1. 企業情報
- 事業内容: ＩＤ＆Ｅホールディングスは、総合建設コンサルティングを主軸とする企業です。社会インフラ（河川、道路、港湾、空港など）、都市開発、エネルギー関連（発電、エネルギーマネジメント）など、多岐にわたる分野でコンサルティングサービスを提供しています。2025年2月5日には、東京海上ホールディングスの傘下に入り、最終的には上場廃止となる予定です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 総合建設コンサルティング業界のリーディングカンパニーの一つです。
- 競争優位性: 長年の実績と幅広い事業領域、高度な技術力、豊富なノウハウが強みです。
- 課題: 東京海上ホールディングスの傘下入りにより、今後の事業展開や市場シェアへの影響が注目されます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「ID&Eグローバル戦略2030」に基づき、主力3事業の持続的成長と事業間の共創による事業領域の拡大を目指しています。
- 中期経営計画: 第2ステップ（2024年7月～2027年6月）を展開中です。
- 重点分野:
- コンサルティング事業：国内市場でのシェア拡大、海外市場での収益性向上。
- 都市空間事業：生産体制の強化、APAC展開の強化、北米での事業拡大。
- エネルギー事業：蓄電池を中心としたエネルギーマネジメント事業の拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: コンサルティングサービス提供による安定的な収益を基盤としています。
- 市場ニーズへの適応力: 社会インフラ、都市開発、エネルギー分野は、持続的な成長が見込まれる分野であり、市場ニーズの変化に対応できる可能性があります。
- リスク: 東京海上ホールディングスの傘下入りによる事業戦略の変化、公共事業予算の変動、海外事業におけるリスクなどが挙げられます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 蓄電池、再生可能エネルギーなど、エネルギー関連分野での技術開発に注力しています。
- 主力製品/サービス: 社会インフラ、都市開発、エネルギー分野におけるコンサルティングサービスが収益の柱です。
6. 株価の評価
- 株価: 6,480円（2025年5月29日終値）
- PER（会社予想）: 13.39倍（業界平均：17.0）
- PBR（実績）: 1.13倍（業界平均：1.8）
- EPS（会社予想）: 483.79円
- BPS（実績）: 5,748.09円
- 評価: PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。ただし、東京海上ホールディングスによるTOBが成立しており、上場廃止が決定しているため、今後の株価はTOB価格に近づく可能性が高いです。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は6,480円近辺で推移しており、年初来高値（6,500円）に迫る水準です。
- 移動平均線: 50日移動平均線（6,477.60円）を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
- 判断: 上場廃止が決定しているため、テクニカル分析による判断は限定的です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で163.17B円と、堅調に推移しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月の営業利益率は3.09%と、やや低めです。
- ROE（実績）: 10.64%
- ROA（過去12か月）: 3.32%
- 自己資本比率（実績）: 44.1%と、財務体質は安定しています。
- 直近四半期: 売上高は増加、営業利益は減少しています。為替差損の影響で中間利益は赤字となっています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
- 配当性向: 0%
- その他: 2025年6月期の期末配当は行わない予定です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近の株価は安定的に推移しています。
- 株価への影響要因: 東京海上ホールディングスによるTOB成立、上場廃止決定が大きな影響を与えています。
11. 総評
ＩＤ＆Ｅホールディングスは、総合建設コンサルティング業界のリーディングカンパニーであり、安定した財務基盤と高い技術力を持っています。しかし、東京海上ホールディングスによるTOBが成立し、上場廃止となるため、今後の株価はTOB価格に近づくことが予想されます。投資判断にあたっては、上場廃止までのスケジュールやTOBの詳細を十分に確認する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9161 |
| 企業名 | ID&Eホールディングス |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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