、財務CFも安定。現金同等物も増加傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 4.30%
- 1株配当（予想）: 20円
- 配当性向: 107.87%（利益以上の配当を実施）
- 自社株買い: 自己株式保有比率5.09%（株主還元策として自社株買い実施の可能性あり）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近は横ばい～やや下落基調。年初来高値からは下落しているが、安値からは反発。
- 信用取引動向: 信用買残が多く（信用倍率10.72倍）、やや買い長の状況。
- 投資家構成: インサイダー比率が高く、安定株主が多い。機関投資家の保有も一定割合。
11. 総評
鎌倉新書は、「終活」分野に特化した情報サービスを展開し、業界内で独自のポジションを確立しています。高齢化社会の進展により市場拡大が期待され、売上・利益ともに堅調な成長を続けています。財務体質も良好で、ROE・ROAともに高水準です。
一方で、株価指標（PER・PBR）は業界平均と比較して高めであり、配当性向も100%を超えている点には注意が必要です。株価は直近横ばい～やや下落傾向で、信用買い残が多い状況です。
今後は、主力領域の深耕と周辺サービス拡大、IT活用による効率化が成長のカギとなります。安定した財務基盤と高い株主還元姿勢が特徴ですが、成長持続性と収益性のバランスに注視が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6184 |
| 企業名 | 鎌倉新書 |
| URL | http://www.kamakura-net.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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