1. 企業情報

高島は、建材、産業資材、電子・デバイス、賃貸不動産を手掛ける企業です。創業は1915年と歴史があり、建材分野では、壁材、断熱材、太陽光発電関連製品などを提供しています。また、繊維製品や電子部品の販売、東南アジアでの電子部品工場の運営も行っています。事業は多角化しており、幅広い分野で事業を展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

高島は、建材、産業資材、電子部品など多岐にわたる分野で事業を展開しており、それぞれの分野での市場シェアは詳細な情報からは判断できません。建材分野では、競合他社との競争が激しいと考えられます。産業資材や電子部品分野では、特定のニッチ市場や東南アジアでの事業展開を通じて、競争優位性を築いている可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

高島は、中期経営計画「サステナV(バリュー)」を掲げ、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上の達成を目標としています。

重点分野:

  • 建材: 組織再編による収益拡大、再生可能エネルギー分野への注力。
  • 産業資材: 重点領域への営業活動強化、ソリューション提案の推進。
  • 電子・デバイス: 基板実装に使用する電子部品の開拓、品質管理体制の強化。

4. 事業モデルの持続可能性

高島の事業モデルは、建材、産業資材、電子・デバイスと多角化しており、特定の市場変動によるリスクを分散しています。建材分野では、環境配慮型製品や再生可能エネルギー関連製品への注力は、市場ニーズの変化に対応する戦略と言えます。産業資材や電子部品分野では、東南アジアでの事業展開が、成長の機会を提供しています。

5. 技術革新と主力製品

高島の技術革新に関する具体的な情報は、今回のデータからは詳細に読み取れません。しかし、建材分野での環境配慮型製品や、太陽光発電関連製品の販売は、技術革新への対応を示唆しています。主力製品としては、建材関連製品、産業資材、電子部品などが挙げられます。

6. 株価の評価

  • 株価: 1,365.0円
  • PER(会社予想): 12.26倍 (業界平均: 12.1)
  • PBR(実績): 0.97倍 (業界平均: 1.0)
  • EPS(会社予想): 111.35円
  • BPS(実績): 1,402.13円
  • 配当利回り(会社予想): 6.59%

PERは業界平均と同程度であり、PBRは業界平均を下回っています。EPSとBPSから計算すると、現在の株価は割安と判断できます。高配当利回りも魅力的です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、5月20日に1,389円の高値をつけた後、株価はやや調整局面に入っています。5月30日の終値は1,365円であり、年初来高値1,430円にはまだ距離があります。50日移動平均線は1308.72円、200日移動平均線は1273.88円であり、株価はこれらの移動平均線を上回っています。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024年3月期は94,503百万円(前年比4.9%増)。
  • 営業利益: 2024年3月期は2,129百万円(前年比21.8%増)。
  • 経常利益: 2024年3月期は2,024百万円(前年比1.0%増)。
  • 当期純利益: 2024年3月期は1,566百万円(前年比67.6%減)。前期に賃貸ホテルの売却益があったため、当期純利益は減少。
  • ROE(実績): 6.59%
  • 自己資本比率(実績): 39.8%

売上高と営業利益は増加していますが、当期純利益は減少しています。ROEは6.59%と、まずまずの数値です。自己資本比率は39.8%と、財務基盤は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 6.59%
  • 1株配当(会社予想): 90.00円
  • 配当性向: 24.88%
  • 自社株買い: 2025年5月13日の取締役会で自己株式の消却を決議

高配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。配当性向も比較的低く、今後の増配余地も期待できます。自己株式の消却は、1株あたりの価値を向上させる効果があります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、5月20日に年初来高値をつけた後、調整局面に入っています。信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は1.57倍と、やや買い優勢の状況です。

11. 総評

高島は、建材、産業資材、電子・デバイスなど多角的な事業を展開しており、安定した収益基盤を持っています。2024年3月期は増収増益を達成し、高配当利回りも魅力的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも底堅さを示しています。中期経営計画における目標達成に向けた取り組みにも注目です。ただし、当期純利益が減少している点、営業活動によるキャッシュフローがマイナスである点には注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 8007
企業名 高島
URL http://www.tak.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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