1. 企業情報
鉱研工業は、地下資源工事用掘削機械の大手企業です。ロータリーパーカッションドリルなどの掘削機械の製造・販売に加え、温泉開発工事などの施工も手掛けています。日立建機やエンバイオ・ホールディングスとの連携も特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
鉱研工業は、地下資源工事用掘削機械の分野で一定のシェアを有しています。特に温泉開発分野に強みを持っています。
競争優位性:
- 温泉開発というニッチ市場での実績とノウハウ
- 日立建機との連携による技術力
- 工事施工も行うことによる、機械販売と工事受注のシナジー
課題:
- 建設投資の変動による業績への影響
- 原材料価格の高騰
- 競合他社との競争
3. 経営戦略と重点分野
鉱研工業は、中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS 2025」に基づき、持続的な売上拡大と収益確保を目指しています。
重点分野:
- 温泉工事、アンカー等工事、海外ODA工事などの工事施工関連事業の拡大
- 中国市場向け製品など、ボーリング機器関連事業の強化
- 社会資本整備需要を取り込む
4. 事業モデルの持続可能性
鉱研工業の事業モデルは、社会インフラ整備や資源開発といった公共投資に依存する部分が大きいため、景気変動の影響を受けやすいと考えられます。
収益モデル:
- 掘削機械の販売
- 工事施工
- 温泉開発
市場ニーズへの適応力:
- インフラ老朽化対策、防災・減災、リニア中央新幹線建設など、国内の社会資本整備需要を取り込めるか
- 海外ODA工事など、海外市場への展開
5. 技術革新と主力製品
鉱研工業は、掘削技術に関する技術開発を行っています。
主力製品:
- ロータリーパーカッションドリル
- 温泉掘削機械
- 工事施工サービス
6. 株価の評価
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 535.0円 |
| PER（会社予想） | 8.10倍（業界平均10.7） |
| PBR（実績） | 0.85倍（業界平均0.7） |
| EPS（会社予想） | 66.04円 |
| BPS（実績） | 630.36円 |
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移から、2025年6月3日に急騰し、その後は調整局面に入っているように見えます。50日移動平均線（467.46円）と200日移動平均線（480.40円）を上回っており、上昇トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 3/31/2024 | 3/31/2023 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,611百万円 | 9,529百万円 | 8,214百万円 |
| 営業利益 | 653百万円 | 559百万円 | 261百万円 |
| 経常利益 | 581百万円 | 466百万円 | 275百万円 |
| 当期純利益（親会社株主に帰属） | 456百万円 | 299百万円 | 186百万円 |
| ROE | 8.84% | – | – |
| ROA | 2.98% | – | – |
- 売上高は増加傾向にあり、直近12ヶ月で100億円を突破しています。
- 営業利益、経常利益、当期純利益も増加しており、収益性が向上しています。
- ROEは8.84%と、一定の収益性を示しています。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 3.36% |
| 1株配当（会社予想） | 18.00円 |
| 配当性向 | 39.72% |
配当利回りは3.36%と、一定の株主還元を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、好調な業績が反映されていると考えられます。
信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高まっているようです。
株価への影響要因:
- 業績（売上高、利益）
- 社会インフラ投資の動向
- 原材料価格の変動
- 金利変動
11. 総評
鉱研工業は、温泉開発というニッチ市場に強みを持つ掘削機械メーカーです。直近の業績は好調で、増収増益を達成しています。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、公共投資や資源開発の動向に業績が左右される点には注意が必要です。今後の成長戦略と、市況の変化への対応に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6297 |
| 企業名 | 鉱研工業 |
| URL | http://www.koken-boring.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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