1. 企業情報
概要
日本紙パルプ商事は、国内外で紙・板紙・パルプおよび関連商品の製造、輸出入、卸売、販売を行う総合商社です。家庭用紙製品、加工紙、容器材料、再生紙、産業用化学品、電子部材、包装資材、インク、デジタルプリンター、文房具、倉庫・運送、不動産賃貸、再生可能エネルギー発電、ITサービスなど、多岐にわたる事業を展開しています。1845年創業、1916年設立の老舗企業で、東京都中央区に本社を構えています。
主な事業セグメント
- 国内卸売(紙・板紙等の販売)
- 海外卸売(海外での紙・板紙等の販売)
- 製紙加工(製紙や紙・板紙の加工)
- 環境原材料(古紙・パルプ等のリサイクル、再生エネルギー発電)
- 不動産賃貸
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション
- 国内紙流通の最大手。特に洋紙に強みを持ち、国内シェア首位。
- 製紙2強(王子HD、北越コーポレーション等)の取扱高が多い。
- M&Aを通じて海外卸売事業も拡大中。
競争優位性・課題
- 多角的な事業展開とグローバルネットワークが強み。
- 紙需要の国内外での縮小傾向が構造的課題。
- 再生紙・リサイクル・再生エネルギーなど環境分野へのシフトが進行中。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン・戦略
- 中期経営計画2026のもと、「連結配当性向30%以上の累進配当」を掲げ、株主還元を重視。
- 国内外でのシェア拡大、M&Aによる補完的成長、高付加価値製品へのシフトを推進。
- 環境・リサイクル事業の拡充と、サプライチェーンの強化。
重点施策
- 国内:代理店機能・物流網の強化、市場シェア維持・拡大。
- 海外:M&Aや高付加価値品の拡販。
- 製紙加工:工程合理化・コスト削減。
- 環境原材料:仕入先開拓・リサイクル量拡大。
- 不動産賃貸:オフィス需要に応じた運用最適化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 伝統的な紙流通から、再生紙・リサイクル・再生可能エネルギー事業への転換を進めており、環境対応力が高い。
- 国内外の多様な市場に展開し、リスク分散が図られている。
- 収益の一部を不動産賃貸やITサービス等の非紙分野からも得ている。
5. 技術革新と主力製品
- 再生紙、リサイクル、バイオマス発電など環境技術分野に注力。
- デジタルプリンターや電子部材、ITサービスなど非紙分野も拡大。
- 製紙加工では効率化・コスト削減のための技術導入を推進。
6. 株価の評価
- 株価:595.0円
- EPS(会社予想):69.00円
- BPS(実績):1,087.70円
- PER(会社予想):8.62倍(業界平均12.1倍より割安)
- PBR(実績):0.55倍(業界平均1.0倍より割安)
→ 業界平均と比較して、PER・PBRともに低水準。収益力や資産価値に対して株価は控えめな水準。
7. テクニカル分析
- 年初来高値:685円
- 年初来安値:516円
- 直近株価レンジ:590~600円台で推移、50日移動平均(596.90円)付近。
- 200日移動平均:637.11円(現状は下回る)
→ 直近はレンジ内でのもみ合いが続き、安値圏とも高値圏とも言い難いが、長期移動平均を下回っている状況。
8. 財務諸表分析
売上・利益推移(過去4年)
年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 純利益(百万円) |
---|---|---|---|
2021/3 | 462,922 | 8,896 | 3,649 |
2022/3 | 444,757 | 14,064 | 11,499 |
2023/3 | 545,279 | 20,264 | 25,392 |
2024/3 | 534,230 | 17,403 | 10,357 |
2025/3(予) | 554,524 | 15,071 | 7,569 |
- 2023年3月期に大幅増益、その後は減損損失等で減益傾向。
- 営業利益率は2.7%前後で推移。
- 自己資本比率34.2%、財務健全性は一定水準。
キャッシュフロー
- 営業CFは安定してプラス。
- 投資CF・財務CFはマイナス(設備投資・借入返済等)。
ROE/ROA
- ROE:約5.8%(2024年)、ROA:約2.5%と効率性は高くないが、安定推移。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(予想):4.71%(高水準)
- 1株配当(予想):28.00円
- 配当性向:40.78%
- 累進配当方針:連結配当性向30%以上を目安に増配を目指す方針
- 自社株買い:自己株式保有比率16.48%と高め
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間は590~600円台で小動き、出来高も安定。
- 信用買残はやや減少傾向、信用倍率は高水準(47.59倍)。
- 株価は年初来高値から下落し、安値圏でのもみ合い。
- 配当利回りの高さやPBRの低さから、バリュー投資家の関心が見られる。
11. 総評
日本紙パルプ商事は、国内外の紙流通でトップシェアを持ち、M&Aや環境分野への展開で事業基盤を多角化しています。近年は紙需要の減少やコスト増、減損損失の影響で利益は減少傾向ですが、安定したキャッシュフローと財務基盤を維持しています。株価はPER・PBRともに業界平均を下回り、配当利回りも高水準です。今後は環境・再生エネルギー分野での成長や、累進配当方針による株主還元強化が注目されます。
企業情報
銘柄コード | 8032 |
企業名 | 日本紙パルプ商事 |
URL | http://www.kamipa.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (2.0.0)」によって自動生成されました。
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