1. 企業情報
大東建託は、賃貸アパート・マンションの設計・建設・賃貸管理を主な事業とする企業です。土地活用を検討している地主に対して、賃貸住宅の建設を提案し、建設後の賃貸管理、仲介、家賃保証まで一貫して提供するビジネスモデルが特徴です。建設事業、不動産事業、金融事業を展開しており、賃貸住宅の建築請負と一括借り上げによる安定的な収益基盤を築いています。賃貸仲介においても高いシェアを誇っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
大東建託は、賃貸住宅市場において圧倒的な存在感を示しており、特に建設請負と賃貸仲介の分野で高いシェアを占めています。競争優位性としては、土地活用の提案から賃貸管理までをワンストップで提供できる点、全国的なネットワーク、独自のノウハウなどが挙げられます。課題としては、少子高齢化による入居者数の減少、建築コストの上昇、競合他社との差別化などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
大東建託の経営戦略は、賃貸住宅事業を軸に、関連事業の拡大と収益性の向上を図ることにあります。具体的には、賃貸住宅の質の向上、入居者ニーズへの対応、管理物件数の増加、リフォーム・リノベーション需要への対応などが重点分野として挙げられます。また、中期経営計画においては、具体的な数値目標や施策が示されていると考えられますが、詳細な情報は決算短信等で確認する必要があります。
4. 事業モデルの持続可能性
大東建託の事業モデルは、賃貸需要が安定的に存在し、土地活用のニーズがある限り、持続可能性が高いと考えられます。しかし、人口減少や空き家問題、金利変動、建築コストの上昇など、外部環境の変化に対応していく必要があります。収益モデルとしては、建設請負による初期収益、賃貸管理によるストック収益、仲介手数料などが挙げられます。市場ニーズの変化に対しては、入居者ニーズに合わせた物件の提供、サービスの多様化、DX推進などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
大東建託は、技術革新よりも、賃貸住宅の設計・建設におけるノウハウ、入居者ニーズへの対応、管理システムの構築などに注力していると考えられます。主力製品・サービスとしては、賃貸アパート・マンションの設計・建設、賃貸管理、仲介、家賃保証などが挙げられます。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 16,245.0円 |
| PER（会社予想） | 11.96倍 |
| PBR（実績） | 2.30倍 |
| EPS（会社予想） | 1,358.00 |
| BPS（実績） | 7,073.15 |
| 配当利回り | 4.22% |
| 業界平均PER | 13.6 |
| 業界平均PBR | 1.6 |
PERは11.96倍であり、業界平均の13.6を下回っています。PBRは2.30倍であり、割安感があるとは一概には言えません。配当利回りは4.22%と、ある程度の水準です。EPS、BPSを考慮すると、現在の株価は割安とも割高とも判断しにくい状況です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は16,000円台で推移しており、5月28日の終値は16,245円でした。年初来高値は17,740円、年初来安値は14,375円であり、現在の株価は年初来高値と安値の中間に位置しています。50日移動平均線は15,693.90円、200日移動平均線は16,637.85円であり、200日移動平均線を下回っています。直近の株価は、やや下落傾向にあると見られます。
8. 財務諸表分析
| 年度 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 当期純利益 (百万円) | ROE | ROA |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024/3 | 1,731,466 | 104,819 | 110,607 | 74,685 | 21.60% | 6.45% |
| 2023/3 | 1,657,625 | 100,001 | 101,836 | 70,361 | ||
| 2022/3 | 1,583,002 | 99,594 | 103,217 | 69,580 | ||
| 2021/3 | 1,488,914 | 86,739 | 90,770 | 62,285 |
売上高は、過去数年で増加傾向にあります。営業利益、経常利益、当期純利益も、増加傾向にあります。ROEは21.60%と高く、収益性の高い企業であることがわかります。ROAも6.45%と、良好な水準です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.22%
- 1株配当（会社予想）: 685.00円
- 配当性向: 50% (目安)
大東建託は、安定的な配当を実施しており、配当利回りも4%を超えています。配当性向は5割を目安としており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用取引の状況としては、信用買残が40,900株、信用売残が21,200株であり、信用倍率は1.93倍です。信用買い残がやや多く、今後の株価の動向に注意が必要です。株価への影響を与える要因としては、金利変動、建築コスト、賃貸需要、不動産市況などが挙げられます。
11. 総評
大東建託は、賃貸住宅市場において高い競争力を持つ企業であり、安定的な収益基盤と高い収益性を誇っています。財務状況も良好で、株主還元にも積極的です。現在の株価は、PER、PBRを考慮すると、割安とも割高とも判断しにくい状況です。テクニカル面では、直近の株価はやや下落傾向にあります。今後の投資判断においては、金利変動、建築コスト、賃貸需要、不動産市況などの外部環境の変化、中期経営計画の進捗状況、決算内容などを総合的に判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1878 |
| 企業名 | 大東建託 |
| URL | http://www.kentaku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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