1. 企業情報
株式会社トーアミは、土木建築用溶接金網の製造・販売を主力とする企業です。1887年創業と歴史があり、コンクリート補強材や板ガラス向け製品、動物対策フェンスなども手掛けています。事業は主に土木建築用資材と土木・建築工事に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
トーアミは、土木建築用溶接金網分野で国内最大手です。公共事業を中心に安定した需要が見込めますが、建設業界全体の動向に業績が左右されやすい側面があります。競争優位性としては、長年の実績と全国的な営業網が挙げられます。課題としては、原材料価格の変動や、建設業界の人手不足による影響が考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画（2024年4月～2027年3月）に基づき、顧客価値の向上、人的資本への投資、社会貢献と環境経営を推進しています。具体的な施策としては、製品の高付加価値化、生産効率の向上、人材育成などが考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
トーアミの収益モデルは、公共事業を中心とした安定的な需要に支えられています。建設需要は、インフラ投資や都市開発などによって変動するため、市場ニーズの変化への対応が重要です。近年では、害獣防止柵など、新たな分野への展開も行っています。
5. 技術革新と主力製品
トーアミは、溶接金網の製造技術を基盤としています。技術開発の動向としては、製品の品質向上や、省力化、環境負荷低減などが考えられます。主力製品は、土木建築用の溶接金網であり、これが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 533.0円（2025年6月6日終値）
- PER（会社予想）: 17.98倍（業界平均：11.3倍）
- PBR（実績）: 0.28倍（業界平均：0.5倍）
- EPS（会社予想）: 29.64円
- BPS（実績）: 1,878.94円
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均よりも低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は538円で安定しています。年初来高値は576円、年初来安値は453円であり、現在の株価は年初来高値と安値の中間付近に位置しています。50日移動平均線は534.12円、200日移動平均線は530.79円であり、株価は両移動平均線の上に位置しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は181億円（前年比+2.7%）
- 営業利益: 2024年3月期は-1.11億円（前年は3.24億円）
- 当期純利益: 2024年3月期は-0.06億円（前年は2.47億円）
- ROE（実績）: -0.06%
- 自己資本比率（実績）: 56.4%
売上高は増加しましたが、営業損失、当期純損失を計上しており、収益性は悪化しています。自己資本比率は56.4%と高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.00%
- 1株配当（会社予想）: 16.00円
- 配当性向: 82.14%
配当は安定しており、配当利回りも3%とまずまずです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は安定していますが、業績の悪化から、今後の株価変動には注意が必要です。
11. 総評
トーアミは、土木建築用溶接金網分野で国内最大手であり、安定した需要が見込めます。しかし、2024年3月期は業績が悪化しており、今後の業績回復が焦点となります。株価はPERで割高感があるものの、PBRでは割安感があります。配当利回りは3%とまずまずです。投資を検討する際には、今後の業績動向、原材料価格の変動、建設業界の動向などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5973 |
| 企業名 | トーアミ |
| URL | http://www.toami.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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