1. 企業情報
日本ハム（NH Foods Ltd.）は、食肉加工品（ハム、ソーセージ等）で国内最大手の企業です。食肉の生産から加工、販売までを一貫して行う体制が強みです。国内食肉市場でもトップシェアを誇り、海外事業や新規事業の育成にも注力しています。
* 事業内容:
* 加工食品事業（ハム、ソーセージ、中華惣菜、ピザ、乳製品など）
* 食肉事業（食肉の生産、販売）
* 海外事業（鶏肉、ハム、ソーセージ、加工肉、海産物、野菜の生産・販売）
* ボールパーク事業（プロ野球チーム運営、球場運営）
* 特徴: 飼育から加工、販売までの一貫体制による安定した事業基盤。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本ハムは、国内の食肉加工品市場において圧倒的なシェアを誇り、競争優位性を確立しています。一貫生産体制によるコスト競争力も強みです。
* 競争優位性:
* 国内トップシェア
* 一貫生産体制
* ブランド力（「シャウエッセン」など）
* 課題:
* 原材料価格の変動リスク
* 人口減少による国内市場の縮小
* 海外市場での競争激化
3. 経営戦略と重点分野
日本ハムは、中期経営計画2026を策定し、増収増益を目指しています。
* 経営ビジョン: 中期経営計画2026において、売上高1兆4000億円、事業利益540億円、当期利益300億円を目標としています。
* 重点分野:
* 加工食品事業の強化（シャウエッセンのブランド力強化、デリ商品の回復）
* 食肉事業の強化（国産鶏肉の販売価格上昇、豪州牛肉事業の拡大）
* 海外事業の拡大（北米での鶏肉加工品の製造数量拡大）
* ボールパーク事業の成長
4. 事業モデルの持続可能性
日本ハムの事業モデルは、食肉という生活必需品を扱い、安定した需要が見込めるため、比較的持続可能性が高いと考えられます。
* 収益モデル:
* 食肉加工品、食肉の販売
* 海外事業からの収益
* ボールパーク事業からの収益
* 市場ニーズへの適応力:
* 多様な商品展開（健康志向商品、簡便調理商品など）
* 海外市場への進出
* 新規事業への取り組み
5. 技術革新と主力製品
日本ハムは、技術革新にも積極的に取り組んでいます。
* 技術開発の動向:
* 食肉加工技術の向上
* 品質管理体制の強化
* 新商品の開発
* 主力製品:
* ハム、ソーセージ（シャウエッセンなど）
* 食肉
* 加工食品（中華惣菜、ピザなど）
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 16.70倍（業界平均：19.5倍）
- PBR（実績）: 0.96倍（業界平均：1.3倍）
- EPS（会社予想）: 303.24円
- BPS（実績）: 5,299.55円
- 現在の株価5,063円は、PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、5,000円台を維持しており、52週高値（5,619円）からは下落しているものの、年初来安値（4,388円）からは上昇しています。
* 50日移動平均: 5215.18円
* 200日移動平均: 5078.23円
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で1兆3705億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で359億円と、前期比で減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で265億円と、前期比で減少しています。
- ROE（実績）: 5.06%
- ROA（過去12か月）: 2.42%
- 自己資本比率: 55.2%と、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.08%
- 1株配当（会社予想）: 156.00円
- 配当性向: 51.32%
- 安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は、5,000円台で安定的に推移しています。
- 株価への影響要因:
- 原材料価格の変動
- 為替レートの変動
- 国内消費動向
- 海外事業の業績
- 新商品の販売状況
11. 総評
日本ハムは、国内食肉加工品市場で圧倒的なシェアを誇り、安定した収益基盤を持っています。中期経営計画2026では、増収増益を目指しており、今後の成長も期待できます。
株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。
ただし、原材料価格の変動や海外事業のリスクなど、注意すべき点もあります。
総合的に見て、中長期的な投資対象として検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 2282 |
| 企業名 | 日本ハム |
| URL | http://www.nipponham.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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