1. 企業情報

株式会社ワンキャリアは、新卒採用に特化したキャリアデータプラットフォーム「ONE CAREER」を運営する企業です。企業は、就職活動に関する情報を提供するサイト「ONE CAREER」や、転職支援サイト「ONE CAREER PLUS」を通じて、採用DX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービスを提供しています。キャリアデータ活用に強みがあり、大企業を中心に利用されています。第2四半期と第4四半期が需要期です。

2. 業界のポジションと市場シェア

ワンキャリアは、新卒採用支援というニッチな分野に特化しており、キャリアデータという独自の強みを持っています。競合他社との差別化を図り、大企業を中心に顧客を獲得しています。

競争優位性:

  • キャリアデータ: 企業が持つ豊富なキャリアデータは、学生と企業のマッチング精度を高める上で重要な要素となっています。
  • ブランド力: 就活生からの認知度が高く、質の高い情報を提供することで信頼を獲得しています。

課題:

  • 競争激化: 新卒採用支援市場は競争が激化しており、他社との差別化を維持する必要があります。
  • 景気変動の影響: 景気後退局面では、企業の採用意欲が減退し、業績に影響を与える可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、キャリアデータプラットフォームを基盤とした事業拡大を目指しています。

経営戦略:

  • データ活用: 蓄積されたキャリアデータを活用し、学生と企業の最適なマッチングを実現する。
  • サービス拡充: 新たなサービスや機能を追加し、顧客ニーズに応える。
  • 顧客基盤拡大: 大企業だけでなく、中小企業への顧客開拓も強化する。

中期経営計画:

  • 詳細な中期経営計画は開示されていませんが、決算短信等から、売上高、利益の大幅な成長を目指していることが伺えます。

4. 事業モデルの持続可能性

ワンキャリアの事業モデルは、以下の要素により持続可能性を有しています。

収益モデル:

  • 広告収入: 企業からの求人広告掲載料が主な収益源です。
  • 有料サービス: 企業向けに、採用コンサルティングやデータ分析などの有料サービスを提供しています。

市場ニーズへの適応力:

  • オンライン化の進展: 採用活動のオンライン化が進む中で、ワンキャリアのプラットフォームは重要な役割を担っています。
  • データドリブンな採用: 企業がデータに基づいた採用活動を行うようになり、ワンキャリアのデータ活用能力へのニーズが高まっています。

5. 技術革新と主力製品

ワンキャリアは、技術革新を通じて、サービスの質を向上させています。

技術開発の動向:

  • AI活用: AIを活用したマッチング機能の開発など、データ分析能力の強化を図っています。
  • プラットフォーム改善: ユーザーインターフェースの改善や、モバイルアプリの開発など、使いやすさの向上に努めています。

主力製品:

  • ONE CAREER: 就職活動に関する情報を提供するプラットフォームです。
  • ONE CAREER PLUS: 転職支援サイトです。

6. 株価の評価

現在の株価(2119円)を評価します。
* PER(会社予想): 28.96倍
* PBR(実績): 9.22倍
* EPS(会社予想): 73.18円
* BPS(実績): 229.79円

PERとPBRの比較:

  • PERは、業界平均(66.2倍)と比較して低く、割安感があります。
  • PBRは、業界平均(3.5倍)と比較して高く、割高感があります。

EPSとBPSに基づく計算:

  • EPSから計算されるPERは、現在の株価に対して割安感を示唆しています。
  • BPSから計算されるPBRは、現在の株価に対して割高感を示唆しています。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年5月19日に2174円の高値をつけた後、下落傾向にあります。5月30日の終値は2119円で、年初来高値(2274円)にはまだ届いていません。
* 50日移動平均線: 1842.58円
* 200日移動平均線: 1622.27円

株価は、50日移動平均線と200日移動平均線を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

過去数年間の財務指標から、ワンキャリアの成長性、収益性、健全性を評価します。

売上高:

  • 2021年:1,951,617千円
  • 2022年:2,839,721千円
  • 2023年:3,970,292千円
  • 2024年:5,401,367千円

売上高は、年々増加しており、高い成長率を維持しています。

利益:

  • 営業利益、経常利益、当期純利益も、売上高の増加に伴い、増加傾向にあります。
  • 2024年の営業利益率は約22.03%と高く、収益性の高いビジネスモデルであることがわかります。

キャッシュフロー:

  • 詳細なキャッシュフローの情報は開示されていません。

ROE(実績): 26.00%
* 高いROEは、自己資本を効率的に活用し、高い収益性を上げていることを示しています。

ROA(過去12か月): 16.21%
* ROAも高く、総資産に対する収益性も高いです。

自己資本比率(実績): 70.5%
* 自己資本比率が高く、財務体質は健全です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 0.66%
  • 1株配当(会社予想): 14.00円
  • 配当性向: 59.77%

ワンキャリアは、配当を実施しています。配当性向はやや高めですが、業績の伸びを考慮すると、妥当な水準と言えます。

自社株買い:

  • 自社株買いに関する情報は開示されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 直近10日間の株価は、上昇と下落を繰り返しており、やや不安定な動きとなっています。
  • 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心が高いことが伺えます。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
  • 株価への影響要因: 業績発表、市場全体の動向、競合他社の動向などが、株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

ワンキャリアは、新卒採用支援というニッチな市場において、高い成長性と収益性を誇る企業です。キャリアデータという強みを活かし、大企業を中心に顧客基盤を拡大しています。

ポジティブな点:

  • 高い成長率と収益性
  • 高いROEとROA
  • 健全な財務体質
  • データという強み

懸念点:

  • 競争激化
  • 景気変動の影響
  • 株価は割高感がある

総合的な見解:

ワンキャリアは、成長性の高い有望な企業であり、長期的な視点で見れば、投資妙味があると考えられます。ただし、株価は割高感があるため、今後の業績動向や市場環境を注視しながら、投資判断を行う必要があります。


企業情報

銘柄コード 4377
企業名 ワンキャリア
URL https://onecareer.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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