1. 企業情報

田中化学研究所は、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池の正極材料を製造・販売する企業です。住友化学の子会社であり、車載電池向けの正極材料に注力しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内でのポジション: 二次電池材料分野における主要プレーヤーの一つです。特に、住友化学グループの一員であることから、安定した事業基盤を有しています。
  • 競争優位性: 車載電池向けに注力しており、今後の市場成長への期待が高いです。
  • 課題: 競合他社との価格競争、原材料価格の変動、主要顧客の動向に業績が左右される可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 詳細な情報は開示されていませんが、車載電池市場の成長を取り込み、二次電池材料事業の拡大を目指していると考えられます。
  • 中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な情報は、今回のデータからは確認できませんでした。
  • 重点分野: 車載用リチウムイオン電池向け正極材料への注力、顧客ニーズへの対応、技術革新による競争力強化が重要と考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: リチウムイオン電池およびニッケル水素電池の正極材料の販売が主な収益源です。
  • 市場ニーズの変化への適応力: 電気自動車(EV)市場の拡大に伴い、需要は増加傾向にあります。しかし、競争激化や技術革新の速さ、原材料価格の変動など、多くの外部要因に影響を受けやすい事業構造です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 正極材料の高性能化、低コスト化、安全性向上に向けた技術開発が重要です。
  • 主力製品: リチウムイオン電池向け正極材料が収益を牽引しています。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): -21.52円(赤字)
  • PBR(実績): 0.80倍
  • PER(会社予想): 情報なし
  • 株価: 416.0円
    • EPSが赤字のため、PERでの評価はできません。PBRは0.80倍と、業界平均の0.7倍に近い水準です。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間の株価は、400円~428円の範囲で変動しており、5月19日には100万株を超える出来高を記録しています。
  • 52週高値/安値: 52週高値は1041円、安値は352円です。
  • 移動平均線: 50日移動平均線は426.28円、200日移動平均線は575.18円であり、現在の株価は両移動平均線を下回っています。
  • 全体的な見解: 株価は低迷しており、下落トレンドにある可能性があります。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024年3月期は47,987百万円でしたが、2025年3月期は36,497百万円と23.9%減少しました。
  • 利益: 2025年3月期は営業損失338百万円、当期純損失257百万円と赤字に転落しました。
  • ROE: 2024年3月期は2.79%でしたが、2025年3月期は赤字のため算出できません。
  • 自己資本比率: 2024年3月期は45.2%でしたが、2025年3月期は51.0%と上昇しました。
  • キャッシュフロー: 2025年3月期の営業CFは274百万円の収入、投資CFは416百万円の支出、財務CFは2,275百万円の支出でした。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 0.00%
  • 1株配当(会社予想): 0.00円
  • 配当性向: 0%
  • 自社株買い: 実施されていません。
  • 株主還元策: 現状では、配当による株主還元は行われていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動傾向: 直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
  • 株価への影響要因:
    • 主要顧客の増産時期の後ろ倒し
    • 在庫調整の長期化
    • 原材料価格の高騰
    • Northvoltの破産手続き開始による棚卸資産の評価損失計上
    • 2025年3月期の業績悪化
    • 2026年3月期の業績予想も赤字
  • 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。

11. 総評

田中化学研究所は、二次電池材料分野の企業であり、車載電池向けに注力しています。しかし、2025年3月期は業績が悪化し、赤字に転落しました。株価も低迷しており、下落トレンドにある可能性があります。配当も実施されていません。
* 業績の回復: 2026年3月期の業績予想は赤字であり、今後の収益改善が重要です。
* 市場動向: 電気自動車(EV)市場の成長を取り込めるか、競合との競争に打ち勝てるか。
* 財務状況: 財務体質の強化、キャッシュフローの改善。
* 技術革新: 新規材料の開発や、既存製品の性能向上。

現時点では、業績の回復が見込めないため、積極的な投資は慎重に検討する必要があります。


企業情報

銘柄コード 4080
企業名 田中化学研究所
URL http://www.tanaka-chem.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

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