1. 企業情報
平和不動産（8803）は、東京証券取引所をはじめとする全国の証券取引所の賃貸を主な収益源とする不動産会社です。その他、オフィスビル、商業施設、住宅等の開発・賃貸・管理・売却、不動産仲介、REIT（不動産投資信託）の運用も行っています。東京・兜町や札幌などでの再開発事業も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
平和不動産は、証券取引所の賃貸という独自の強みを持っています。これは、安定した収益基盤となり、競合他社との差別化要因となっています。不動産業界全体としては、競争が激しく、景気変動の影響を受けやすいという課題があります。しかし、平和不動産は、証券取引所という特殊な物件に特化することで、一定の優位性を保っています。
3. 経営戦略と重点分野
平和不動産は、中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」を策定し、事業の成長を目指しています。具体的な施策としては、既存事業の強化に加え、REIT事業の拡大、再開発事業の推進などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
平和不動産の収益モデルは、証券取引所の賃貸収入を基盤とし、オフィスビルや商業施設の賃貸収入、不動産売買益などを加えた複合的なものです。証券取引所の賃貸は安定した収入源ですが、景気変動や市場の変化によっては、他の事業への影響も考慮する必要があります。REIT事業の拡大や再開発事業への注力は、新たな収益源の確保につながる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
平和不動産は、技術革新に関する具体的な情報開示は少ないですが、不動産開発や管理において、最新技術の導入や活用が重要になります。主力製品としては、証券取引所、オフィスビル、商業施設、住宅などの不動産賃貸・売買が挙げられます。
6. 株価の評価
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 4,450.0円 |
| PER（会社予想） | 15.35倍 |
| PBR（実績） | 1.26倍 |
| EPS（会社予想） | 290.52円 |
| BPS（実績） | 3,534.16円 |
PERは業界平均（13.6倍）をやや上回っています。PBRは業界平均（1.6倍）を下回っています。EPS、BPSを考慮すると、現在の株価は割安とは言い切れませんが、割高感もありません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、4,400円台で推移しており、5月29日には4,525円の高値を付けています。200日移動平均線は4,407.08円、50日移動平均線は4,629.80円です。年初来高値は4,935円、年初来安値は4,200円です。株価は、50日移動平均線を下回っており、高値圏にあるとは言えません。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2025/3 (実績) | 2024/3 (実績) | 2023/3 (実績) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 42,075百万円 | 44,433百万円 | 44,522百万円 |
| 営業利益 | 13,196百万円 | 13,022百万円 | 10,787百万円 |
| 経常利益 | 11,651百万円 | 11,463百万円 | 13,260百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,565百万円 | 8,450百万円 | 9,137百万円 |
| 売上高営業利益率 | 31.4% | 29.3% | – |
| ROE | 7.85% | – | – |
| 自己資本比率 | 28.1% | 30.9% | – |
2025年3月期の売上高は前期比で減少しましたが、営業利益、当期純利益は増加しています。売上高営業利益率は改善し、収益性の向上が見られます。自己資本比率は低下していますが、28.1%は依然として健全な水準です。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 3.95% |
| 1株配当（会社予想） | 176.00円 |
| 配当性向 | 50.16% |
平和不動産は、高い配当利回りを維持しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。2025年3月期、2026年3月期(予想)ともに特別配当を実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、4,400円台で推移しており、5月29日には4,525円の高値を付けています。信用買残は増加、信用売残も増加しており、信用倍率は10.71倍と高水準です。
11. 総評
平和不動産は、証券取引所の賃貸という強固な基盤を持ち、安定した収益を上げています。高い配当利回りも魅力です。2025年3月期は増益を達成し、収益性も向上しています。中期経営計画に基づき、REIT事業の拡大や再開発事業を推進することで、更なる成長を目指しています。
一方、不動産業界を取り巻く環境は変化が激しく、今後の業績には注意が必要です。株価は、PERが業界平均をやや上回っているものの、PBRは業界平均を下回っています。テクニカル的には、50日移動平均線を下回っており、高値圏にあるとは言えません。
総合的に見て、平和不動産は、安定した収益基盤と高い株主還元が魅力的な銘柄です。今後の業績推移と、中期経営計画の進捗状況を注視していくことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8803 |
| 企業名 | 平和不動産 |
| URL | http://www.heiwa-net.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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