1. 企業情報

  • 企業名: 飛島ホールディングス株式会社
  • 設立: 2024年10月1日(単独株式移転による設立)
  • 所在地: 東京都港区港南1-8-15
  • 代表者: 高橋光彦
  • 従業員数: 1,487人(平均年齢44.8歳、平均年収841万円)
  • 事業内容:
    • 土木・建築工事の調査、設計、施工、監理、運営管理
    • 公共インフラ(道路、港湾、上下水道、公共施設等)の計画・管理
    • 環境事業(廃棄物処理、土壌改良、水質浄化等)
    • 不動産の売買・賃貸、建物管理
    • 保険代理業、情報処理、農林水産物の生産・販売等
  • 売上構成(2024.3):
    • 土木 52%(営業利益率8%)
    • 建築 40%(営業利益率5%)
    • 開発等 8%(営業利益率6%)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界区分: 建設業(中堅ゼネコン)
  • 特徴: 老舗の土木主体企業で、トンネル・防災関連工事に強み。制震補強や環境事業にも定評。
  • 競争優位性:
    • 防災・インフラ分野での実績
    • 環境・再生分野への積極的な展開
  • 課題:
    • 建設技能労働者の不足
    • 原材料費・人件費の上昇

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 「未来を革新するStory」
  • 中期経営計画:
    • 収益基盤の拡充
    • 資本コスト・株価を意識した経営
    • 経営ガバナンスの強化
    • 新規事業・事業投資による成長戦略(「Innovate the future plan」)
  • 重点分野:
    • 防災・インフラ再生
    • 環境・再生エネルギー
    • 新規事業開発

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 公共工事・民間工事の受注、完成工事高に基づく売上
    • 不動産・環境関連のストック型収益も一部あり
  • 市場ニーズへの適応力:
    • 防災、インフラ老朽化対策、環境対応など社会的要請に沿った分野で強み
    • 労働力不足やコスト増への対応が今後の課題

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向:
    • 制震補強技術、防災・減災工事での独自ノウハウ
    • 環境浄化技術(河川・湖沼の底質浄化等)
  • 主力事業:
    • トンネル・橋梁など大型土木工事
    • 防災関連工事(地震・水害対策)
    • 環境事業(廃棄物処理、再生エネルギー等)

6. 株価の評価

  • 株価: 1,878円(2025/6/4終値)
  • EPS(会社予想): 203.66円
  • PER(会社予想): 9.24倍(業界平均14.0倍)
  • BPS(実績): 2,629.92円
  • PBR(実績): 0.72倍(業界平均1.1倍)
  • 配当利回り(予想): 5.32%
  • 評価:
    • PER・PBRともに業界平均より割安水準
    • 配当利回りも高水準

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 1,974円
  • 年初来安値: 1,453円
  • 50日移動平均: 1,758.70円
  • 200日移動平均: 1,653.28円
  • 直近株価推移:
    • 直近10日間は1,860円~1,900円付近で推移
    • 50日・200日移動平均を上回る水準で推移
    • 年初来高値圏に近い水準
  • 信用倍率: 62.22倍(信用買い残高が多い)

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 138,259百万円(2025/3期)
  • 営業利益: 6,426百万円(営業利益率4.6%)
  • 純利益: 3,723百万円(純利益率2.7%)
  • ROE: 7.39%
  • ROA: 2.61%
  • 自己資本比率: 32.0%
  • キャッシュフロー:
    • 営業CF: 2,910百万円
    • フリーCF: 2,020百万円
  • 財務傾向:
    • 売上・利益ともに近年増加傾向
    • 利益率は中堅ゼネコンとして標準的
    • 財務健全性は一定水準

9. 株主還元と配当方針

  • 1株配当(予想): 100円(2026/3期)
  • 配当利回り(予想): 5.32%
  • 配当性向: 39.36%
  • 自社株買い: 記載なし
  • 特徴:
    • 安定的かつ高水準の配当を維持
    • 特別配当(資本剰余金からの配当)も実施

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向:
    • 直近1年で約32%上昇
    • 直近は高値圏でやや横ばい推移
  • 出来高: 直近10日平均で約8万株と流動性は中程度
  • 信用買い残高増加: 投資家の関心は高い
  • 影響要因:
    • 建設業界の需給動向
    • 防災・インフラ投資政策
    • 労働力不足やコスト上昇リスク

11. 総評

飛島ホールディングスは、老舗の土木・建設事業を基盤に、防災・環境分野での実績と技術力を有する中堅ゼネコンです。財務体質は一定の健全性を維持しつつ、近年は売上・利益ともに増加傾向にあります。株価指標(PER/PBR)は業界平均より割安水準であり、配当利回りも高い点が特徴です。今後は建設技能労働者の不足やコスト増といった業界課題にどう対応するかが注目されますが、安定した収益基盤と積極的な株主還元策が見られます。株価は年初来高値圏で推移しており、投資家の関心も高い状況です。


企業情報

銘柄コード 256A
企業名 飛島ホールディングス
URL https://www.tobishimahd.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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