1. 企業情報
ケミプロ化成は、紫外線吸収剤を主力とする化学品メーカーです。その他、製紙用薬剤、電子材料、木材保護関連製品も手掛けています。国内の紫外線吸収剤市場ではトップシェアを誇り、BASFジャパン向けにも製品を供給しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ケミプロ化成は、紫外線吸収剤の分野で高い競争力を持っています。国内トップシェアであることは、技術力と顧客からの信頼の証です。一方、化学品業界は競争が激しく、原材料価格の変動や、競合他社の動向に影響を受けやすいという課題があります。
3. 経営戦略と重点分野
2025年3月期の決算短信によると、ケミプロ化成は、紫外線吸収剤の需要獲得、酸化防止剤の需要拡大、受託製造製品の拡販に注力しています。ホーム産業事業においても、拡販に努めています。
4. 事業モデルの持続可能性
ケミプロ化成の収益モデルは、主力製品である紫外線吸収剤の需要に大きく依存しています。市場ニーズの変化に対応するため、新製品の開発や、既存製品の用途拡大などが重要になります。
5. 技術革新と主力製品
ケミプロ化成の主力製品は紫外線吸収剤です。同社は、この分野で長年の経験と技術力を培ってきました。技術開発の動向としては、顧客ニーズに合わせた製品開発や、環境負荷低減に貢献する製品の開発が重要と考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 265.0円
- PER（会社予想）: 17.03倍（業界平均: 15.9倍）
- PBR（実績）: 0.89倍（業界平均: 0.7倍）
- EPS（会社予想）: 15.56円
- BPS（実績）: 297.43円
PERは業界平均をやや上回っていますが、PBRは業界平均を下回っています。EPSとBPSを考慮すると、割安感があるとも言えます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、265円近辺で推移しており、52週安値（250円）から上昇傾向にあります。50日移動平均線（280.92円）と200日移動平均線（318.29円）を下回っており、まだ上昇トレンドとは言い切れません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は9,710百万円と、前期の9,236百万円から増加。
- 営業利益: 2025年3月期は402百万円と、前期の482百万円から減少。原材料価格、エネルギー価格の高騰が影響。
- 当期純利益: 2025年3月期は128百万円と、前期の126百万円から微増。
- ROE（実績）: 2.71%
- 自己資本比率（実績）: 35.9%
売上高は増加していますが、営業利益は減少しており、コスト増の影響が伺えます。自己資本比率は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.89%
- 1株配当（会社予想）: 5.00円
- 配当性向: 50.85%
- Ex-Dividend Date: 2026年3月30日
配当利回りは、市場平均と比較して、やや低い水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、265円近辺で推移しており、大きな変動は見られません。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心は高まっている可能性があります。
11. 総評
ケミプロ化成は、紫外線吸収剤で国内トップシェアを誇る化学品メーカーです。2025年3月期は、増収となったものの、原材料価格の高騰により営業利益は減少しました。2026年3月期の業績予想では、増収増益を見込んでいます。株価は、PERが業界平均をやや上回るものの、PBRは割安感があります。今後の株価動向を注視し、業績改善の兆しが見られるか、原材料価格の動向などを注視していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4960 |
| 企業名 | ケミプロ化成 |
| URL | http://www.chemipro.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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