1. 企業情報
企業名: 株式会社GENOVA
所在地: 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ
設立: 2005年7月4日
代表者: 平瀬 智樹
従業員数: 393人（平均年齢28.9歳、平均年収567万円）
事業内容:
GENOVAは、医療機関向けの情報プラットフォーム「Medical DOC」や、クリニック向けの自動受付精算機（NOMOCa-Stand、NOMOCa-Regi）、AIチャットボット「CLINIC BOT」などを展開。
主要な事業は以下の2本柱です。
– メディカルプラットフォーム事業（売上構成比62%）
医療情報サイト「Medical DOC」運営や医療機関紹介、患者体験記事、治療動画などの配信。
– スマートクリニック事業（売上構成比31%）
クリニック向け自動受付精算機、オンライン診療・相談サービス等の提供。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 医療メディア領域では「Medical DOC」が一定の認知度を持ち、クリニック向け自動精算機分野でもシェア拡大中。
- 競争優位性: 医療機関向けITサービスのワンストップ提供、メディアと機器販売のシナジーが特徴。
一方で、医療IT分野は競合も多く、他社（メドレー、MRT、エムスリー等）との競争が激しい。
– 課題: 市場成長の恩恵を受けつつも、営業体制の強化や製品差別化、顧客基盤の拡大が重要課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「医療×IT」で社会課題を解決し、医療現場の効率化と患者体験の向上を目指す。
- 中期経営計画の重点施策:
- 医療メディア「Medical DOC」のPV・掲載医療機関数拡大
- クリニック向け自動精算機・業務効率化サービスのラインナップ強化
- 新規事業（AIチャットボット等）の開発
- M&Aや事業譲受（2025年5月に株式会社ASANO設立・事業譲受）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: メディア広告収入、医療機関からの掲載・紹介料、機器販売・保守サービス、SaaS型サービス利用料等。
- 市場ニーズへの適応: 医療現場のDX化需要や、非接触・効率化ニーズに対応。
ただし、競争激化や法規制、医療機関のIT投資動向がリスク要因。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 医療情報プラットフォームの機能拡充、AIチャットボットの導入、オンライン診療システムの強化。
- 主力製品・サービス:
- 「Medical DOC」：医療情報メディア
- 「NOMOCa-Stand」「NOMOCa-Regi」：自動受付・精算機
- 「CLINIC BOT」：AIチャットボット
- オンライン診療・相談サービス「Smart Clinic」
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 56.51円
- BPS（実績）: 378.77円
- 株価: 718円
- PER（会社予想）: 12.71倍（業界平均17.0倍より割安水準）
- PBR（実績）: 1.90倍（業界平均1.8倍付近）
- 配当利回り（会社予想）: 4.18%（記念配当含む）
7. テクニカル分析
- 株価推移: 年初来高値1,420円、年初来安値706円。直近10日間は700円台前半で推移し、出来高はやや減少傾向。
- 移動平均線: 50日移動平均924.86円、200日移動平均1,321.27円を大きく下回っており、安値圏に位置。
- モメンタム: 直近1年で大幅下落（52週変動-45.69%）、短期的にも下落基調。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 100億円（前年同期比+15.2%）
- 営業利益: 20.26億円（前年同期比-12.0%）
- 純利益: 14.13億円（前年同期比-18.1%）
- 営業利益率: 20.2%
- ROE: 22.91%
- ROA: 15.14%
- 自己資本比率: 76.9%（財務健全性高い）
- キャッシュフロー:
- 営業CF: 11.94億円（安定的にプラス）
- 投資CF: -2.75億円
- 財務CF: -10.14億円
- 過去数年の傾向: 売上高は右肩上がりだが、利益成長は一時的に鈍化。営業利益・純利益は直近で減益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績: 年間30円（うち記念配当20円）
- 配当利回り: 4.18%（記念配当込み）
- 配当性向: 37.6%
- 自社株買い: 特段の記載なし
- その他: 2026年3月期以降の配当方針は未定
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価トレンド: 2024年後半から下落基調。年初来高値から大きく調整し、安値圏で推移。
- 出来高: 直近は減少傾向。信用取引では買残が増加、売残ゼロ。
- 投資家層: インサイダー（経営陣・創業者）保有比率が高い（47%超）。機関・個人投資家向けIR活動を強化中。
11. 総評
GENOVAは医療メディアとクリニック向けIT機器・サービスを展開し、医療現場のDX化・効率化ニーズを捉えながら成長を続けてきた企業です。売上高は拡大基調にある一方、直近の営業利益・純利益は減益となっており、特にスマートクリニック事業の営業体制強化が課題となっています。財務健全性は高く、ROEも高水準を維持しています。
株価は年初来高値から大きく下落し、PERは業界平均を下回る水準となっています。配当利回りは記念配当を含めて高めですが、今後の配当方針や利益成長の回復が注目されます。医療IT市場の成長性と競争環境、事業モデルの持続性、利益の安定性などが今後の注目ポイントです。
（※本レポートは情報提供を目的としており、投資判断を推奨するものではありません。）
企業情報
| 銘柄コード | 9341 |
| 企業名 | GENOVA |
| URL | https://www.genova.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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