1. 企業情報

  • 概要: 加賀電子は独立系の総合エレクトロニクス商社で、電子部品(半導体、LED、液晶パネル等)の販売や、EMS(電子機器の受託製造)、情報機器、ソフトウェア、アミューズメント機器、PCリサイクル等、多岐にわたる事業を展開しています。国内外(日本、北米、欧州、アジア)で事業を展開し、旧富士通エレクトロニクスの買収などでグループを拡大しています。
  • 主な事業内容:
    • 電子部品事業(売上比率87%)
    • 情報機器事業(8%)
    • ソフトウェア事業(1%)
    • その他事業(4%)
    • 海外売上比率41%(2024年3月期)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: 独立系商社として、メーカー系商社とは異なる柔軟な仕入・販売ネットワークを持ち、EMS(受託製造)分野で車載向けなどの成長が見られます。旧富士通エレクトロニクスの買収により規模拡大を実現。
  • 競争優位性・課題: 多様な製品ラインナップとグローバル展開が強み。一方で、半導体市況や為替、地政学リスク、在庫調整の長期化など外部環境の影響を受けやすい点が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 2029年3月期に「売上高1兆円企業」を目指す中期経営計画を推進。主力の電子部品事業を軸に、EMSやソフトウェア、リサイクルなど成長分野を強化。
  • 重点施策:
    • EMS事業の拡大(特に車載向け)
    • ソフトウェア・CG映像制作等の高付加価値分野強化
    • 海外展開の推進
    • M&Aによる事業領域拡大

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 主力の電子部品販売に加え、EMSやリサイクル、ソフトウェア等の多角化により収益基盤を分散。市場ニーズの変化に対応するため、車載・産業用途向けやリサイクル分野へのシフトを進めています。
  • 適応力: 市況変動や顧客ニーズの変化に対して、M&Aや新規事業開発で柔軟に対応しています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性: EMS分野での高品質な製造技術、CG映像制作やVRシステムなどソフトウェア分野での技術力が特徴。
  • 主力製品・サービス:
    • 半導体・電子部品の販売
    • EMS(車載・産業機器向け受託製造)
    • CG映像制作、VRシステム
    • PCリサイクル、アミューズメント機器

6. 株価の評価

  • PER(予想): 8.49倍(業界平均12.1倍より低い)
  • PBR(実績): 0.84倍(業界平均1.0倍より低い)
  • EPS(予想): 313.95円
  • BPS(実績): 3,162.68円
  • 株価: 2,670円
  • 評価: 業界平均と比較してPER・PBRともに低水準。BPSに対して株価は割安水準に位置しています。

7. テクニカル分析

  • 株価推移:
    • 年初来高値: 2,900円
    • 年初来安値: 2,183円
    • 直近株価: 2,670円
    • 50日移動平均: 2,577.3円
    • 200日移動平均: 2,712.64円
    • 直近10日間は2,600円台での推移が続いています。
  • 現在の位置: 200日移動平均付近で推移しており、高値圏と安値圏の中間やや上寄り。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益推移:
    • 売上高(2025/3期): 547,779百万円(前年比+0.9%)
    • 営業利益: 23,601百万円(前年比-8.7%)
    • 純利益: 17,083百万円(前年比-16.0%)
    • 営業利益率: 4.3%
  • キャッシュフロー:
    • 営業CF: 25,047百万円
    • 投資CF: △9,967百万円
    • 財務CF: △7,343百万円
  • ROE: 10.78%
  • ROA: 4.98%
  • 自己資本比率: 54.4%
  • 傾向: 売上は堅調だが、利益はやや減少傾向。財務安全性は高い水準。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 4.13%
  • 配当性向: 33.84%
  • 配当実績: 年間110円(中間55円、期末55円)
  • 自社株買い: 自己株式保有比率8.44%と高水準。株主還元策として自社株買いも実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向: 直近10日間で2,600円台前半から後半で推移し、やや上昇傾向。過去1年では高値からやや調整局面。
  • 出来高・信用動向: 信用買残が多く、信用倍率が高い(140倍)。出来高は平均的。
  • 影響要因: 決算内容、為替動向、半導体市況、米国関税政策、地政学リスクなどが株価に影響。

11. 総評

加賀電子は、独立系エレクトロニクス商社として多角的な事業展開とグローバル展開を強みとしています。主力の電子部品事業に加え、EMSやソフトウェア、リサイクルなど成長分野を拡大し、財務基盤も安定しています。直近は利益面でやや減益傾向ですが、配当利回りは高く、株主還元にも積極的です。株価は業界平均と比較して割安水準にあり、安定した財務と中長期成長戦略が注目されます。今後は、世界経済や半導体市況、為替動向等の外部要因に引き続き注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 8154
企業名 加賀電子
URL http://www.taxan.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By シャーロット

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