1. 企業情報
- 企業名: FIG株式会社（Future Innovation Group, Inc.）
- 設立: 2018年7月2日
- 所在地: 大分県大分市東大道2-5-60
- 従業員数: 771人
- 事業内容:
- IoT関連サービス（タクシー配車システム、バスロケーション、ホテル向け管理システム、決済端末、音声認識システム、AMRサービスロボット等）
- ドローン関連（農薬散布、解析、研修）
- マシーン事業（半導体・自動車関連の製造装置、精密金型、搬送ロボット）
- 主要子会社：モバイルクリエイト、石井工作研究所
- 売上構成: IoT 70%、マシーン 30%（2024年12月期）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分: 情報・通信業（IoT、通信機器、自動化機器）
- 競争優位性:
- タクシー配車やバスロケーション等、公共交通向けIoTサービスで一定の実績
- 製造業向け自動化・搬送ロボット分野で独自技術を展開
- 課題:
- IoT分野は大手通信・IT企業との競争が激化
- マシーン事業は半導体市況や自動車業界の変動に影響を受けやすい
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン: IoTとモノづくりの技術力でSmart Societyの実現
- 中期経営計画（FY2022~FY2025）:
- IoTサービスの拡大（交通・決済・施設管理等）
- マシーン事業の自動化・省人化ニーズへの対応強化
- 先端半導体プロセス対応製品の開発・販売
- 収益性向上とKPI達成を目指す
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- IoTサービスはサブスクリプションやシステム販売、保守収入
- マシーン事業は装置販売とメンテナンス収入
- 市場ニーズへの適応:
- 交通・物流・製造現場の省人化・自動化需要に対応
- 市場の変化に合わせた新製品開発を継続
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- IP無線システム「iMESH」、クラウド型配車システム、音声認識AI、AMRロボットなど
- 先端半導体プロセス向け自動化装置
- 主力製品・サービス:
- タクシー・バス向けIoTシステム
- ホテル向け管理ソリューション
- ドローン関連サービス
- 搬送ロボット、自動化装置
6. 株価の評価
- 株価: 272円
- EPS（会社予想）: 18.24円
- BPS（実績）: 264.78円
- PER（会社予想）: 14.91倍（業界平均23.2倍）
- PBR（実績）: 1.03倍（業界平均2.3倍）
- 評価:
- 業界平均と比較してPER・PBRともに低水準
- 収益性や成長性の市場評価は控えめ
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値：290円、年初来安値：210円
- 直近10日間は260円台後半～270円台前半で推移
- 50日移動平均：258.90円、200日移動平均：286.63円
- 現状:
- 直近株価は50日移動平均線をやや上回り、200日移動平均線を下回る
- 年初来高値圏には至らず、レンジ内での動き
8. 財務諸表分析
- 売上高:
- 2024年12月期：12,016百万円（前年比減少）
- 2025年12月期1Q：3,451百万円（前年同期比12.9%増）
- 利益:
- 2024年12月期純利益：-1,412百万円（赤字転落）
- 2025年12月期1Q純利益：149百万円（前年同期比45.3%減）
- キャッシュフロー:
- 直近四半期現金：1,930百万円
- ROE/ROA:
- ROE：-16.14%（2024年12月期）、-17.29%（直近12か月）
- ROA：1.65%（直近12か月）
- 自己資本比率:
- 50.6%（2024年12月期）、52.6%（2025年1Q）
- 傾向:
- 売上は横ばい～微増、利益面は赤字転落後、1Qで黒字化
- 営業利益・経常利益は増加傾向だが、最終利益は不安定
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:
- 2024年12月期：5.00円
- 2025年12月期（予想）：未定
- 配当利回り: 1.84%
- 配当性向: 94.34%
- 自社株買い等: 自己株式保有あり（3.87%）
- 方針: 業績動向に応じて配当実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動:
- 直近10日間は270円前後で安定的に推移
- 出来高は平均10万株前後
- 信用取引:
- 信用買残：743,400株（前週比+2,000株）、信用倍率23.16倍
- 信用売残：32,100株（前週比-14,000株）
- 投資家関心:
- 信用買いが多く、個人投資家の関心が高い
- 株価は下値を固めつつある様子
11. 総評
- FIG株式会社は、IoTサービスとマシーン事業を軸に、交通・物流・製造分野の自動化・効率化を推進している企業です。IoT分野ではタクシー配車やバスロケーション等、社会インフラ向けサービスで一定のポジションを確立。マシーン事業では先端半導体プロセスや搬送ロボットなど、成長分野への取り組みが見られます。
- 財務面では2024年に赤字転落したものの、2025年1Qでは黒字化。売上・営業利益は増加傾向ですが、最終利益は不安定で、今後の収益安定化が課題です。株価指標は業界平均と比較して割安感が見られますが、収益性や成長性への市場評価は慎重です。
- 配当利回りは1.8%台と一定水準を維持しつつ、自己資本比率も50%超と財務健全性は確保されています。株価は直近で安定推移しており、個人投資家の関心も高い状況です。
- 今後は、中期経営計画の達成や新規分野での収益拡大が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4392 |
| 企業名 | FIG |
| URL | https://www.figinc.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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