1. 企業情報

事業内容

日本リーテックは、鉄道電気設備工事を中心に、電力・通信・道路設備工事や屋内外電気設備工事、送電線設備工事など幅広い電気設備工事を手掛ける総合電気設備工事会社です。特にJR東日本向けの鉄道関連工事に強みがあり、信号設備や電車線路施設、電力設備、情報通信システムなどのインフラ構築を担っています。また、交通信号や道路情報システム、屋内外の電気工事、太陽光発電システムの設置なども展開しています。1945年創業、東京都千代田区に本社を置き、従業員数は1,543名です。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内での競争優位性・課題

  • 鉄道電気設備工事分野で高い専門性を持ち、JR東日本との強固な関係が特徴です。
  • 受注の多くをJR東日本などの鉄道会社に依存しているため、鉄道関連投資の動向が業績に大きく影響します。
  • 建設業界全体では人手不足や建設コストの高騰が課題ですが、公共・民間設備投資は堅調です。
  • 競合には日本電設工業や日本信号などが存在し、同業他社と比較しても安定した受注基盤を有します。

3. 経営戦略と重点分野

ビジョン・戦略

  • 「Change and Innovation RIETEC 2024」を掲げ、コロナ禍からの回復と社会ニーズへの対応を重視。
  • 新中期経営計画「中期経営計画2027」では、事業の多角化や新分野への進出、効率化・コスト削減、DX推進などを重点施策としています。
  • 鉄道インフラの維持・更新、再生可能エネルギー関連、情報通信分野の拡大を目指しています。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル・市場変化への適応力

  • 鉄道インフラの長期的な維持・更新需要に支えられ、安定した受注が期待できます。
  • 電力・通信・道路インフラ分野への展開や、再生可能エネルギー関連事業の強化によって、事業ポートフォリオの多様化を進めています。
  • 建設コスト上昇や人手不足といった業界共通課題への対応力が今後の持続性の鍵となります。

5. 技術革新と主力製品

技術開発・独自性・主力サービス

  • 鉄道信号や電力設備、情報通信システムなどの高度な設計・施工技術を有しています。
  • 近年は太陽光発電システムやスマートインフラ、IoTを活用した新技術の導入にも取り組んでいます。
  • 主力は鉄道電気設備工事ですが、道路設備や送電線設備工事も着実に拡大しています。

6. 株価の評価

ファンダメンタル指標との比較

  • 株価:1,639円
  • 予想PER:9.66倍(業界平均14.0倍)
  • 実績PBR:0.64倍(業界平均1.1倍)
  • 予想EPS:169.69円
  • 実績BPS:2,574.78円

→ 業界平均と比較してPER・PBRともに割安な水準です。BPSに対しても株価は低めに位置しています。

7. テクニカル分析

株価推移・位置づけ

  • 年初来高値:1,787円、年初来安値:1,255円
  • 直近株価:1,639円(5/28終値)
  • 50日移動平均:1,568.3円、200日移動平均:1,301.17円
  • 直近10日間は1,600~1,700円台で推移し、やや高値圏に位置していますが、年初来高値からはやや調整しています。

8. 財務諸表分析

売上・利益・キャッシュフロー・ROE/ROA等

  • 売上高:68,669百万円(前年比17.3%増、過去最高)
  • 営業利益:5,199百万円(前年比51.5%増)
  • 当期純利益:4,733百万円(前年比70.9%増)
  • ROE:7.66%、ROA:3.56%
  • 自己資本比率:67.3%(財務健全性高い)
  • 営業キャッシュフロー:2,040百万円
  • フリーキャッシュフロー:-160百万円(設備投資等の影響)

→ 売上・利益ともに大幅増、財務体質も良好です。

9. 株主還元と配当方針

配当利回り・配当性向・株主還元策

  • 予想配当利回り:5.00%(業界平均を大きく上回る)
  • 1株配当(予想):82.00円(前期比5円増配予定)
  • 配当性向:24.0%(安定配当方針)
  • 自己株式保有:3.38%
  • 2026年3月期より配当方針を強化

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価変動・関心要因

  • 直近1年で株価は約47%上昇し、堅調なモメンタムを維持。
  • 出来高も増加傾向で、投資家関心は高い。
  • 配当増額や業績好調が株価上昇要因。
  • 信用買残が多い(信用倍率2,076倍)ため、需給面には注意が必要。

11. 総評

日本リーテックは鉄道インフラ工事を中心に、電気設備工事業界で安定した地位を確立しています。業績は過去最高を更新し、財務体質も良好です。配当利回りが高く、株主還元姿勢も強化されています。株価は業績・配当を反映し上昇していますが、割安感も残ります。今後は建設コスト上昇や人手不足など業界課題への対応力、鉄道以外の分野での成長が注目されます。
※本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資判断を推奨するものではありません。


企業情報

銘柄コード 1938
企業名 日本リーテック
URL http://www.j-rietec.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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