1. 企業情報
フジッコは、煮豆、昆布、惣菜、ヨーグルトなどを製造・販売する食品メーカーです。特に、煮豆と昆布製品で高い市場シェアを誇り、カスピ海ヨーグルトも展開しています。年末のおせち料理の販売も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
フジッコは、煮豆と昆布の惣菜食品で首位を維持しています。カスピ海ヨーグルトの展開も、同社の強みの一つです。
競争優位性:
- 煮豆、昆布製品における高いブランド力と市場シェア
- 菌管理技術を活かしたカスピ海ヨーグルトの展開
- 年末おせち商戦への参入
課題:
- 原材料価格の高騰
- 国内の人口減少による市場縮小
3. 経営戦略と重点分野
2025-2027中期経営計画がスタートしています。
主な戦略:
- 煮豆製品の再浮上と昆布製品の強化
- ヨーグルト製品の新規顧客獲得
- 価格改定による原材料高騰への対応
4. 事業モデルの持続可能性
フジッコの事業は、食料品という生活必需品を扱っているため、安定した需要が見込めます。しかし、原材料価格の変動や、消費者の健康志向の変化への対応が重要となります。
収益モデル:
- 惣菜製品、昆布製品、豆製品、ヨーグルト製品、デザート製品などの販売
市場ニーズへの適応力:
- 健康志向に対応した商品の開発（例：カスピ海ヨーグルト）
- 価格改定によるコスト上昇への対応
5. 技術革新と主力製品
フジッコは、菌管理技術を活かしたカスピ海ヨーグルトを主力製品としています。
主力製品:
- 煮豆
- 昆布製品
- カスピ海ヨーグルト
6. 株価の評価
- 株価: 1,611.0円（2025年5月30日終値）
- EPS（会社予想）: 47.42円
- PER（会社予想）: 33.97倍
- BPS（実績）: 2,409.55円
- PBR（実績）: 0.67倍
比較:
- PERは業界平均（19.5倍）よりも高く、割高感があります。
- PBRは業界平均（1.3倍）よりも低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1,581円から1,614円の間を変動しており、50日移動平均線（1,610.54円）と200日移動平均線（1,663.33円）を下回っています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月（実績） | 3/31/2024 | 3/31/2023 | 3/31/2022 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 57,077百万円 | 55,715百万円 | 53,915百万円 | 55,074百万円 |
| 営業利益 | 1,131百万円 | 1,531百万円 | 1,250百万円 | 3,153百万円 |
| 当期純利益 | 951百万円 | 1,110百万円 | 1,406百万円 | 2,115百万円 |
| ROE | 1.38% | – | – | – |
| ROA | 0.87% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 86.4% | – | – | – |
分析:
- 売上高は増加傾向にありますが、営業利益、経常利益、当期純利益は減少しています。
- ROE、ROAは低く、収益性の改善が課題です。
- 自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.86%
- 1株配当（会社予想）: 46.00円
- 配当性向: 137.56%
- 自社株買い: なし
分析:
- 配当利回りは平均的です。
- 配当性向は高く、利益水準によっては減配のリスクがあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 5月19日から5月30日までの株価は、1,591円から1,611円の間を変動しており、方向感は弱いです。
- 信用取引: 買い残が増加、売り残も増加しており、需給はやや悪化しています。
- 52週高値: 1,873.00円
- 52週安値: 1,480.00円
株価への影響要因:
- 業績動向（売上高、利益の増減）
- 原材料価格の変動
- 配当政策
- 市場全体の動向
11. 総評
フジッコは、煮豆や昆布製品で高い市場シェアを持つ食品メーカーです。安定した需要が見込める一方、原材料価格の高騰や、競争激化による利益率の低下が課題となっています。財務体質は良好ですが、収益性の改善が求められます。株価は、PERが業界平均よりも高く、割高感があります。今後の業績動向、特に利益率の回復に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2908 |
| 企業名 | フジッコ |
| URL | http://www.fujicco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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