1. 企業情報
企業名: 株式会社ヤオコー
本社所在地: 埼玉県川越市新宿町1-10-1
設立: 1974年3月5日（創業1890年）
代表者: 川野 澄人
従業員数: 4,926人
事業内容:
埼玉県を中心に関東地方で食品スーパーマーケットを展開。生鮮食品、加工食品、日配食品、惣菜など幅広い商品を取り扱う。提案型売り場づくりに定評があり、独立系として地域密着型の運営を行う。ライフコーポレーションと共同でPB（プライベートブランド）商品開発も推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での位置付け: 食品スーパー業界の中堅ながら、営業利益率は業界トップクラス。関東地方（特に埼玉県）で高い認知度とシェアを持つ。
- 競争優位性: 提案型売り場づくりやPB開発力、地域密着型の店舗運営が強み。営業利益率やROEも同業他社比で高水準。
- 課題: 人件費・物流費・建築資材の高騰、消費者の節約志向、業界再編や異業種との競争激化が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「グループでより強くなる」を掲げ、中長期的な成長を目指す。
- 中期経営計画（2025年3月期～2027年3月期）:
- グループ売上高1兆円体制の基盤づくり
- ライフスタイル業態・ディスカウント業態の自律的成長
- 商圏シェアの拡大
- 新規出店・スクラップ＆ビルドによる店舗リニューアル
- 2025年10月に「株式会社ブルーゾーンホールディングス」設立予定
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 食品スーパー単一セグメントで安定した収益を確保。PB商品や惣菜など付加価値商品の強化により粗利率向上を図る。
- 市場ニーズへの適応力: 消費者の節約志向や健康志向に対応した商品開発と売場提案を推進。新規出店・リニューアルで商圏拡大にも注力。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: PB商品の共同開発や惣菜部門の強化、ITを活用した業務効率化などを推進。
- 主力商品・サービス: 生鮮食品、日配食品、惣菜、PB商品が収益を牽引。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 503.48円
- BPS（実績）: 4,447.92円
- 株価（2025/6/6終値）: 9,293円
- PER（会社予想）: 18.46倍（業界平均21.3倍）
- PBR（実績）: 2.09倍（業界平均1.8倍）
評価:
PERは業界平均より低く、PBRはやや高い水準。利益成長や資本効率の高さが株価に織り込まれている。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間は9,200円台中心で推移し、やや横ばい～小幅下落傾向。
年初来高値: 10,005円、年初来安値: 8,548円
50日移動平均: 9,454円、200日移動平均: 9,350円
現在株価は移動平均線付近で推移し、高値圏からやや調整局面。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 736,400百万円（前期比18.9%増）
- 営業利益: 33,402百万円（前期比13.9%増）
- 当期純利益: 20,176百万円（前期比10.6%増）
- 営業利益率: 4.5%
- ROE: 11.56%
- ROA: 7.84%
- 自己資本比率: 48.1%
- キャッシュフロー: 営業CF 431億円、フリーCF 95億円
- 傾向: 売上・利益ともに安定成長。収益性・効率性・安全性ともに良好な水準を維持。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想: 年間125円（予想配当利回り1.35%）
- 配当性向: 約25%
- 株主還元策: 安定配当を継続。自社株買いの実施状況は確認できず。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近は横ばい～やや下落基調。出来高は安定。信用倍率1.52倍と過熱感は見られない。
- 影響要因: 消費動向、原材料・人件費の高騰、出店戦略の進捗、同業他社との競争状況などが株価に影響。
11. 総評
ヤオコーは関東地方を中心に高い競争力と収益性を誇る食品スーパー。営業利益率やROEは業界トップクラスであり、安定した成長を継続。中期経営計画では1兆円体制を目指し、出店・リニューアルやPB開発、グループ経営強化に注力。財務基盤も堅固で、配当も安定的。株価は直近やや調整局面だが、全体として堅実な経営が評価されている。今後も消費環境や競争環境の変化への対応が注目される。
企業情報
| 銘柄コード | 8279 |
| 企業名 | ヤオコー |
| URL | http://www.yaoko-net.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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