1. 企業情報
事業内容
横浜冷凍株式会社（Yokorei Co.,Ltd.）は、冷蔵倉庫事業と食品販売事業を主軸とする企業です。国内外で水産品（ホタテ、ブリ、サケ、タコ、魚卵、カニ、イカ、サバ、サンマ、エビ、イワシ等）、畜産品（豚肉、鶏肉、牛肉）、農産品（ジャガイモ、タマネギ、カボチャ等）の輸出入・加工・販売を行っています。主な顧客は卸売業者、食品メーカー、小売業者、外食チェーン等。冷蔵倉庫の保有・運営を通じた物流アウトソーシングやICTサービス、不動産賃貸、運送、飲食事業も展開しています。
設立：1948年、本社：横浜市西区みなとみらい、従業員数：1,738名。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：冷蔵倉庫事業でニチレイに次ぐ業界2位。食品販売は水産品が主力。
- 競争優位性：全国的な拠点網の拡大、長年の物流ノウハウ、幅広い商品ラインナップが強み。
- 課題：冷蔵倉庫業界は設備投資負担が大きく、エネルギーコストや人手不足への対応が課題。食品流通は価格競争が激化傾向。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：食のインフラ企業として、安全・安心な食品流通の確立と効率的な物流サービスの提供を目指す。
- 中期経営計画の重点分野
- 冷蔵倉庫の新設・拡張による収容能力増強
- ICTを活用した物流効率化
- 食品販売の海外展開強化
- 環境対応型設備投資（省エネ・CO2削減）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：ストック型の冷蔵倉庫収益＋フロー型の食品販売収益。冷蔵倉庫は安定収益源。
- 市場ニーズへの適応力：冷凍・冷蔵物流の需要は堅調。食品流通の多様化や海外展開にも対応。
- リスク要因：エネルギーコスト上昇、為替変動、食品安全問題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：ICT（情報通信技術）を活用した物流管理システム導入、省エネ型冷蔵設備の導入。
- 主力製品・サービス：水産品の販売が最大の収益源。冷蔵倉庫の保有・運営が利益の柱。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）：18.42倍（業界平均12.1倍より高い）
- PBR（実績）：0.64倍（業界平均1.0倍より低い）
- EPS（会社予想）：47.50円
- BPS（実績）：1,361.06円
- 株価：875円
- PBRから見ると割安感あり。PERは業界平均より高いが、安定収益モデルの評価が反映か。
7. テクニカル分析
- 株価推移：年初来高値907円、安値737円。直近は875円と高値圏に近い。
- 移動平均：50日移動平均852.92円、200日移動平均881.91円。現状は50日線より上、200日線付近。
- モメンタム：直近10日間で上昇傾向が見られる。
8. 財務諸表分析
- 売上高：122,282百万円（2024年9月期）、過去3年で増収傾向。
- 営業利益：4,648百万円（2024年9月期）、前年より増加。
- 純利益：3,933百万円（2024年9月期）、前年は特殊要因で赤字だが回復。
- ROE：4.79%（実績）、ROA：1.65%
- 自己資本比率：38.5%、財務健全性は一定水準。
- キャッシュフロー：営業CFはプラスだが、フリーCFは大規模投資でマイナス。
- 有利子負債比率：Debt/Equity 136.02%、やや高め。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：2.74%（会社予想）、5年平均2.47%よりやや高い。
- 配当性向：31.41%（無理のない水準）。
- 自社株買い：自己株式保有は0.18%と限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動：5月下旬から上昇基調。出来高も安定。
- 信用取引動向：信用買残が増加傾向、信用倍率10.74倍とやや買い長。
- 投資家関心：安定配当・低ベータでディフェンシブ銘柄志向の投資家が中心。
11. 総評
横浜冷凍は冷蔵倉庫業界で大手の地位を確立し、安定したストック型収益と食品販売のフロー型収益を組み合わせた事業モデルを持っています。直近は設備投資によりフリーキャッシュフローがマイナスですが、営業キャッシュフローは安定。財務健全性も一定水準を維持しています。株価はPBRで割安感がある一方、PERは業界平均より高め。配当利回りも安定しており、ディフェンシブ銘柄としての特性が強いです。今後は冷蔵倉庫の拡張やICT活用、海外展開の進展が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 2874 |
| 企業名 | 横浜冷凍 |
| URL | http://www.yokorei.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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