1. 企業情報
東陽テクニカは、電子計測器の専門商社として、研究開発用機器を主力としています。欧米メーカーからの輸入販売を中心に、企業や官庁の研究開発部門向けに、エレクトロニクス分野を中心とした計測ソリューションを提供しています。事業は、情報通信、メカトロニクス、物性測定、EMC、海洋、ソフトウェア、ライフサイエンス、セキュリティなど多岐にわたります。
2. 業界のポジションと市場シェア
東陽テクニカは、計測器の専門商社として、特定のニッチ市場において一定のシェアを占めていると考えられます。研究開発分野に特化しているため、技術的な専門性と顧客との強固な関係性が競争優位性につながっています。課題としては、輸入販売が中心であるため、為替変動の影響を受けやすいこと、また、特定の技術分野に依存しているため、市場ニーズの変化への対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
- 中期経営計画「TY2027」において、売上高450億円、営業利益45億円、ROE11%の実現を目指しています。
重点分野:
- 先進モビリティ: 振動騒音計測や電動化関連、AD/ADAS開発向けVILS分野に注力。
- 脱炭素/エネルギー: 低温測定・磁気測定分野、二次電池関連の新規事業への投資。
- 情報通信/情報セキュリティ: サイバーセキュリティ分野の強化。
- 海洋/防衛: 防衛予算の拡大に伴う需要獲得。
4. 事業モデルの持続可能性
東陽テクニカの事業モデルは、研究開発投資が活発な企業や官公庁からの需要に支えられています。技術革新の進展に伴い、計測器の需要は安定的に存在すると考えられます。しかし、為替変動や、特定の技術分野への依存度が高いことがリスク要因となります。市場ニーズの変化への対応として、新たな技術分野への投資や、自社製品の開発などが重要になります。
5. 技術革新と主力製品
東陽テクニカは、様々な分野の計測器を取り扱っており、特定の技術に特化しているというよりは、幅広い分野の研究開発をサポートする役割を担っています。主力製品は、顧客のニーズに合わせて提供されるため、特定の製品に限定されません。
6. 株価の評価
- 株価: 1,464.0円
- PER（会社予想）: 17.99倍 (業界平均: 12.1)
- PBR（実績）: 1.12倍 (業界平均: 1.0)
- EPS（会社予想）: 81.37円
- BPS（実績）: 1,305.31円
- 配当利回り（会社予想）: 4.71%
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月6日の終値は1,464円であり、年初来高値1,494円に近づいています。200日移動平均線1467.21円を下回っており、やや弱気な印象です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で35,042,582千円。2025年9月期第2四半期の中間決算では、前年同期比14.7%減の17,376百万円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で3,366,081千円。2025年9月期第2四半期の中間決算では、前年同期比58.0%減の1,396百万円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で2,522,953千円。2025年9月期第2四半期の中間決算では、前年同期比65.2%減の858百万円。
- ROE（実績）: 8.97%
- 自己資本比率（実績）: 71.6%
売上高、利益ともに減少傾向にあり、業績は厳しい状況です。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.71%
- 1株配当（会社予想）: 69.00円
- 配当性向: 172.25%
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点は注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、下落傾向にあります。信用買残は多く、信用倍率は高いです。
11. 総評
東陽テクニカは、研究開発分野に強みを持つ電子計測器の専門商社です。高い配当利回りは魅力的ですが、業績の悪化、株価の低迷、高いPER、高い配当性向など、懸念材料も多く、今後の業績回復と株価の動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8151 |
| 企業名 | 東陽テクニカ |
| URL | http://www.toyo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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