1. 企業情報
- 概要: 日神グループホールディングスは、首都圏（特に東京・神奈川）を中心に分譲マンションの企画・開発・建設・販売・管理を行う総合不動産会社です。加えて、不動産賃貸、仲介、リノベーション、中古マンションの買い取り再販、不動産証券化、住宅ローン保証、戸建て住宅の企画販売など幅広い事業を展開しています。
- 設立: 1975年3月5日
- 本社所在地: 東京都新宿区新宿5-8-1
- 従業員数: 693人（平均年齢43.8歳、平均年収545万円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 首都圏を中心とした分譲マンション事業で一定のシェアを持ち、建設・不動産管理・再販事業も強化しています。大手デベロッパー（住友不動産、三井不動産など）と比較すると規模は劣りますが、地域密着型で独自のポジションを確立しています。
- 競争優位性・課題: 地域特化による情報力や販売力が強み。一方で、人口減少や住宅需要の変化、建設コスト上昇、金利動向など外部環境の影響を受けやすい点が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「住まいを通じて豊かな社会の実現」を掲げ、分譲マンションを中心に関連事業の拡大を図っています。
- 中期経営計画の施策:
- 首都圏中心の分譲マンション供給強化
- 中古マンションの買い取り再販事業拡大
- 不動産管理・賃貸事業の収益基盤強化
- 不動産証券化や資産運用受託の拡充
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 分譲マンションの販売が主力ですが、安定収益を見込める不動産管理・賃貸・再販事業も展開。住宅市場の変動リスクを分散しています。
- 市場ニーズへの適応力: 中古再販やリノベーションなど、多様化する住宅ニーズに対応する事業展開を進めています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 建築技術やリノベーション技術の向上、デジタル活用による管理効率化などに取り組んでいます。
- 収益牽引製品・サービス: 分譲マンション（新築・中古）、リノベーション物件、不動産管理サービスが主力です。
6. 株価の評価
- PER（予想）: 10.09倍（業界平均13.6倍より割安）
- PBR（実績）: 0.34倍（業界平均1.6倍より大幅に低い）
- EPS（予想）: 49.25円
- BPS（実績）: 1,461.63円
- 株価（5/31終値）: 497円
- 株価水準: BPSに対する株価は約34%水準、PERも業界平均より低く、バリュエーションは抑制的です。
7. テクニカル分析
- 直近10日間の株価推移: 490～498円の狭いレンジで推移し、出来高も安定。大きな値動きは見られません。
- 移動平均線:
- 50日移動平均：501.8円
- 200日移動平均：512.7円
現在株価は両移動平均線を下回っており、年初来高値（559円）からはやや下落傾向、安値（440円）からは反発していますが、全体としては安値圏に位置しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期 81,023百万円（過去数年横ばい傾向）
- 営業利益: 3,528百万円（前年4,194百万円から減少）
- 純利益: 2,105百万円（前年2,763百万円から減少）
- EPS: 45.03円（前年59.12円から減少）
- ROE:
- 04%（前年4%台から低下）
- 自己資本比率: 51.0%（財務健全性は高い）
- キャッシュフロー: 営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフローともにマイナス（-54.2億円、-129.2億円）。在庫増加や投資活動による資金流出が影響。
- 債務: 総資産133,300百万円、負債63,924百万円、純資産69,376百万円。Debt/Equity 64.06%と適正水準。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 4.63%（業界平均を上回る水準）
- 1株配当（予想）: 23円
- 配当性向: 49.98%（利益の約半分を配当に充当）
- 自社株買い: 直近で大規模な自社株買いは確認されていません。
- その他還元策: 安定配当を基本方針としています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近1年で-5.51%と下落傾向。出来高は安定、信用買い残が増加傾向（信用倍率118倍）で個人投資家の関心は比較的高いですが、需給面で注意が必要です。
- 影響要因: 業績の減速、住宅市況・金利動向、配当利回りの高さなどが株価に影響しています。
11. 総評
日神グループホールディングスは、首都圏に特化した分譲マンション事業を中心に、管理・再販・賃貸など関連事業を展開する不動産会社です。財務基盤は堅実で自己資本比率も高い一方、直近の業績は減益傾向にあり、営業・純利益ともに前年を下回っています。株価はPBR・PERともに業界平均を大きく下回り、バリュエーション面では割安感が見られます。配当利回りも高水準ですが、キャッシュフローのマイナスや業績の減速、信用買い残の増加など、注意すべき点も存在します。今後は、住宅市況や金利動向、事業多角化の進展が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8881 |
| 企業名 | 日神グループホールディングス |
| URL | https://www.nisshin-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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