1. 企業情報
日精樹脂工業は、射出成形機の大手メーカーです。射出成形機、金型、周辺機器、部品などを製造・販売しており、特に専用機の分野で強みを持っています。海外展開も積極的に行っており、グローバルな市場での競争力を高めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日精樹脂工業は射出成形機業界で高いシェアを誇っています。競争優位性としては、専用機の開発力、高い技術力、そしてグローバルな販売ネットワークが挙げられます。課題としては、景気変動の影響を受けやすいこと、原材料価格の高騰、競合他社との価格競争などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、グローバル市場でのシェア拡大、技術革新による競争力強化、そして収益性の向上を目指していると考えられます。中期経営計画においては、海外市場の開拓、新製品の開発、生産効率の向上などが重点分野として挙げられる可能性があります。
4. 事業モデルの持続可能性
日精樹脂工業の収益モデルは、射出成形機の販売と、それに付随する部品やサービスの提供によって成り立っています。市場ニーズの変化への適応力としては、多様な顧客ニーズに対応できる製品ラインナップ、技術革新への取り組み、そしてグローバルな販売体制などが重要になります。
5. 技術革新と主力製品
日精樹脂工業は、ハイブリッド・電動射出成形機、2色成形機など、省エネ性や生産効率に優れた製品を開発しています。主力製品は、幅広い用途に対応できる射出成形機であり、自動車、家電、医療など様々な分野で利用されています。
6. 株価の評価
- 株価: 829.0円
- PER（会社予想）: 26.49倍
- EPS（会社予想）: 31.30円
- PBR（実績）: 0.40倍
- BPS（実績）: 2,077.37円
PERは26.49倍であり、同業他社の平均PER16.6と比較すると、やや割高な水準です。PBRは0.40倍と低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は800円台で推移しており、50日移動平均線（816.88円）を下回っています。年初来高値は1,010円、年初来安値は704円であり、現在は年初来高値から大きく下落した水準にあります。200日移動平均線（907.57円）も下回っており、下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で47,068百万円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で1,724百万円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で376百万円。
- ROE（実績）: 0.95%
- ROA（過去12か月）: 0.66%
売上高は安定していますが、利益率は低く、特に当期純利益は減少傾向にあります。ROE、ROAも低い水準です。
過去の業績との比較:
| 項目 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 52,205 | 48,731 | 41,604 | |
| 営業利益(百万円) | 2,682 | 2,578 | 1,146 | |
| 当期純利益(百万円) | 1,835 | 2,680 | 598 |
過去数年間の業績を比較すると、2024年3月期は売上高が減少、利益も減少しており、厳しい状況が伺えます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.22%
- 1株配当（会社予想）: 35.00円
- 配当性向: 518.52%
配当利回りは4.22%と、ある程度高い水準です。配当性向は518.52%と非常に高く、業績悪化の中で、株主還元を維持していることがわかります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用取引の状況を見ると、買残は増加、売残も増加しており、投資家の関心は高いものの、方向感は定まっていない状況です。
11. 総評
日精樹脂工業は、射出成形機業界で高いシェアを持つ優良企業ですが、足元の業績は低迷しています。株価はPERで見ると割高感がありますが、PBRは割安な水準です。テクニカル分析では、下落トレンドが継続している可能性があります。財務状況は、売上高は安定しているものの、利益率の低下が課題です。配当利回りは高いですが、配当性向も高いため、今後の業績回復が重要になります。投資判断にあたっては、今後の業績動向、特に利益率の改善、そしてグローバル市場での成長戦略に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6293 |
| 企業名 | 日精樹脂工業 |
| URL | http://www.nisseijushi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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