1. 企業情報

北の達人コーポレーションは、健康食品や化粧品などのヘルス&ビューティーケア関連商品を企画・開発し、主に自社ECサイトを通じて販売しています。「カイテキオリゴ」や目元クリームなどが主力商品で、J North Farmブランドを展開しています。設立は2002年、札幌市に本社を置き、従業員数は228名です。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は健康食品・化粧品のネット通販市場において、独自ブランドとECチャネルを活用したビジネスモデルを展開しています。競合には大手化粧品メーカーや他のEC専業企業が存在しますが、独自性のある製品開発と高いリピート率が強みです。一方で、市場の競争激化や広告費増加、消費者ニーズの多様化が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は「世界一成果を出す商品をつくる」というビジョンを掲げ、商品力と顧客満足度の向上を重視しています。中期経営計画では、主力商品の強化、新規商品の開発、デジタルマーケティングの最適化、海外展開の検討などが重点施策として挙げられています。

4. 事業モデルの持続可能性

自社ECを軸としたD2C(Direct to Consumer)モデルにより、高い利益率と顧客データの蓄積が可能です。市場ニーズの変化に迅速に対応できる体制ですが、広告依存度が高く、広告効果の低下や規制強化には注意が必要です。高い自己資本比率(85.9%)や安定したキャッシュフローも持続性を支える要素です。

5. 技術革新と主力製品

独自の成分配合や機能性を訴求した「カイテキオリゴ」やヒアルロン酸配合の目元クリームが収益を牽引しています。商品開発力と、ユーザーの声を反映した改善サイクルが特徴です。今後も新規性・独自性の高い商品開発が競争優位維持の鍵となります。

6. 株価の評価

  • 株価:143円
  • EPS(会社予想):4.47円
  • PER(会社予想):31.99倍(業界平均20.4倍より高い)
  • BPS(実績):56.50円
  • PBR(実績):2.53倍(業界平均1.1倍より高い)

現状、業界平均と比較してPER・PBRともに高い水準です。成長期待やブランド力が株価に織り込まれている可能性が考えられます。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:185円
  • 年初来安値:132円
  • 直近株価:143円
  • 50日移動平均:146.28円
  • 200日移動平均:156.14円

株価は年初来安値圏に近く、移動平均線を下回る水準が続いています。直近10日間は140~145円のレンジで推移しており、やや下値圏でのもみ合いが見られます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:2024年2月期 14,665百万円 → 直近12か月 13,315百万円(前年比減少)
  • 営業利益:2024年2月期 1,449百万円 → 直近12か月 1,908百万円(増加)
  • 純利益:2024年2月期 995百万円 → 直近12か月 1,301百万円(増加)
  • ROE(実績):16.22%(過去12か月は25.93%と高水準)
  • 自己資本比率:85.9%
  • 営業キャッシュフロー:1,540百万円(安定)

売上は減少傾向ですが、利益率・純利益は改善しています。財務基盤は堅固で、自己資本比率やキャッシュフローも良好です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想):3.08%(前期実績0.91%)
  • 配当性向:40.42%
  • 自社株買い:自己株式保有あり(1.3%)

配当利回りは過去平均より高く、配当性向も安定しています。株主還元の姿勢が強まっています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近1年の株価変動:-19.21%
  • 出来高:10日平均39.5万株、3か月平均64.3万株
  • 信用倍率:1.23倍(やや買い残多め)

株価は下落傾向が続いており、モメンタムは弱い状況です。信用取引では買い残がやや多いものの、売り残も一定水準にあります。

11. 総評

北の達人コーポレーションは、独自性の高い健康食品・化粧品を自社ECで展開し、高い利益率と財務健全性を維持しています。足元では売上減少が見られる一方、利益率や純利益は改善傾向です。株価は年初来安値圏にあり、業界平均と比べて割高なバリュエーションが続いています。今後の成長戦略や新商品の展開、広告費効率の改善が注目されます。株主還元策も強化されており、財務基盤の堅固さが特徴です。
※本レポートは公開情報に基づき、事実の整理・分析を行ったものです。投資判断は行っておりません。


企業情報

銘柄コード 2930
企業名 北の達人コーポレーション
URL http://www.kitanotatsujin.com
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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By シャーロット

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