1. 企業情報
日本フェンオールは、防災設備（ガス消火装置など）、産業用制御機器、熱制御技術を基盤とする企業です。人工透析装置も手掛けています。主な事業セグメントは、防災安全保護（SSP）、サーマル（熱制御）、メディカル、プリント配線板組立（PWBA）、消防ポンプです。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本フェンオールは、ガス消火装置などの特殊防災分野や、半導体製造装置向けの熱制御分野に強みを持っています。これらの分野での技術力は競争優位性の一因と考えられます。
課題:
- 業界内での競争激化
- 半導体市場の変動による影響
- 特定の分野への依存度が高いことによるリスク
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 詳細なビジョンは開示情報から明確には読み取れませんが、各セグメントの成長戦略から、技術力を活かした製品・サービスの提供を通じて、事業の拡大を目指していると考えられます。
中期経営計画:
- 中期経営計画に関する具体的な情報は開示されていません。
重点分野:
- SSP部門：改修工事、メンテナンスの取込み、西華産業との協業による販路拡大、ガス消火設備のスペックイン営業の推進。
- サーマル部門：技術営業活動の推進、開発本部との連携強化、付加価値のある活動に注力。
- メディカル部門：2026年12月までの同装置のスムーズな製造受託終息に向けて取り組む。
- PWBA部門：実装技術や装置組立ノウハウの活用による付加価値の創出、新規案件の獲得に注力。
- 消防ポンプ部門：消防ポンプの買い替え需要の確実な取込み、非常用浄水装置などの災害対策製品のラインナップ拡充。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 防災設備、産業用制御機器、医療機器などの製造販売が主な収益源です。
- 安定的な需要が見込める分野と、市況に左右されやすい分野の両方を有しています。
市場ニーズの変化への適応力:
- 技術革新への対応、顧客ニーズへの迅速な対応が重要となります。
- 半導体市場の変動や、防災関連の法規制の変更など、外部環境の変化への対応が求められます。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- 熱制御技術、防災技術、医療機器技術など、多様な技術を有しています。
- これらの技術を組み合わせることで、付加価値の高い製品・サービスの提供を目指しています。
収益を牽引している製品やサービス:
- ガス消火装置などの特殊防災設備
- 半導体製造装置向けの熱制御製品
- 人工透析装置
6. 株価の評価
- 株価: 1719.0円（2025年5月30日終値）
- EPS（会社予想）: 110.39円
- PER（会社予想）: 15.57倍
- BPS（実績）: 2,408.06円
- PBR（実績）: 0.71倍
- 配当利回り（会社予想）: 4.30%
比較:
- 業界平均PER: 12.9
- 業界平均PBR: 0.8
PERは業界平均よりやや高く、PBRは業界平均を下回っています。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 1,774円
- 年初来安値: 1,560円
- 50日移動平均: 1700.02円
- 200日移動平均: 1704.17円
- 直近の株価:
- 5月30日の終値は1719円であり、年初来高値に近づいています。
- 直近10日間の株価は、1697円から1721円の間を推移しており、比較的安定しています。
判断:
- 株価は、年初来高値に近づいており、上昇トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で12,515,938千円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で1,181,954千円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で1,115,850千円。
- ROE（実績）: 8.49%
- ROA（過去12か月）: 3.81%
- 自己資本比率（実績）: 69.6%
分析:
- 売上高は安定的に推移しています。
- 利益率は、同業他社と比較して評価する必要があります。
- 自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.30%
- 1株配当（会社予想）: 74.00円
- 配当性向: 37.19%
- Ex-Dividend Date: 6/27/2025
分析:
- 配当利回りは比較的高く、安定した配当が期待できます。
- 配当性向は適度であり、今後の増配余地も残されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 直近10日間の株価は、上昇傾向にあります。
- 出来高: 800株（2025年5月30日）と、出来高は少ない傾向にあります。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心が高まっている可能性があります。
株価への影響要因:
- 業績動向
- 半導体市場の動向
- 防災関連の法規制の変更
- 配当政策
11. 総評
日本フェンオールは、防災設備、産業用制御機器、医療機器などを手掛ける企業であり、安定した収益基盤を持っています。特に、ガス消火装置などの特殊防災分野や、半導体製造装置向けの熱制御分野に強みを持っています。
ポジティブな点:
- 高い自己資本比率
- 高配当利回り
- 直近の株価は上昇傾向
懸念点:
- 業界内競争
- 半導体市場の変動リスク
- 出来高が少ない
総合的な見解:
日本フェンオールは、安定した事業基盤と高い配当利回りが魅力的な銘柄です。直近の株価上昇と、信用買残の増加は、投資家の関心の高まりを示唆しています。ただし、半導体市場の動向や、業界競争の激化など、注意すべき点もあります。投資判断にあたっては、これらのリスク要因を考慮し、ご自身の投資判断に基づいて決定してください。
企業情報
| 銘柄コード | 6870 |
| 企業名 | 日本フェンオール |
| URL | http://www.fenwal.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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